表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/199

第28話 立ち込める影

長かった2章も、もう少しで終わりを告げます…この話が面白いと思った方たちには是非、クライマックスまで見ていただきたいと思います…!


それでは、どうぞ!

グレムたちは宝石店を出て新しい装備ができているかとドワーフの店に戻ってきた。


ガランガランと入る時にまたドアのベルが鳴る。


「いらっしゃい!…おお、あんたらか!!お望みのものは出来てるぜ…まずその魔法使いの嬢ちゃんからだ!ちょっと待ってくれ…」


そう言った後、ドワーフはエルにできた杖をカウンターの下から取り出し、渡して言う。


竜の恵(ドラゴンズロッド)だ。嬢ちゃんの望み通り、頑丈だが少し軽めにしておいた…持ち心地はどうだ?」


エルはその杖をいつもと同じように持った後すぐに言った。


「思い描いていたとおりです…!軽くて扱いやすいのにさらに硬さがあって持ち心地も最高です!ドワーフさん、ありがとうございます!!」


エルは頭を下げた。


「良いってことよ。()()()()()()()()()()だってこともあるからな、そして、もう1人の小さい嬢ちゃん用のだ。」


ドワーフはそう言ってカウンターの上に一覧を出す。


「あんたらからみて右から、竜の牙刃(ドラゴンズダガー)、竜の胸当て、竜の腰当てだ。こちらも要望通り、軽めで頑丈に作ってある、つけてみな。」


そう言われ早速できた装備をルリは体に付ける。その瞬間にルリは感動して言う。


「ご主人様に買ってもらったときのアダムアビスのやつよりかなり軽い…!店と鍛冶屋では…こんなにレベルが違うんですか…?」


ドワーフはその言葉を聞いて「ヘヘッ」と嬉しそうに笑った後に言った。


「そんじょそこらの人間が経営している店に負ける訳にはいかねぇよ。素材をくれりゃ、人間の店で売られている物の何十倍もの力を持った装備を作ってやる。ドワーフの格言みたいなもんだ、満足してくれてよかったよ。」


