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第18話 ルリは成長したい

ルリちゃんの可愛いバトルシーンです…!!ぜひ楽しんで見ていってください!


それでは、どうぞ!

武具屋で装備を買った後すぐにグレムたちはギルドに来ていた。クエストボードを見てグレムは言う。


「ルリにとってはこのパーティでは初めてのクエストだからな、少し難易度を下げるか。」


グレムは『ジャイアントオーク3頭の討伐』と書かれたクエスト受注書を手に取る。


ルリは思った。これで『難易度を下げた』?プラチナランク冒険者からしても少し挑戦しているくらいだ…まぁ気にしないでおこう。私はご主人様の役に立つために戦う、それだけだ。


ルリはまだグレムたちのランクを知らないため、あまり考えないでいた。


受付嬢に受注書を渡して確認をもらうグレム。ルリはその時、受付嬢がやけに丁寧に接しているように見えた。また少し疑問が浮かぶ。


「ルリ!行くぞ。」


考えている間にグレムたちはギルドの入口前まで行っていた、まぁ、あまり気にしないでおこうとルリは思った。


「はい!」


ルリは元気に返事をしてグレムたちの後を追った。




グレムたちがクエストへ向かった数分後…


ギルドに3人パーティの男たちが来た。その男たちはクエストボードを見るとある1人が言った。


「あぁ!?ジャイアントオークのクエストが無くなってるじゃねぇか!どういうことだ!」


受付嬢に言葉を投げかける、受付嬢は言った。


「数分前に他のパーティが受注してしまったので…。」


「そのパーティのリーダーは誰だ?」


「グレム様ですが…あまりプライベートに関する質問はギルドの規則に引っかかりますよ。」


「チッ!またあの『巨大蜘蛛(デビル・スパイダー)』を倒して調子に乗ってるフェニキライト様かよ!」


もう1人の男が言う。


「ついに来たか、この時が。」


そういって不敵な笑みを浮かべる男。


「クラウスさん、なにか考えがあるんですか?」


その男、クラウスは言った。


「『フェニキライト』様だからなぁ、相当強いんだろ?罠にかけてやろうぜ…。」


その考えをクラウスという男は他の2人に詳しく話し、そして3人で笑いあっていた。




『オークの巣』となる目的地の洞窟に着いたグレムたちは、すぐさまオークと戦闘を始める。


ズバッズバッ!!


ルリはとんでもない脚力と速さでオークの首を落としていく。


「(動きやすい…戦いやすい…こんないいパーティ今まで無かった…。)」


ルリは買ってもらった武具の力を振るいながら、全く止まらずオークを次々と倒していく。


「ルリ!右側は頼んだ、左側は一気に片付ける。」


「了解です!ご主人様!」


ルリはとんでもない速度で壁までもを走り回り、オークを掃討していく、グレムは魔術を唱える。


「<我の中に渦巻く暗黒よ、今我の名の元に全てを飲み込む闇となれ>!!」


「<<暗黒の闇(ゲイル・シュトローム)>>」


左側の地面に大きな黒い闇が立ち込める、オークたちはその闇の中に吸い込まれていく。


そのまま、吸い込まれたオークは戻ってこず、闇に消えた。


右側を掃討し終わったルリは少し負った怪我をエルに治してもらいながらそのグレムの魔術に見惚れていた。


ズシンッ!


「来たか…まず1匹!」


グレムが言った。ジャイアントオークが奥から一体出てきた、そこでルリが言う。


「私にやらせてくれませんか…?」


グレムは笑顔で返した。


「おう、やってみろ。」


ルリは大きく息を吸って吐き、ジャイアントオークと対峙する。


「(まずはさっきと同じように…!)」


ルリはものすごいスピードでジャイアントオークの周りを駆け回り、斬りつけようとする…だが…


ドゴム!!!


「ぐっはっっ!」


動きを読まれていたかのようにジャイアントオークが持っていた棍棒で弾き飛ばされたルリ。攻撃を受けた腹部が痛む、だが、すぐに立ち上がり、また斬りつけようとする。


「(次こそは…!)」


ジャイアントオークの周りを駆け回り、一気に距離を詰めて斬る!だが…また読まれていた。


バゴン!!


「キャッ!!」


ルリは今度は背中に棍棒をもらいそのまま吹っ飛ばされ、壁にぶつかる。やっとの思いで立ち上がろうとすると目の前までジャイアントオークが接近していた。


「(やばい!やられる!)」


ドゴン!!


