第33話 大事な娘を救出せよ
今回は娘救出作戦の話です!
内容は少し薄く感じるかもしれませんが、楽しんで見ていただけたらと思います!
それでは、どうぞ!
マシル王国から出て、ガルーダが巣を作る巨大樹に向かって歩く一行。
「というかいつの間にアダムアビスに上がったのよ。」
メアが言う、それにグレムが返答した。
「なにかに取り上げられたりしてなかったのか?一応エルド王国でドラゴンを2体倒したんだが…。」
「ドラゴンを…?2体…?」
ミルダはそう言って目を回し始める、メリルがしっかりしてとミルダを揺らす。またメアが言う。
「なるほど…それで特例ねぇ…あなた何回それやっちゃってるのよ。」
「3回位かな…?」
メアは呆れたというように「はぁ〜」とため息をつく。メリルは目を輝かせて言う。
「でも凄くないですか!?そんな伝説的なパーティと友好的な関係にあるんですよ!?喜ぶべきです!」
鼻息を大きく鳴らし興奮するメリル。『伝説的なパーティ』ねぇ…大分持ち上げられたものだ、いい迷惑だって言いたい。
だがその持ち上げられ方でいいのかエルとルリは少し喜んでいる。もう褒められればなんでもいいんじゃないか?この子たちは。
話しているうちにグレムたちは巨大樹の目の前までいつの間にか着いていた。さて…問題となるのは娘の安否だが…巣の場所を確認してからグレムは呼びかける。
「お〜い!!ミラさんの娘さんはいるか〜!!」
返事は返ってこない、最悪のパターンになってないでくれよ…そう思いながらグレムは巨大樹を登り始めた。
「俺が巣の中を覗いてくるから、ガルーダの視線を巣に向けさせないでくれ!」
グレムは下に残った5人に言った。
ただ、ガルーダの厄介なところは物事に敏感なところだ。誰かが巣から何かをを持ち出してるというのは恐らくガルーダは見なくても分かる。
だから、俺が巣に近づいた瞬間、ガルーダは気づいてこちらに来るはずだ…上手くエルたちが誘導してくれたらいいが…。
そう思いながらもグレムはガルーダの巣を目指して巨大樹を登り続けた。
「よっと。」
グレムがガルーダの巣に登り着くと、目の前には何かに怯えている少女がいた。
「ミラさんの娘さんだよな?助けに来たんだ。俺は冒険者をやってるグレムっていう。それで…」
グレムの言葉を遮るようにその少女は言った。
「な…たの…。」
「え?」
よっぽど怯えているのかその少女の声が小さすぎてなんと言っているか分からなかった。少女はもう一度今度は大きい声で言った。
「なんで来たの!?」
グレムはすぐに答える。
「決まってるだろう、君を助けてくれと君の母親が依頼を出したからそれで来たんだ。」
「そうじゃなくて!ここはガルーダの巣だから!もし私を助けようとしたら…」
少女がそう言った瞬間、遠くの空から鳥が鳴いたような声が聞こえた。
「ピエェーー!!!」
まずい。とグレムは思い、ガルーダに怯える少女を抱えて巨大樹を降りる。
「私を巣に戻して!そうしないとみんなガルーダにやられちゃうよ!」
「冒険者だから依頼は絶対に遂行しないといけないんだ。それに、娘が帰ってこなかったら君の母親はどう思う?」
グレムのその言葉に少女は言い返せなく、黙る。
「…ガルーダに連れてかれたから諦めるなんてことはしないだろう。もしかしたら誰も依頼を受けてくれないから、君の母親が1人で助けに来ようとするかもしれない。そうなったら……嫌だろう?俺も嫌だ。だから助けるんだ。」
グレムは巨大樹から滑り降りてミルダたちがいる方向へ向かう。それを追うように空からガルーダが向かって降りてきた。
「ピエエエーー!!!」
ミルダたちの後ろ側まで走りながらグレムが言った。
「それに、あの子らなら大丈夫だ。じゃあミルダたち、作戦通りだ!頼んだぞ!」
『はい!!了解!!』
ミルダたちは武器を構えた。
ギルド前の道を歩いているとき…
『ガルーダを…私たちが倒す!?』
『ああ、そうだ』
グレムの突然の提案にメアは驚いて声を出す。
『どういうことよ!倒す必要は無いはずじゃない!』
『恐らくガルーダは娘さんを巣に置いている。その娘さんを俺たちが救出したら、間違いなくガルーダは追って来るだろう。例えマシル王国内でもな。』
『根拠は?』
今度はミルダが聞いてきた。
『ない。だが俺の推測が正しければ恐らくそうなるだろう。』
それを聞いてメアが言う。
『ちょっと納得できないけど……じゃあもしそうなった時は本当に私たちだけで戦うの?無理…無理よ!討伐難易度星19よ!?敵いっこないわ!』
グレムは言った。
『お前らにガルーダの倒し方を教えてやる。簡単な事だ、お前たちにもできる。それに、フェニキライトレベルの実力はつけておきたいだろ?』
グレムはそう言って作戦をミルダたち3人に教え始めた。
『(まずは3方向に別れる!)』
ミルダたちはそう思いながら移動を始めた。
「(グレムさんの言う通りなら、ガルーダは2人までしか視認できない…!視認できていない1人が攻撃をしていけば確実に相手の体力を削れる!頼んだぞ!メア、メリル!)」
ミルダはそう思いながらガルーダの正面に立つ。メアとメリルも作戦通りの位置についた。ガルーダは周りを見回している。
メアにガルーダが背中を向けた瞬間メアはガルーダに斬りかかった。
「<<重斬連撃>>!!!」
ズバババババン!!!