ドワーフは笑顔でグレム達に言った。グレムはお金を払おうとすると、ドワーフが言った。


「こんないい素材を使わせてもらったんだ…割り引いてやる。本来なら2000万ギルくらい頂くが…1000万ギルで許してやる。」


グレムはあまりの割引額に驚いて心配する。


「赤字とかにはなりませんか…?」


「そんなこたぁ客であるあんたらが心配することじゃねぇよ。なぁお前ら?」


受付のドワーフが後ろの工房にいるドワーフに向かって言うと、「おぉ!!」と声が聞こえた。


グレムは1000万ギルを出して会計を済ませてから言った。


「かなりお世話になりました、ありがとうございました。」


「こっちのセリフだよ、これからもよろしく頼むな!」


ドワーフのその言葉を聞いた後、グレムたちはその店から出ていった。




そしてすぐさまギルドにやってきたグレムたち。


「せっかく作ってもらった装備だ、ちょっと試してみようじゃないか。」


そう言ってグレムが手に取ったクエスト受注書には『グリフォン3頭の討伐 星24』と書かれていた。


エルとルリは新しい装備にワクワクしている。


グレムたちはすぐに受付に確認をもらって、クエストに出発した。




「<<天の飛剣(ホーリーグラディウス)>>!!」


目の前のグリフォン目掛け、無数の光の剣が飛んでいく。


その魔法を放ったエルは杖の恩恵を感じていた。


「(凄い…!気のせいか魔法の威力も詠唱のスピードも上がった気がする…これならもしかしたら!)」


エルはそう思い無詠唱で魔法を放ってみた。


「<<天の輝槍(ホーリーランス)>>!!!」


ちゃんと杖に光が槍の形に瞬時に集まり、その光の槍が伸びながら飛んでいく。


グリフォンの胸をその光の槍が貫き、グリフォンは倒れた。グレムがそれを見て言う。


「よくやった!エル!無詠唱なんてよくできたな!」


「いえ、武器のおかげです…。」


エルがそう言うとグレムはエルの背中をポンと押して言った。


「自信持て?実力もついてきているんだよ。だからできたんだ。」


グレムの言葉に元気をもらったエルは言う。


「はい!ありがとうございます!ご主人様!」


その間、ルリはグリフォン1体と対峙していた。ルリが素早く動く、勿論、ルリはしっかりとグリフォンの死角をついて移動している。


ルリはそのまま右翼を斬りつけた、いつもより深く傷が入っている。


「(切れ味が…全く違う…!これなら…できる!)」


ルリは視認できない速さでグリフォンの体を何回も斬りつけた後、最後に顔面を斬りつけた。


「<<連続する爪痕(コンボ・クロー)>>!!」


グリフォンは傷を負って倒れた、そこにグレムがやってきた。


「ルリもよくやったな!新しい技!身につけてたのか!」


「ううん…あれはご主人様の動きを応用しただけ…だからご主人様の…」


言葉を遮るようにグレムはルリに言う。


「いや、応用したのならそれは間違いなくルリのものだ。自信を持っていい、それに、かなりいい技だったぞ。」


そう言ってルリの頭を撫でる、ルリは顔を赤くしながら言う。


「ありがとうございます…、ご主人様。」


「で、ラスト1体は…空か…。」


エルもこっちに走ってきて言った。


「ダメです、何回か<<天の輝弓(ホーリーアロー)>>で狙ったんですけど当てるのが難しくて…。」


「あれに当てられるのは弓1本でこのランクまで上り詰めたやつくらいだろうな。」


そう言った瞬間、グレムの足元に赤紫色の魔法陣が光りながらほとばしる。


待っていましたというようにエルとルリは目を輝かせながらグレムの魔術を見逃さないように見つめる。


「<我標的に赤き炎の裁きを下す者なりて、今その標的を屠る(ほむら)を出さん>!!!」


そう言ってグレムは何かを放つように両手を開いて空飛ぶグリフォンの元へと向ける。


「<<焔の裁き(グル・ガルド・エギド)>>」


グレムがそう唱えた瞬間、グレムの両手から赤紫色の大きな炎の塊がものすごい速さで発射された。


空を飛び続けていたグリフォンはその炎の塊を避けようとするがあまりの速さと大きさになすすべも無く焼き尽くされた。


黒く焦げた死体が地面に落ちてきた。


「凄い…やっぱりご主人様の魔術は凄いです…!」


エルは感動している、ルリは目を輝かせながら抱きついてきた。


「ご主人様!ご主人様!凄い魔術でした!ルリ…あなたのような方がご主人様で本当に良かったです!!」


ルリは前から魔術や魔法に関しては興味がありすぎてこんな感じである。可愛いからよし!そしてグレムが言った。


「そういえば2人とも、武器はどうだった?」


エルが言う。


「とっっっっても使いやすかったです!」


それに続けてルリが言った。


「この軽さなら速く動くことがかなり楽になる…実際グリフォンも倒しやすかった…!」


2人とも満足なようだ、良かった良かった。そしてまたグレムが言う。


「日も落ちてきたし、素材を回収して帰るか!」


『はい!』


2人は大きな声で返事をした。




ギルドにて…


「はい、確かに。グリフォンの羽根ですね。クエスト完了です。」


鑑定士が言うと、エルとルリは喜んだ。グレムは追加で言う。


「すいません、あとこれを出すのを忘れてました。」


そう言ってグレムは前に倒したドラゴンの目玉を鑑定士に見せる。


「これはっ!!…グレム君…忘れないでくれたまえよ…。」


少し笑いながら鑑定士は言う。


「すいません、色々あったので…。一応ガイアドラゴンの目玉です。」


「確かに。報酬金は明日でいいかね?」


鑑定士がそう言うとグレムは「はい」と返事をした。




「今日も色々あったなぁ…。」


一日の疲れを宿の風呂で癒すグレム、そこにルリが普通に入ってきて風呂に飛び込んできた。


「ちょっ、水が飛ぶからやめい!」


「えへへ〜そう言いながらご主人様…嬉しそう…♪」


「そりゃだって可愛い女の子がこんな近くに来たらそうだろう!あぁ、もう言うのも恥ずかしい!」


「2人で何をしているんですか〜!」


風呂部屋の外からエルの声が聞こえたと思ったらエルがまたルリのように風呂に普通に入ってきてグレムの横に着いた。グレムがまた目を両手で隠しながら2人に言う。


「お前らには恥じらいが無いのか!」


エルが言う。


「私はご主人様なら別に見られても…。」


ルリも言う。


「そうそう…ご主人様だから…いいの…♪」


「全く…こっちが恥ずかしくなるんだって…。」


グレムがそう言うと、エルとルリは笑った。




ベッドに入ってエルが言う。


「ねぇご主人様?」


「ん?」


グレムが返事をする。


「こんなにも楽しいことが続いてあって、私は幸せ者ですね。」


「何だ急に改まって…どうかしたのか?」


「いえ…まだ奴隷だった頃の記憶がチラついて…今の生活に少し思うことがあって…。」


グレムは「はぁ〜」と大きなため息をついてからエルに言った。


「それを忘れるための冒険だろ、明日も思い出作りをするから楽しみにして寝ろ。」


「ふふふ…楽しみにしてますね。おやすみなさいご主人様。」


「ああ…おやすみ。」


グレムは数分後、深い眠りに落ちた。




朝の日差しが窓から射す、グレムはそれで起きた。


「朝か…ん〜。」


大きく伸びをしてみんなを起こそうとする、が、エルがベッドにいない。


奥の部屋で着替えてるのかな?と思い、数分待つが出てこないので奥の部屋のドアを開けるが、いない、トイレにもいなかった。とりあえずルリを起こす。


「ルリ…おい起きてくれ…エルがいないんだ。何か知ってるか?」


「ん…ご主人様…おはよう…エルは…いないの?」


この感じだと何も知らないんだろう、グレムは少し不安になる。そして待てよ…?と気づく。


窓が開いている、昨日は窓を開けて寝ていない。まさか…とグレムが思うとルリが言う。


「ご主人様…!これ!」


ルリが言った机の上に1枚の手紙が置かれていた、それにはこう書かれていた。


『お前らの奴隷を1人預かった。こいつの命が惜しければダリア王国丘の上の教会まで来い。』


グレムとルリはすぐに準備をして宿から出て走り出した。


なんで…なんでこうなる!!!エルの笑顔がグレムの頭にチラつく。


そして昨日、『私は幸せ者ですね』と言ったエルの顔が浮かぶ。


いつも…いつも笑顔でいて欲しいのに!そういう時に限って!どうしてこうなるんだ!!!


グレムは心に怒りと悲しみが入り交じりながらもルリを連れ、教会を目指してひたすら走っていった。

どうでしたでしょうか?


まだ数話ほど2章は続きますが、どれも濃い内容となっているので期待して待っていただけると嬉しいです!


それでは、また次回お会いしましょう!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