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第13話 いつか、また

第1章もこれで完結です。12話に全てをまとめてしまっても良かったのですが他の話に比べてかなり文字数が多くなってしまいそうでしたので分けました。


内容は薄めですが、どうぞお楽しみください。

「じゃあ言うぞ。」


そう言って1枚の紙を取り出し、ギルドマスターは読み上げ始めた。


「ギルド総本部会長ゲルン=マイワーズがここに、貴殿の今回の功績を称え、『フェニキライト』ランクへの昇格を許可する。」


その言葉を聞いた瞬間グレムは、


「ええええええええ!?」


と今までにない声を上げていた。


「まだ続きもあるぞ。また、今後ドラゴンとの戦闘があり次第、ギルドに報告をすること。それを貴殿に頼む。だとさ。」


グレムは思ってもみない事であったので聞き返す。


「いや最初の町でフェニキライトランクまで上がるとか有り得ます?」


「有り得るわけないだろ!そもそも、『帝王熊(カイザーベアー)』を1人で倒すってのも前代未聞だったんだから。けどまぁ、ドラゴンを倒せるやつなんて数えられるくらいしかいないと思うから、評価されて当然だとは思うが…。」


エルはぴょんぴょん跳ねながら言う。


「凄いです!凄いです!さすがご主人様です!フェニキライトってかなり凄いんですよ!!」


グレムは疑問に思ってエルに言葉を返した。


「そうなのか?てっきりフェニキライトくらい結構いると思ってたんだが…。」


ギルドマスターが「はぁ〜」とため息をつきながら言う。


「そんなわけないだろ。プラチナランクになってから、クエストに難易度規制がかかるだろ?そのせいもあるんだ。クエストをクリアするのが難しくなって、さらに集めるポイントもかなり多い…普通ならこんな短期間での昇格はさせないんだが…、上は『ドラゴンを討伐した』ということで特例らしい。」


ギルドマスターが言ったようにプラチナランクからは難易度規制がかかる。そうしないと弱っちいモンスターを一生倒してるだけで上がれてしまうからだ。ランクとともに実力もないとギルドからしては話にならないからそのための保険だろう。


「あんたが"フェニキライトランクです"なんて他の都内で言ったら大騒ぎだ。次、目指すのがもしこのベリルみたいな王都なら、まず、ギルドに言って話を通してもらえ。まぁそれでも一日で有名にはなるだろうがな。」


ギルドマスターはまた「はぁ〜」とため息をつきながら俯いた。


その時、グレムは思い出したかのように言った。


「そういえば、あのドラゴン、操られてました。」


ギルドマスターはその言葉に過敏に反応し言葉を返す。


「確かか?」


「はい、左頬を殴ったとき、目に魔法陣が見えました。催眠魔術の証でしょう。」


「分かった、かなり重要だから上には伝えとくよ。」


ギルドマスターがそう言うと、グレムは言った。


「ではこれで…」


「待ってくれまだ報酬金もある。これだ。」


ギルドマスターがギルが満杯に入った袋をカウンターの上に乗せる。


「これで…3000万ギルだ…貰ってくれ…。」


持ち上げるのに疲れたのか息切れしながらギルドマスターが言う。


「ありがとうございます。」


そう言うとグレムは軽々とその袋を持ち上げ、収納した。そして言った。


「じゃあ本当にこれで…」


グレムがそう言ってギルドを出ようとすると"みんな"が言った。


『見送らせてくれ』




「行かないで〜。」


受付嬢が泣きながら言う。ギルドマスターがその受付嬢の頭を軽く叩く。


「コラ、笑顔で送り出さないか。最後なんだから。」


「でも〜。」


受付嬢は泣くのをやめない。


クレアがグレムに言う。


「行き先は違うが、同じ冒険者だ。また会ったら宜しくな。」


「こちらこそだ。」


グレムは言葉を返す。ユミとコトミも寂しそうな目でこちらを見ている。


次はミルダのパーティが見送りに来た。


「結局最後まで助けられっぱなしだったな。あんたには敵わないや。」


「気にしないでいいさ、気ままにいこう、冒険者なんだから。」


メアが言う。


「フンッ、別にあんたのために見送りに来たんじゃないんだからね!あなたの愛してやまない奴隷ちゃんを見に来ただけなんだから。」


「はいはい、ありがとな。」


そう言ってグレムはメアの頭を撫でる。


「やめなさいよ!もうっ!」


そう言っているがメアは顔を赤らめ嬉しそうにしている。


次はメリルが言ってきた。


「師匠!私まだまだ師匠には追いつけてませんが、冒険を続けて、師匠に敵うくらいになりますから!期待していてください!」


「まぁ俺は一応魔術師なんだがな、お前はかなり伸びしろがある。頑張ってくれ。」


「はい!!」


元気にメリルは返事をした。


次にソアラとリンとアリカが見送りに来た。


ソアラが言う。


「本当にあっという間でした、今までのあったこと、してもらったこと、絶対に忘れません。」


リンが言う。


「職の方も問題なくできています!むしろグレム様のお陰で好調な滑り出しが出来ました!これからも頑張っていきます。」


アリカが言う。


「私、グレム様が言ったように、色々学んで、やりたいことを探していきます!だから、心配なさらず、冒険に行ってください!」


アリカの言葉が終わった時にグレムは3人を抱きしめ言った。


「お前ら…約束だからな、幸せになれよ…。」


グレムのそのあまりの温もりに少し涙を流しながら3人は言った。


『はい!』


最後に国王が見送りに来た。


「クレス様、こんな私のために見送りに来てくださってありがとうございます。」


グレムは膝まづいて言った。


「うむ、宜しい!と言いたいところだが、英雄の君にそんなことをさせるわけにはいかん、普通にしてくれ。」


グレムはその言葉を聞くと立ち上がって国王と面を合わせた。


「本当に君には国を助けられた。感謝する。」


「光栄です、またいつかお会い出来ることを祈っております。」


そういってクレス国王とグレムは握手をした。


そして、グレムはみんなに言った。


「みんな!元気でな!いつか、また会おう!」




「お元気で〜!!!」


みんなの声がまだ聞こえてくる。グレムは英雄気分も悪くないと思った。


「次に行くところは決まってるんですか?ご主人様。」


エルは聞いてくる。


「次は…ここ、エルド王国だ!ちょっと遠いが、冒険にはちょうどいいだろう。じゃあ、行くか!」


「ご主人様の傍なら何処まででも!」


エルは元気に返事をした。


2人はエルド王国を目指して歩いていった。

第1章、これで完結となります。


ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。これからの第2章にも期待していただけたらと思います。


では、また次回会いましょう!

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