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第40話 素晴らしい種族

今回は軍に対してのグレムの対応を中心とした話です。思いっきり主人公最強をぶちかましていくので期待して見ていってください!


それでは、どうぞ!

「グレム!どういう事だこれは!!私たちは()()()()を結ぶのではなかったのか!!!」


グレムはそのダイム王の言葉を聞いて目の前の軍勢を睨みつけながら言った。


「少し…いいですか…ダイム王。」


その瞬間、ダイム王はゾクッと背筋が凍るような感じがした。あまりにも恐ろしいものをグレムから感じたのだ。


「交渉してきます。」


「こ…交渉…?」


グレムは『マシル王国軍兵団』に近づいていく。代表の男が言った。


「おお、グレム殿!これはこれは…、今から汚らわしい奴らを叩き潰すの…」


グレムはその代表の言葉を遮って言った。


「お前らは…どうしてもこの獣人の国を潰す気か…?」


「まさか…グレム殿まであちらの味方に!?汚染されてしまったのですか!?目を覚ましてください!」


「もう一度言う。」


グレムがそう言った瞬間、その軍勢全員が背筋が凍るような恐怖を感じた。


「どうしてもこの獣人の国を潰す気か…?」


代表の男は震えながらも答える。


「こんな汚らわしい国など滅べばいいのです!グレム様も、そうお思いになるでしょう!?」


「交渉、決裂だ。」


グレムがそう言った瞬間、デガル王国を包み込むように結界が張られた。グレムはそのままダイム王の所まで戻ってきて言った。


「これでもう安心ですよ、ダイム王。1度、王城へと向かいましょう。」


「どういう事だ…?」


ダイム王は汗を流す。


その軍勢の代表の男が言った。


「グレム様まで取り込まれてしまったようだ!だが、我々は止まらない!行くぞ!突撃ーー!!」


兵士たちが一斉に声を上げ突撃してくる。ダイム王はあまりの人数の多さに絶望していた。


「終わりだ…今の我々には、準備が足りない…。」


ダイム王はその場に膝をつき、俯いて目を瞑り涙を流した。だが…


数秒経ち、ダイム王は不思議に思った。突撃してきた奴らは今もうこの位置に来ていてもおかしくはない。だが足音どころか声もしない。ダイム王は顔を上げた。


その目の前には驚く光景が広がっていた。


グレムの張った結界の中に入った人間は皆、塵となって消えていっていた。そして、その持っていた武具のみがその場に落ちる。


「なんだ…これは…。」


グレムはダイム王の肩に手を乗せて言う。


「だから言ったでしょう。()()()()()()()()()と。この結界の外から中に入った人間は皆塵となって消滅します。だから1度王城へ戻りましょう。そろそろ()()()()()()()頃ですし。」


