第43話 ダークエルフの村、ワマル村
始まりました第4章!早速問題が出てきます…毎度お馴染みですが…。種族間や国をも巻き込むストーリーとなっていくので、是非1話たりとも見逃さないで見ていただけたらと思います!
それでは、どうぞ!
いつものように目的地近くまで着き、馬車から降りる3人。そして馬車乗りにグレムが言う。
「ここまでありがとうございました!」
「いえいえ、また会えることを期待しております、グレム様!」
そう馬車乗りが言うと馬車は去っていった。
「しっかし…」
振り返ってグレムが言う。
「こんな暗い森の中にダークエルフの村があるのか。」
目の前にはあまりにも多くの木が生えた、暗い森が広がっていた。エルがその言葉に答える。
「ダークエルフは、名前の通り、日当たりがあまり無いところを好むのです。肌の色が少し黒いだけでなく、日陰に住むことが多い種族なんです。」
「は〜なるほど。確かに、エルフとはちょっと違った特徴があるんだな。」
グレムはエルの説明に納得した後、言った。
「じゃあワマル村を目指すか、印を付けてもらった地図だと大体この森の真ん中辺りだ。」
『はい!』
エルとルリは2人で同時に返事をし、歩いていくグレムへと付いて行った。
「本当に暗いな…エルに光魔法を使ってもらおうかと思うほどだ。」
グレムがそういうとやる気満々でエルが言う。
「じゃあ!明かりを灯しますね!!」
グレムはすぐ止めるように言う。
「あ!いや、大丈夫。思っただけだから…。」
「そうですか…。」
エルは少ししゅんとする。これからは少し話すのにも注意しよう、いつまでも可愛いエルでいて欲しいし。
そう思いながら草が茂る獣道を歩いていると、木でできた門のようなものが正面に見えた。あぁ…前のエルフでの里では酷い目にあったな…思い出したくなかった…。
グレムたちはその門へと近づいていく、するとまた前のエルフの里と同じような物見櫓からダークエルフの男が話しかけてきた。
「何の用だ!人間!」
「いや、この仲間のダークエルフの子の故郷の情報を知れたらと思いまして…。」
「そんなこと言って、信用できるか!!この汚らしい人間が!!」
妙に人間を嫌っているように聞こえる。何かトラブルでもあったのだろうか。そう思っていると、その物見櫓に女性のダークエルフが上ってきて、少しこちらの様子を伺った後、男のダークエルフの頭を叩いた。その後、グレムたちに言った。
「仲間が無礼を働いて申し訳なかった!中に入ってくれ。」
そうその女性のダークエルフが言うと、正面の木でできた門が開いた。
中へと入ると、木々を使ったなんとも自然溢れる村の景色が広がっていた。木々の周りに螺旋階段が設けられていたり、木の上に家があったり、さらには木々の間に橋がかけられたりしている。木の上に住むとは斬新だなと感動する。
その景色に見惚れていると、さっきの女性のダークエルフが男のダークエルフを連れてきて頭を下げてから言った。
「仲間が無礼を働いて申し訳なかった。」
「いえいえ、よそ者であればああいう対応も珍しくないですよ。でもどうしてその後すぐに通してくれたんですか?」
「あなたがそのブローチを付けていたからだ。このバカはそれが見えていなかったんだろう。本当に申し訳ない。」
グレムはそういえばと思って胸元辺りに付けていた、この前エルフから貰ったブローチに触れる。
「いやぁすみません、また最低な人間が来たと思うと少し…痛っ!」
男性のダークエルフが話し出すとその女性のダークエルフは「黙っていろ」と言うように頭を叩く。そしてまたその女性のダークエルフは何度も謝る。グレムは少し焦りながら言う。
「頭を上げてください、きっとその人にも人間が信用出来ないと思うようになったきっかけがあったんでしょう?それならしょうがないですって。」
そういうとその女性のダークエルフは俯いた、やはり、何か人間とトラブルがあったのか。その後に顔を上げて彼女は言った。
「名前を言い忘れていたな、私はクロエ、こちらのバカはナルという。よろしく頼む。」
「私はグレムといいます、でこっちのダークエルフがエル、こっちの獣人がルリといいます。」
グレムが紹介すると共に2人は頭を下げる。自己紹介が終わるとクロエはグレムの両手をがっしりとつかんで目を輝かせ言ってきた。
「グレム!?あの英雄と呼ばれたグレムなのか!?あなたが!!」
「ええ、まあ、はい。」
戸惑いながらもグレムは返事をする。
「あなたならなにかを変えられるかもしれない…すぐに村長の元へと案内する!着いてきてくれ!」
半ば無理やりクロエに連れられたグレムは2人を連れながらも村長の所へと案内された。
「村長!英雄…いやあのグレムがこちらに来てくれた!事情を聞いてもらおう!!」
村長がいたのは木の上の大きな幕が張ってあるテントのような形をした場所であった。
その村長はどうやら女性のようだ。その村長が言った。
「…いくら寛大で誠実な英雄と呼ばれたグレム様でも、いきなり来てもらって事情を話したらそれを解決へと導いてくれるとは考えられません。グレム様たちの事情もあるでしょう。そちらが優先です。」
「村長…分かりました、すまない。無理やり連れてきてしまって。」
クロエは少しがっかりとしながらその場から去ろうとする。だが、困っているようだ、放っておけない。
「こちらの話が終わったら事情を聞くだけ聞いてもいいですよ。」
「グレム…。」
クロエはその言葉に足を止める。村長は「はぁ」とため息をついてから言った。
「まず自己紹介から、私は村長のミミといいます。それで、グレム様たちの要件はなんですか?」
「はい、このダークエルフ、エルと言うのですが、彼女の故郷が知りたくて…。」
