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第61話 人と妖精

今回は国の内情!エル編!です!今回はついに妖精との話になります…妖精が思うのはどのような事なのか、想像しながら読んでいってもらえればと思います。


それでは、どうぞ!

グレムがエルフとダークエルフを、ルリが獣人とドワーフの関係を取り持っている時である。


エルは妖精エリアへと足を運んでいた。どうやら大きな湖が木に囲まれているような構造になっているっぽい。エルは一応エリアに入る時に挨拶をする。


「こんにちは〜……。」


シーーン……と静かな時間が過ぎる。そこでエルはエリア内をよ〜く見ると、()()()()()()()()()()()()()()のに気づいた。


これも妖精との関係を親密にするため!ご主人様!エル!頑張りますよ!


エルはエリア内に散らばっているゴミを集め始めた。そのゴミを集めている途中で綺麗な薄い桃色の花が辺りに生えているのに気づく。


「綺麗な花ですね〜。それに、いい香り♪この花のためにも、ゴミ集め頑張りましょう!」


エルはその生えている花を踏まないように気をつけながら、ゴミを集め続けた。





「終わった〜!」


エルは散らばっていたゴミを全てかき集め、国のゴミ処理施設まで持っていき、再び妖精エリアに戻ってきて、草むらの上に座った。すると、ふと何処からか声が聞こえた。


【あなたのような人は初めてです。】


「?どなたでしょうか?」


エルは呼びかける、すると、その湖の真ん中に()()は姿を現し始める。


いくつもの緑色の光が集まって、人の形になっていく。そして、その光が完全に人の姿になったと思うと、()()はより一層緑色に光り輝いてから、また段々と光を失っていき、なんとも美しい女性の人が現れた。


エルはその光景に少しの間、見とれていた。そしてはっと我に返って、()()に聞く。


「あの〜あなたは?」


【私は大妖精メルシュ…この妖精エリアの代表をしています。】


「メルシュ様…ですか…すみません。妖精の知識はあまり無いもので…。」


【とんでもないです、あれだけ散らばっていたゴミを片付けてもらっていながら名前を知らないだけで怒るなどということはしません。】


「そうは言っても…私はただゴミを片付けただけです…そんなに大きなことを成し遂げた訳ではなく…。」


【確かに、あなたたちにとっては小さなことかもしれません。ですが、それが私たち、妖精にとってはとても大きなことなのです。あなたはゴミを片付けるだけではなく、生えている花にも気を使いました。他の人は成さなかったことをあなたは自分からやって下さったのです。感謝を述べます。】


「そう言われると…えへへ、少し嬉しいです……。あっ!!そうだ!!大妖精メルシュ様!私は何か種族間での問題があると聞いてここに来たのです、何か困っていることとか…ありませんか?」


そうエルの言葉を聞いた途端、メルシュは険しそうな顔をして少し黙った。エルはその険悪な雰囲気に少し緊張してゴクリと息を呑む。その後、メルシュは口を開いた。


【エルフやダークエルフを除いた()についてです。彼らは自然を大切にせず、逆にぞんざいに扱っています。我々妖精にとって『自然』や『環境』は何よりも大事なものです。それを脅かすような()の行為が許せないのです。先程までゴミがこの辺り一帯に捨てられていたように。】


エルは大妖精の言葉を聞いて頷く。エルフやダークエルフは、植物と共に生きてきたと言っても過言ではないほど、自然を大切にしています。ですが、それ以外の獣人や人間などの()という種族はそれをあまり気にかけていません。日々の生活の中で自然を大切にするような習慣が無いからでしょう。


しかし、メルシュ様が言っている、その自然をぞんざいに扱う()の行為を改めるのはとても難しいことです。この国の中の種族、皆に言って回らなければならないし、例え言って回ったとしても、気にしない人、話を聞かないで物を捨てる人は必ずいるでしょうし…。


でも、この国の種族をまとめるにはこの問題を解決しなければなりません。妖精だけの問題を無視するなんてことは出来ません!そんなこと、私はしたくないです。出来ることなら()()()()()()()()のです。ですよね!ご主人様!


エルが深く考えているのを見て、メルシュは心配する。


【大丈夫ですか…?でも、確かにこの行為を全員に止めさせるのは難しいことです。なので少しでも削減されれば…】


エルは覚悟を決め、メルシュの言葉を遮って言う。


「いいえ、それではダメです!少しだけの削減だと、メルシュ様の心にはまだ少し嫌な気持ちが残ってしまうでしょう。そんなの良くないです!他のみんなが笑っているのに、妖精さんだけが少し悲しい思いをするような国にはしたくありません!大丈夫です!何とかします!任せてください!」


【でも…かなり難しいことになります…それこそ国をも動かすようなことが出来る人でもいないと…。】


「メルシュ様、その()()()()()()()()がいるんですよ。その人も今、この国の為に種族間での問題を解決して回っています。その人にお願いしてみます。大丈夫です、その人は誰よりも優しくて、誰よりも他者のことを考えてくれるんです。きっと、メルシュ様の願いも聞き入れてくれるでしょう。」