()()()()()()()…?一体全体、何を言っているんだ…?君は。」


「来れば分かります、王城へ行きましょう。」


グレムが歩いていくと、それにダイム王も付いて行った。




王城へグレムとダイム王が戻ってくると、マルクルが笑いだした。


「ふふふっ…あっははははは!!!!どうだい!?今の気持ちは!!お前ら獣人にはこうやって死んでもらうか人間に服従するかしか無いんだよ!!あっはははは!!!」


グレムは本性を表したマルクルに言う。


「だが俺の結界のせいでお前のお仲間さんたちは中には入って来れないぞ、さぁ、どうする?」


「そんなの想定済みさ!!こんなこと、お前には通用しないって分かってたからなぁ!!?外から滅ぼせないんじゃ、中から滅ぼせばいい話だ!!」


そう言ったマルクルの足元と正面に大きな紫色の魔法陣が光りながらほとばしる。


「<我、破滅を望むものなり。今、汝の力で目の前の敵を圧倒し!滅ぼし尽くせ>!!」


「いでよ!!悪魔!!<<ディアボロス>>!!!」


マルクル正面の大きな魔法陣から黒色の体と翼を持ち、2本の角が生え、まさに『悪魔』といった姿の魔物が召喚された。


エルとルリは武器を構える、が、グレムは「待て」とその2人の前を手で塞ぐ。ディアボロスは言う。


「誰だ…我を召喚したものは…。」


「俺だ!マルクルという!召喚に応じた汝の力で、目の前の敵を破滅させよ!」


「そうか…分かった…。」


そう言ってディアボロスはグレムの方へと目を向ける。それに対して、グレムは言った。


「久しぶりだな、ディアボロス。」


「グっグレム様!!??」


「お前が子どもの時以来か…立派な姿になれたじゃないか、俺は、少し嬉しいぞ。」




グレムとディアボロスが子どもの時。


『うわ〜ん!!!』


『また泣いたぞ、さすがは『涙のディアボロス』ってあだ名をつけられただけあるな。』


いじめっ子の悪魔は笑いながら3人でディアボロスを取り囲み、言葉攻めをしていた。


『グレム様!そちらに行かれては!』


グレムは付き添っている世話係に言われながらもディアボロスに近づいていく。いじめっ子の3人にグレムは言った。


『お前たち、こんなことをしていては立派な悪魔にはなれないぞ。他者をも思う心があってこそ、悪魔は強くなれるんだ。』


グレムがそう言うと、いじめっ子の3人は謝った。


『グレム様…すいませんでした!金輪際、こんなことはしません!』


『分かったならいい、早く行け。次の授業もあるだろう。』


いじめっ子の3人はその言葉を聞いて、すぐにその場から去っていった。グレムはディアボロスに言う。


『大丈夫か?』


そう言いながら、グレムは悪魔の授業に必要な、そこ一帯に散らばっている教科書をかき集める。


『どうして…助けてくれたのですか…?』


グレムはディアボロスが言った後にすぐに言葉を返した。


『勿論、お前がしっかりと優秀な悪魔になれるようにと思ってだ。あんな奴らに苛められていては、学習に集中出来ないだろう。』


『僕が…優秀な悪魔になれますかね…?』


『なれるさ!だから、迷わず自分の道を進め!!お前が俺の前に、立派な悪魔となって現れることを期待して待っているぞ!』


ディアボロスはそのグレムの言葉に元気をもらい、嬉し涙を流しながら言った。


『はい!きっと立派な悪魔になって、グレム様に会いに行きます!!』




「いえいえ、そんな!グレム様の方こそ逞しくなって…。」


「…は?」


マルクルは目の前の訳の分からないやり取りに思わず疑問の声を上げる。エルとルリ、同じくダイム王もぽかんとしている。


マルクルはもう一度言った。


「召喚したのは俺だ!!ディアボロス!何をやっている!!目の前のそいつらを倒せ!!」


「我が?グレム様を?……無理無理無理無理!!絶対敵わない!!」


ディアボロスは手をブンブンと振りながら命令を拒否する。


「何を言っているんだ!!」


マルクルは焦っていた。まさか自分が努力を重ね、やっと召喚できるようになった悪魔が、こんなにも簡単に使い物にならなくなるとは思ってもいなかったからである。


「クソッ!!なら別の悪魔を…!」


マルクルの足元と正面にまた紫色の魔法陣が光りながらほとばしる。その時、グレムは言った。


「エル、ルリ、あいつを捕縛してくれ。ちなみに、状態は問わん。」


『はい!ご主人様!』


そういうとルリは詠唱を始めようとしていたマルクルの元へととんでもないスピードで向かい、そのまま短剣の柄の部分でマルクルの両足の骨を折った。


ボキッボキッ!!


「ぐわああああ!!!!」


あまりにも突然の出来事にマルクルは驚きながらも悲鳴をあげる。次にエルが後から来て、魔法をかけた。


「<<天の鎖(ホーリーチェーン)>>」


マルクルの体の周りにがっちりと動けなくなるような光の鎖が巻かれる。マルクルは詠唱もできず、その場に倒れた。そして言う。


「クソックソックソッ!!!」


グレムは言う。


「そろそろかな…。」


そうグレムが言ったその時、結界に入れず、その場で停滞していた『マシル王国軍兵団』の後ろから見たことの無い配色の鎧と旗を持った兵士たちが攻めてきていた。その兵士たちを統一させているべラム王が言う。


