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第50話 纏わり付く影

タイトルと前回の予告通り、アムル王国へとまたもや影がかかってきます…今回は甘〜い何かとその影に対しての準備回のようになっています。楽しんでみてください!


それでは、どうぞ!

フェルトがアムル王国の王女となってから約3日が経った。やはり彼女には王としての才能があったのか、そのカリスマ性を大いに振るってほぼ完璧に王女としての役割を果たしていた。そんなある日のことである。


「グレム様〜!!!」


フェルトがそうグレムに呼びかけ、私服でこちらに走ってくる。髪色と合わせてめずらしい桃色のカシュクールワンピースを着て、リボンが付いたキャペリンを被っている、靴下もピンクのクルーソックス、靴もピンクのモカシンを履き、まさに桃色一色。だがここまでピンクが似合うのはこの子くらいであろう。


で、何故こういった状況になっているのかというと…





フェルトが王女となったことで、特別にグレムたち3人は王宮で過ごして良いことになっていた。個人個人の部屋まで貸してもらって、至れり尽くせりだ。少し申し訳ない。


そんな中、グレムは部屋に用意されていた椅子に座り、次の目的地について考えていた。以前思っていたのと同じように、この国でやり残したことはもう無いと思ったからである。


『次はどこに行こうかな〜。』


そういうと、突然、ドアを『コンコン』とノックする音が聞こえた。グレムは地図を畳んでから、『どうぞ』と言う。


そうすると、フェルトが入ってきた。そしてグレムの向かい側の椅子に座る。グレムはなんだなんだと少し心配になる。フェルトが口を開く。


『あの…王女となって…それまでに大分お世話になってしまいましたが…その…お願いが……。』


もじもじしている。このままでは話が進まないとグレムは思い、こう言った。


『なんだ、はっきり言ってくれ。何か心配なことでもあるのか?』


そういうと、心を決めたようで、フェルトは思い切って言った。


『あの……私と…デートして下さい!!!』


『ん?『デート』?俺なんかでもいいなら…、別にいいぞ?』


グレムがそう言うとフェルトは笑顔で『やった〜!』と言って喜んだ。やばい、可愛い。可愛い女性しかいないのかこの世界は。そう考えているとフェルトが言った。


『で、では…明後日でも良いでしょうか…?』


『ああ、こっちはそもそも冒険者だし、時間なんていつでも作れる。そっちの都合で合わせてくれていいぞ。』


『そうですか…よかった…。』


フェルトは安心したように言った。グレムは少し疑問に思い聞く。


『それにしても…急に()()()なんてどうしたんだ?』


『この前…ワマル村でグレム様の顔を見た時、『この国でやり残したことは無い』というような顔をされていたので…ほ、本当ならけ、結婚…したいくらいなのですが、断られるのは分かっているので…最後に思い出作りがしたくて…。』


『ちゃんと見ているな、さすが王女様だ。』


そう言うとグレムは椅子から立ち、フェルトの方へと近づく、そして膝をつき、椅子に座っているフェルトと目線を同じにして言った。


『けど、()()なんて寂しいこと言うな。俺は冒険者だ、きっとまた、いつか出会える。だから、そんなもう出会えないみたいなことを言うな。こっちまで寂しくなるだろ。』


そう言ってグレムはフェルトのおでこにキスをした。フェルトは顔をとても赤くする、グレムは言った。


()()()、楽しみにしてるぞ。可愛い格好して来てくれるんだろうなあ、王女様だからなあ。』


そのグレムの言葉に返事をするようにフェルトは席を立って顔を赤くしたまま言った。


『当たり前です!メロメロにしてみますよ!』


『楽しみだ。』


グレムは笑顔で言った。





フェルトはワンピースを左右に振り、上目遣いで聞いてきた。


「どう…でしょうか…?」


「いやめちゃくちゃ似合ってるし可愛いし、悪いところ無しのいい所だらけでどこから褒めたらいいか分からん。」


「よかったです…ふふふっ。」


フェルトは嬉しそうに笑う。なんですかこの子は、可愛すぎやしませんか?


「じゃあ、行くか。」


「はいっ!」


フェルトは大きく返事をすると腕を組んできた。まぁ、今回は許してやるか。


ちなみにエルとルリには特別に許可を取ってもらった。『いつか2人とも1人ずつでデートするから』と言ったら顔を赤くしながら許してくれた。可愛い子に囲まれるのって色々やばいですね。(語彙力無)


最初に向かったのは宝石店である、何故かは知らない。正直自分は付き添っている子が行きたいところに付いていくスタンスなので、フェルトに合わせている。


「グレム様…この宝石…綺麗ですね…。」


店に入ったらいきなりフェルトが見とれてしまうくらいの宝石があった。グレムも見てみると、そこにはハートの形をした赤い宝石があった。確か…『ヴェルメライト』とかいう名前だったかな。その宝石をグレムは取り、すぐに会計をしようとする。フェルトが止める。