【そんな人が…本当に…!………いえ、なんでもないです。では、よろしくお願い致します。】


メルシュは少し心配したが、本当にそれが実現するのならとエルを信じ、頭を下げてお願いをした。エルはそれを聞いて、笑顔で返した。


「任せてください!大妖精様!」





その日の夜のこと…


「ご主人様〜!!」


ガバッと宿でグレムに抱きつくエル。


「うわっ!いきなりどうした、エル。何かお願い事でもあるのか…?」


エルは心を見透かされているのかと驚く。


「な、なんで分かったんですか!?」


「なんとなくだ。それで?その願い事はなんだ?言ってみてくれ。」


「実は…」





「そうか…そんなことが…。」


「さ、さすがにご主人様でもダメでしょうか…?」


「良くやったエル!!」


エルはグレムに抱きつかれる。エルは顔を赤くして言う。


「ご、ご主人様!?」


「大妖精が姿を現し、心を開いて話を打ち明けてくれるのはその条件が揃っている者にだけなんだ。要するに、エルには、この国の妖精エリアをまとめる大妖精に会う()()()()()()()()()()という事だ。本来なら会えなくて問題も何も聞けなかったかもしれないが、エルが行ってくれたお陰でそれが分かった!ありがとう!」


グレムはさらにぎゅううとエルを強く抱きしめる。エルは顔をさっきよりも赤くしながら言う。


「ご、ごご、ご主人様はこの問題…ど、どうしますか?凄く難しい内容ですが…。」


「国王に直接言うよ、俺の言葉なら聞いてくれそうだ。何より、俺らが宣伝したって聞いてくれる人は少ないだろう。なら、この王国をまとめあげる王が言うんだったら別だろうしな。」


「あ、ありがとうございます!!きっと大妖精様も喜びます!!」


「お礼を言うのはこっちだよ、エル。誰も出来なかったことを、エルは成し遂げたんだ。」


「ご主人様…。」


エルもグレムを抱きしめる力を強くする。そうしていると…


「あっ…エルだけ…抜け駆け…ずるい…。」


お風呂から上がってきた可愛い寝巻き姿のルリが部屋に帰って来て早々言う。


そう言われて突然今の状況が恥ずかしくなったエルはすぐにグレムから体を離して言った。


「ルル、ルリちゃんが出たなら私がお風呂に入ってきますね!!」


そう言ってお風呂セット一式を持って、エルは部屋を出ていった。あ〜可愛いわ〜。


そう思っているとルリは無言でグレムの膝の上に座り、その後に話し始めた。


「ご主人様…私…今日獣人とドワーフ間の問題を解決してきたよ…そのお陰で…ドワーフの店…繁盛してた…。」


「おお、凄いじゃないかルリ!!俺は嬉しいぞ〜!!」


グレムはそう言ったルリを左腕で強く抱き締め、右手で頭を優しく撫でた。ルリはとても嬉しそうに顔を赤くしている。ダメだ、2人とも可愛すぎてダメ人間になりそう。


「ご…ご主人様は…どうだった…?」


「そ〜だな〜俺はエルフとダークエルフの問題を解決したな。あと人間と人魚の関係も明日で決着がつきそうだ。」


「人魚……だから…ご主人様からは他の女の臭いがするの…。」


「ルリ…?もしかして怒ってる?」


そうグレムが言うとルリはすぐグレムの方に振り向いて抱きついた。そして言う。


「今からでも…私の匂いだけ…ご主人様につける…!」


そう言ってルリは体を擦り合わせてくる。なにこれ、めちゃくちゃ可愛いんだけど。


その数分後、ルリはグレムの胸の中で眠ってしまった。よっぽど疲れていたんだろう。グレムはルリを他のベッドに移そうとするがなんとルリはひしっとグレムの服を掴んでいて離さない。


「ルリ、寝るんならベッドで寝よう。絶対俺の胸の中より気持ちいい。」


グレムは眠っているルリに訴える。だがルリは寝言でこういった。


「ご主人様…寂しい…そばにいて…。」


しょうがない、今日はこのまま寝かせてやろう、可愛いし。と思っているとエルがお風呂から帰ってきた。グレムは普通に対応する。


「おお、おかえり。」


「ただいまです…ってええ!?何してるんですか!?」


「何するも何も引っ付いて離れてくれないんだ。おまけに寝言で『寂しい…そばにいて…。』とか言うし。もうしょうがないからこのまま寝ようと思ってる。」


「なら、提案があります!」





その提案とは胸の中にルリ、左腕にエルというなんと言えばいいのか分からない提案であった。だが、男にとっては嬉しいのでは?


「これ…意味ある…?」


グレムが言うとエルはすぐに言葉を返した。


「大いにあります!ルリちゃんだけご主人様に密着して寝るのはずるいです!だから私もくっつくんです♪」


「はぁ…もう可愛いからいいや…お休み…。」


「はーい!おやすみなさい!」


その日は全員深い眠りに落ちた、だがグレムだけはうなされていた。

どうでしたでしょうか?


あまりスッキリしないような終わり方に思われるかもしれませんが、次回にそれらを全てまとめあげるような話を出しますので、ご期待ください…!


それでは、また次回お会いしましょう!

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