「敵は目の前、デガル王国を取り囲んでいる連中だ!かかれ!」


『うおおおおおお!!!!』


兵士たちはそのべラム王の言葉に声を上げ、停滞していた()マシル王国軍に攻め入る。


後ろには消滅してしまう結界、前にはマシル王国軍の軍勢。完全に挟まれたその偽の軍の代表の男が武器を捨て、言った。


「終わりだ……。」




「まさか…お前は…!!」


縛り上げられたマルクルは言った。グレムは「ふっ」と笑った後に言う。


「そのまさかだ。お前らの計画は全部、読まれていたんだよ。」




マルクルが準備をしに自室へと向かった後…


グレムはベラム王に言った。


『話があります、くれぐれも内密に。そして王が信じられないかもしれない話なので、判断は任せます。』


『一体なんだと言うんだ?』


『あのマルクルは恐らく、裏切り者です。獣人との友好的な関係を望んでいません。』


『まさか…そんな…。』


『それ故に、奴は()()()()()をするかもしれません。なのでここからは本当に判断を任せます。……』




マルクルは言った。


「まさか…ここまで読まれて……どうして、どうして俺がこの関係をここまで酷く思っていたとわかった!?」


グレムはその言葉に普通に返した。


「ほぼ勘だ。」


「…は?」


マルクルはそのグレムの言葉に衝撃を受けた。


「まあ、会議の時に特産品の数を大幅に下げたら大きく反応を示したのが怪しかったからな。 少しお前の周辺を調べさせてもらった。そうしたらどうだ、お前からはよくない情報が出てきた。例えば…王が遣いとして送った王族たちには皆、そのままの条件を突きつけていればいいと。更には上から目線で言った方がこちらが上ということを示せるなども言っていたらしいな、俺の勘は当たっていたというわけだ。」


「ふざけやがって…。」


()()()()()()()?こっちのセリフだ。お前のせいでこの関係は止まっていたんだ。」


マルクルはダイム王を見ながら言った。


「そんな汚らわしい姿をした人間のどこがいいんだ!!そんなヤツらを受け入れたらこちらまで獣臭くなってしまう!!人間は清らかでいるべきなんだ!!どうしてそれが分からない!」


グレムはそう言ったマルクルの首を掴み、上へ持ち上げ、言った。


「汚らわしい?獣臭い?…お前はなんにも分かっちゃいない…この世界は種族が違う者がいるからこそ素晴らしいんだ。見た目も、文化も、何もかもが違う種族がこの世の中には数え切れないほどある。その分だけ素晴らしい物語があって、幸せという感情が生まれていくんだ。その種族たちと手を取り合って交流できることは…人間にとってとても大きく、素晴らしいことなんだ。」


そう言うと、グレムは首を掴んでいた手を離し、思いっきり右の拳でマルクルの腹をぶん殴った。そして言った。


「それが分かるまで、しっかりと考えるんだな!!能無しが!!」


マルクルは縛り上げられたまま遠くへと吹っ飛んで行った。


ダイム王は言った。


「ありがとう、スッキリしたよ。」


「いいえ、これくらいの事、当然です。」


「そういえば」とグレムは思い、結界を解いた。そうすると数分後べラム王がその場にやって来た。そして言った。


「あの()べラム王国軍は壊滅させておいた。これで、なんの邪魔もなく…って悪魔!?」


べラム王は兵士と共に武器を構える、グレムは言う。


「ああ、心配しないでください。彼は味方です、だから武器を下ろしてください。」


そういうとべラム王たちは武器をしまった。危ない危ないと思いながらグレムはほっとした。そして思いついたかのようにディアボロスに言う。


「そうだ!ディアボロス、せっかく召喚されたのにこのまま帰るっていうのはなんかあれだから俺と勝負しないか?1体1で。」


その提案を聞いたとき、辺りは静まり返った。

どうでしたか?


次回はまさかの悪魔ディアボロスvsグレム!?です。楽しみにしていただけると嬉しいです。


それでは、また次回お会いしましょう!

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