そういうと村長は「少し失礼。」と言ってこちら側に来てエルの首の後ろ側を髪を掻き分けて見た。微かだが、そこには三角形をした黒いマークの様なものがあった。髪に隠れて気づかなかったな。
「これは…ここから1番遠いダークエルフの村出身ですね。地図を見せてください。」
グレムはエルフの里で印を付けてもらった地図を広げて見せる。
「丁度ここですね。かなりの距離ですが、多分ここの村出身だと思われます。」
「マークにはどんな意味が?」
グレムは疑問に思い聞く。
「ダークエルフは出身地で決まったマークを産まれた時につけられるのです。かなり昔からの習慣となっているのであまりこれと断定できませんが、聞いたところによると、昔、ダークエルフは出身地が違うダークエルフとは敵対関係にあったそうです。今ではそんなことはありませんがその為の確認用でしょう。」
「なるほど…分かりました。ありがとうございます。エル良かったな、出身地が分かって。」
グレムはエルの方を向いて言うと、何故かエルは涙目になりながら言った。
「ご主人様…出身地に着いても私を置いていかないでくださいね。」
「当たり前だ、エルが俺と冒険したいならずっと付いてきてくれ。こちらからお願いするよ。」
「ご主人様〜!!」
ガバッとエルに抱きつかれる。胸が当たってるしいい匂いがするしでちょっと戸惑いますよ。グレムはエルに抱きつかれながらも村長に言った。
「それで…そちらでは何が問題となっているのですか?」
村長はなぜか少し驚きながら言う。
「本当に聞いてくださるのですか…?見ず知らずの私たちの話を…?」
「当たり前じゃないですか、困っている人を放っておけない性格なんです。話だけでもお聞かせ願えませんか?」
村長は少し目に涙を浮かべながら話し出した。
「この先にあるアムル王国に、一方的にある条件を課せられています。向こうは協力関係だ、と言っているのですが…。」
またそういう話か、つくづく人間はどこまでも他の種族を見下しているんだな、とグレムは思った。村長は話を続ける。
「それで…その条件が…こちらの女性ダークエルフを1年に1回、アムル王国に渡す代わりに、何が起ころうが守ってやるという条件なのですが…この間、ドラゴンが来てこの村が目をつけられた時、あちらの国は全く何もしてくれませんでした…全てが燃え尽くされ、終わった後に『すまなかった、助けられなかった。』とだけ言われました…。」
村長は最後の方で涙を流していた。余程状況が酷かったのだろう。グレムは早速思うところを全て聞いていく。
「質問、いくつかいいですか?」
「はい、どうぞ。」
「まず、1年に1回、女性ダークエルフを渡すというのは何歳からですか?また、両親の許可をもらってますか?」
「いいえ、連れていかれるのは半ば無理矢理です。目をつけられた子は両親の許可なく連れていかれます。何歳からというのはエルフは寿命が長いためあまり分かりませんが…かなり若い子が連れていかれることが多かったです。」
グレムは話を聞いて両拳を握りしめる。
「ちなみに向こうで何をするかは…?」
村長は首を横に振ってから答えた。
「教えてくれませんでした。向こうでどの子が何をしているのかも分かりません。」
グレムは両拳を強く握りしめる。
「もう1つ、何が起こってもというのは、ギルドの討伐難易度などを考慮してですか?それとも、本当に何が起こってもですか?」
「本当に何が起こってもです。どの魔物が来ようと、嵐が来ようと、避難させてやろうとは言ってました。しかし、そういう時も、ドラゴンの時も見捨てられたように何も…。」
そう言った瞬間グレムは震えながら拳をこれまでにないほど強く握りしめた。その様子を見て、ルリが心配しているような目を向ける。グレムは立ち上がって言った。
「事情は分かりました、やれるだけやってみます。」
「そんな!聞き流していただいて結構です!こちらの話なので何の関係もないあなたたちがすることは…」
「それでも、あなたは泣いているじゃありませんか。言ったでしょう、困っている人を放っておけない性格なんですと。」
村長は潤んでいた目から涙を流しグレムの方を見つめる。
「だから…任せてください、必ず何とかしてみせますから。もう二度と、あなたが悲しまないで済むように。」
そういうと、村長は泣き出した。これ以上ないほどの涙を流している。グレムたちがその場を去ろうとすると、村長が言った。
「よろしく……お願いします…!」
「はい、承りました。」
グレムたちはその場を去っていった。
ワマル村を出て、アムル王国を目指して歩いていくグレム、それに付いていくエルとルリ。エルが言った。
「ご主人様、なにか考えでもあるんですか?あんな事言ってしまって…もし変えられなかったら…。」
「ないよ、全くない。」
「ええ!?じゃあどうするんですか!」
「何とかするんだよ。今までもそうしてきただろう?」
エルは少し心配しているが、ルリは言った。
「けど…それがご主人様…、何ができるか分からなくても…方法を見つけ出して…必ず成し遂げる…だから…かっこいい…。」
エルはそのルリの言葉を聞いて言った。
「まぁそうですよね!ご主人様はそうやって数々の国から英雄と呼ばれてきたんですから!私も心配するのやめます!」
「心配してたのか…信頼ないな…俺って…。」
エルは焦りながら言う。
「ああ、違います!ご主人様を信頼した上での心配であって…!とにかく!絶対です!」
エルのその言葉を聞いて、グレムは少し笑った後、何かを決意するような表情で言った。
「…変えるぞ、この酷い世界を。」
『はい!』
2人はグレムの言葉に大きく返事をした。
どうでしたでしょうか?
これからの話が気になる人はあまり自分は決まった時間に作品をあげられないことが多いのでブックマークなりなんなりしておいて下さい!(宣伝すみません)
それでは、また次回お会いしましょう!