「ちょっと!グレム様!?待ってください!」


「なんだ?他に欲しい宝石でもあるのか?」


「いや、そうではなく…私が欲しいんですからお金は私が払います。」


「この状況で俺は女性に払わせるなんてしたくない。それに、()()()()()なんだろ?俺がプレゼントした方が、記憶に残るんじゃないか?」


そうグレムが言うと、フェルトは目を輝かせながらも顔を赤くし、こちらを見つめていた。グレムは会計を終わらせ、ブレスレットにしてもらい、フェルトに付けてやる。


「ピンクに赤、似合うな〜もう少し派手な感じでもフェルトには似合うんじゃないか?」


フェルトは顔を赤くしているが何も言わない。そして2人は店を出る、そうした瞬間、フェルトは抱きついてきた。そして言う。


「グレム様は…ずるいです…でも…本当に好き…好き。」


そう言った彼女の顔は真っ赤だった。まるでヴェルメライトのように。グレムも突然のことに少し恥ずかしがって顔を掻く。


「次の店…行かないか?」


「はい…!」


フェルトは先程よりも強く腕を組んできた。


その後は洋服屋へと行って色んな服をフェルトが着るのを見ていた。どれを着ても似合っていたが、1番グレムの好みに刺さったのは赤のベレー帽に赤のブラウス、そして赤いフレアスカートを着て、黒いタイツと赤色のローファーを履いた姿だった。


フェルトはその服一式を気に入り、買って行った。その時も「プレゼントしようか?」と聞いたが、「私が買うのがいいんです」と少し顔を赤くしながら言われた。


「赤色が好きなんですか?グレム様は。」


「いやぁまぁ…な。…ここまで赤色が似合う子がいるとは思わなかったけどな。」


「ふふふ、嬉しかったです。」


その後は昼食をとりにオシャレなカフェに行った。


クリームパスタが人気らしいのでグレムはそれにした。フェルトはサンドイッチを頼んだ。あまりにもそのクリームパスタが美味しかったので結構食いつきに勢いをつけてしまい、グレムの口の周りには白いクリームが付いた状態になっていた。


フェルトはそれを見て笑い、グレムは戸惑っていた。だが、彼女はその日1番の笑顔を見せてくれた、それが、グレムは少し嬉しかった。





「楽しいですね!デートって!」


「それならよかったよ、王女様。」


「もう!今はフェルトと呼んでください!仮にもデートですよ!」


そう言ってフェルトはグレムの腕を何度か叩く。グレムはそれに反応して言う。


「分かった、分かったから。痛いからやめてくれ。」


「おやあ?あの()()の男がやけに弱々しいですね?もしかして…女性が弱点だったりします?」


「詮索はしないでくれ、こっちも困る。」


「図星ですか?グレム様にも可愛いところあるんですね!」


フェルトは本当に楽しそうに()()()をしていた。こんな時間が、長く続いたらどんなにいい事か…。そうグレムが思った時だった。


突然、国の警報が鳴った、そして放送が入る。


『現在、どこから来たのかがわかりませんが、黒い鎧を着た騎士団がこの国を取り囲むように近づいてきています!王女様はすぐに王城へ、国民の皆様は自宅へと一旦避難してください!繰り返しますーーー』


それを聞いた瞬間、グレムとフェルトは顔を合わせて互いに頷き、王城へと走った。





王城へと着くと、既に騎士団長と騎士団が用意を始めていた。エルとルリも王城にいた。


「一体何があったのですか!?」


フェルトが聞く、騎士団長が言う。


「放送のとおりです!何者かは分かりませんが、とある騎士団が攻めてきています!王女様、どうしますか!?」


フェルトは少し考える、グレムが言う。


「フェルト、城の周りに兵士を配置してくれ。正面の門は俺、東門にはルリ、西門にはエルを置く。この国を守り通すために俺たちも戦う。せっかくのデートだったのに悪いな…。」


グレムがそういうとフェルトはいきなりグレムと唇を合わせた。驚いているグレムにその後にフェルトは言う。


「またいつか会えるんですから、デートなんていくらでもできます。だから、一緒にこの国を守り通すために戦いましょう。よろしくお願いします。」


グレムはニヤッとして言った。


「すっかり、王女様になったな。分かった、エル、ルリ、行くぞ。」


『はい!』


2人は同時に返事をした。グレムは王城を出る前にまた最後に止まり言った。


「戦うのは俺たちに任せろ。フェルトは王女としての最善を尽くせーーー行ってくる。」


「はい!」


フェルトの返事を聞くとグレムたちは王城を出ていった、兵士たちも付いていき、配置につき始める。


グレムたちは各門に別れる前に話をしていた。エルが言う。


「私もご主人様とあんな甘いキスしたいです〜!」


「戦闘が終わったらな、いつでもいいぞ。」


「本当ですか!?今夜は寝させませんよ〜!」


「そこまで!?そこまでやるの!?」


「ルリも…したい…、ご主人様と…キス…。」


グレムはルリの頭を撫でながら言う。


「戦いが終わったあとな、じゃあ、行くぞ。一旦別れるけど2人とも、頑張れよ。」


『はい!』


2人は同時に返事をすると、3人は各門へと向かって別れていった。





アルスは王城の最上階から国の様子を楽しみながら見ていた。


「さぁ、どうする?王女様?この国を守りきれるか?」


そう言った後、アルスは高笑いをした。

どうでしたでしょうか?


次回はいよいよ、決戦編です…主人公だけでなく、他の2人、エルやルリも活躍をするので楽しみにしていてください!


それでは、また次回お会いしましょう!

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