無数の切り傷がガルーダの背中に刻まれる。ガルーダはそれに反応してメアの方を向く。
ガルーダがメアの方を向いたことによって、メリルの方にガルーダの背中が向いた。メリルはすかさず刀でガルーダを斬りつけた。
「<<瞬速一線>>!!」
ズバァン!!!
「ピエェ……」
ガルーダは確実に弱ってきているような声を上げながらも、今度はガルーダはメリルの方を向き、背中をミルダの方に向けた。
ミルダはそのチャンスを逃さず大きく飛び、ガルーダの頭目掛けて斧で重い一撃を入れた。
「<<崩壊させる鉄槌>>!!」
ドゴオォォン!!!
鈍い音が鳴る。ガルーダはあまりにも重い一撃に耐えられずフラフラとする。
その隙を見逃さなかった3人は互いに合図をし、最後に同時にガルーダに向かって走り、攻撃を入れた。
『<<眠れ、王たる鳥よ>>!!!』
ドオォォン!!!
3人が同時に攻撃を入れた後、ガルーダは力尽きて倒れた。
それを見て、ミルダたちは互いに目を合わせ喜ぶ。ミルダが言った。
「やった!!討伐難易度星19を倒してやったぞ!!」
メアは膝をつき感動しながら言う。
「まさか本当に…私たち…やったのね…!」
メリルは泣きながら喜んでいた。
「やったああああ!!!良かったよぉぉぉぉ!!」
その3人をグレム達は笑顔で見ていた。そしてグレムは少女に言う。
「な?大丈夫だったろ?」
少女は元気に笑顔で「うん!」と言った
グレムたちはクエストを終え、ギルドに報告しに向かっていた。
エルが聞いてきた。
「ご主人様!そういえば、ご主人様の推測ってどういったものだったんですか?」
ミルダたちもそういえば、と思ったのか、その話を聞こうとする。
「俺の推測は『ガルーダが子を欲しがってる』ということだ。」
エルはそれを聞いて疑問に思い、言う。
「?なぜそう思ったんですか?」
「ガルーダの子が巣立つのは大体この時期。巣立った巣に残った母親のガルーダは寂しくなったんだろう、だから代わりとなるものを求めた。少し強引ではあるがな…。ちなみにガルーダが人間をさらうなんてことは普通にはない。そんなことはガルーダの習性にはないからな。だから枠から外れた考えを浮かばせたんだ。」
エルはそれを聞いて言う。
「なるほど…寂しかったから人間を攫って子どものように扱おうとしていたのですか…、少し悲しい話ですね…。」
「まぁ、あくまで推測だ。本当かどうかはわからんがな。」
その話を聞いたミルダたちは少し罪悪感を感じてしまっていた。
「はい、確かに!娘さんは救出できてますね。クエストクリアです!それと…フェニキライトのギルドカードです!おめでとうございます!」
ミルダたちは声も出さずに涙を流しながら喜んでいた。きっと感動して言葉が出ないのだろう。
「ママ!!」
少女は走ってミラの元へ行く。ミラがグレムたちに頭を下げながら言った。
「本当にありがとうございました!感謝してもしきれません!!!」
「いえいえ、助けられたのはあのパーティがいたからなので。私たちはその子を救出しただけですよ。」
「それでも…ありがとうございました。お礼といってはなんですが…」
グレムが言葉を遮るように言う、が、
「いえいえ、別にお礼なんて…」
「あなた方を今度のマシル王国の城内パーティに招待します。」
グレムはえ?今なんて?と思いながら変な声を出した。
「はい?」
どうでしたでしょうか?
次回は波乱のパーティ回となると思います!期待してくださると嬉しいです。
それでは、また次回お会いしましょう!