ジャイアントオークは思いっきり地面を叩いていた。怪我をしたルリをグレムはあの一瞬で助けていた。ルリはまた昔のことを思い出す。


『やっぱりただのゴリ押しじゃねぇか!だからお前は弱いんだよ!短剣使いならその使い方ぐらい知っておけ!本当に使えないな!』


助けられてしまった…また…怒られる…また…見離される…。ルリが怖がっていると、グレムが口を開いた。


「危なかったな…ルリ…大丈夫か?」


今…なんて?私を…心配してくれた?ルリは咄嗟に声を出す。


「だ、大丈夫です!まだ戦えます!」


「いーやダメだ、1回エルに治してもらってからだな。あとお前、こういう大きい相手への立ち回りあんまり分かってないだろ。」


ルリは黙る、グレムは続けて言った。


「じゃあエルに回復させてもらいながら見てろ。ルリ、その短剣を貸してくれ。エル、頼めるか?」


エルは頷いた、ルリはご主人様が何をしようとしているのか分からなかった。魔術師が短剣を持てるなど聞いたことがない。立ち回れるはずが…


グレムは短剣を持って立ち上がるとジャイアントオークの真正面に一瞬で移動し、斬りつけた。ジャイアントオークは反射で目の前に棍棒を叩きつける。


ルリは完全に棍棒がグレムに当たったと思った…だがグレムはいつの間にかジャイアントオークの背後にいた。そして今度は背後から斬りつけた。


それに反応してジャイアントオークは後ろを振り返った、だがそこにグレムはいない。グレムはジャイアントオークの左側にいた。そしてまた斬りつけた。


その後も正面、右側、背後、正面、左側…というようにランダムにジャイアントオークの周りをとてつもない速さで移動しながら何回も斬りつけていく。


何十回斬りつけただろうか…速すぎて何が起こっているのか分からないがジャイアントオークの体は徐々に傷だらけになってきている。


そして最後にグレムは短剣の刃を逆向きにして持ち、恐ろしいほどのスピードで真正面からジャイアントオークに近づき、トドメの一撃を入れた。それは、ルリにも視認できない速度だった。ジャイアントオークの裂かれた腹から血が流れる。そしてジャイアントオークは倒れた。


「こんなもんかな…ルリどうだった?分かったか?」


ルリは無言で頷く。実際、あまりの凄い立ち回りに目を奪われていた。


「大きい相手だからってのろまなやつが多いわけじゃない、スピードを活かした戦いも重要だが、相手によって立ち回りを変えてみるのも重要だ。大きい相手だと、相手の攻撃を食らうのはかなり重症になる、だから、それを食らわないように死角や見えない場所にすぐ移動して斬りつけていく…手数は必要になるが、怪我を負うことはミスがなければほぼ無いだろう。」


グレムが説明していると奥からもう一体ジャイアントオークが出て来た。


「どうだ?試してみるか?」


グレムの言葉にルリは頷いた。また大きく息を吸って吐いた後、一瞬で相手の正面まで距離を詰め、斬りつける。


「(相手の死角に…)」


ルリはそう思いながら立ち回る、ジャイアントオークは全く目に追えていない。


エルが驚きながら言う。


「ルリちゃん凄いです!1度見ただけであのご主人様の技を身につけてさらに速さも…」


グレムはその言葉に反応して言う。


「ああ、エルは知らないのか。獣人(ビースト)はな、人間が持つ『力』に関しては倍以上の力を持っている。例えば脚力、あんな風に俺の動きを真似できるのは走るのがとても速くないといけないが、ルリの場合は簡単だろう。」


「ということは…瞬発力とか、記憶力もですか!?」


「まぁ、多分な。全部は知らないが人間と比べたら話にならないくらいの力の差がある。さらに努力を重ねれば重ねるほど成長する。戦いにおいてはいわゆる最強の種族だろう、ほらあんな風に。」


グレムがそう言った後、エルがルリの方を見ると、ルリはフィニッシュ技をジャイアントオークに決めていた。


その後ルリはすぐにとててててとグレムの方に走ってきた。


「ご主人様!できました!ルリにも…倒せました!ありがとうございます!」


可愛いなおい。そしてグレムはルリの頭を撫でながら言った。


「ただ俺は戦い方を見せただけ、その後はルリの実力だ。ルリの力で倒せたんだよ。」


あくまで自分は手助けしかしていないというような言葉で言うグレム。ルリはとても嬉しく思っている、目を輝かせていたから分かる。


3匹目のジャイアントオークがやっと出てきた。


「ルリ、もう1回短剣を貸してくれ。」


「え?は、はい。」


ルリはグレムに短剣を渡す。


グレムは3匹目のジャイアントオークに向かって歩いていく。そしてある程度近づいたところで少し止まり、Uターンして帰ってきた。ルリに短剣を返す。


「ご主人様…一体何を…」


ルリが聞こうとすると、目の前にいた3匹目のジャイアントオークは右腰から左肩にかけてざっくりと斬り裂かれていた。そして、血を吹いて倒れた。


エルとルリはあまりの驚きに声が出せない。


「な?短剣にも剣に敵う位の力があるんだ。だからルリ、心配しないで短剣使いをやれ。ルリが頑張れば今のもできるようになるぞ。」


グレムはそう言ってルリの頭をポンと優しく叩いて洞窟の出口に歩いていく。


見えなかった…全く…獣人である私にも見えないスピードをご主人様は…?そんなこと…。


恐る恐るグレムたちに着いて行き、ルリは聞いた。


「あの…ご主人様のパーティのランクって…。」


「ん?…あぁそうかごめんな、ルリには見せてなかったな。」


そう言ってグレムが取り出したのは、透明なオレンジ色のフェニキライトランクを表すカード。


それを見たルリは目を輝かせて言った。


「私!すぐご主人様たちのランクに値するくらいの強さになります!頑張ります!」


グレムは笑顔で返す。


「そうか、一緒に頑張ろうな。」


ちなみに、元々フェニキライトランクだったパーティに入った新しい仲間や奴隷はそのパーティと同じランクとして扱われる。つまり、ルリはフェニキライトランクとして扱われるのである。


ルリはしっぽを振りながらもう一度言った。


「はい!ご主人様くらいになれるように頑張って成長します!」


ルリは確固たる意思を持っていた。

どうでしたでしょうか。


今回は主人公が並外れすぎている感を書き終わった後に自分で感じてしまいました。しょうがないよね!


それでは、次回、主人公マジギレ!?お楽しみに!

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