第114話 終わりの日
お待たせしました!!前回からの続き…決勝戦の続きとなります!!今回でこの試合に決着がつきます…一体どちらが勝つのか…楽しみながら読んで頂けたらと思います!
それでは、どうぞ!
「そう。なら見せてみなさいよ、その、力とやらを!!」
アラナは言い返してから詠唱を始めた。
「言われなくてもするわよ……<我、内に秘めたる更なる風の魔力を求む者なり、風神よ、今こそ我が言葉に答え、その力を授け給え>!!!」
アラナの詠唱が終わった瞬間、ピカッと一瞬眩い緑色の光が辺り一帯を包んだ。そして、その光が消えたと思い、観客席の生徒たちや、先生方、そして、エリアスタ、全員が目を開けると…
そこには、緑色のオーラを纏い、さらに周りに風が巻き起こっているアラナが立っていた。明らかにさっきのアラナとは違う……その全員がそう思った。
グレムはその全員が驚いている時に言った。
「見せてやれ……お前の本当の実力を……アラナ…。」
アラナは大きく深呼吸をしてから言った。
「<<風の賢者>>」
「さぁ、エリアスタさん、始めましょう?あなたは一体何秒持つかしら?」
エリアスタはそのアラナの魔術と言葉を、見て、聞いて、いきなり笑いだした。そしてその後に馬鹿にするような言葉を言ってから、また強めの口調で言う。
「ふふっ……あはははは!!!私の得意属性は今出した闇と、光よ?見てなかったの?……だから…あなたが例え風を纏ったとしても、私には何の力でも及ばないわ……期待して損した気分よ。」
それを聞いて、今度はアラナが笑った。
「うふふっ……。」
急に笑われたのが納得いかなかったのか、エリアスタはアラナに少し怒りながら言う。
「何がおかしいの?そちらの方が劣勢なのはあなたも分かっていることでしょう?」
エリアスタが少し怒っていることを察したのか、アラナは気を使いながら言葉を返す。
「ああ、ごめんなさいね。ただあまりにもみんなと言っていることが一緒だったから……つい…ね。」
エリアスタはそう言われても、アラナが一体何を言っているのか分からなかったので、首を傾げた。それを見てアラナはまた少し笑ってから言う。
「ふふっ……そうよね、分からないわよね。ならこの試合を通して教えてあげるわ…私があなたより優れているってね……さて、長話ももうおしまいにして、決着をつけましょう?…あなたは一体何秒持つかしら?、よーーい…ドン!!」
そう言ったアラナが、先程までいた所から消えた瞬間にエリアスタの左腹部に蹴られたような衝撃が走った、そして、その蹴られた方向の壁へとエリアスタは吹き飛ばされ、打ち付けられる。
ドッッ!!!ドカァン!!!
1秒
「一体何が……」と即座にエリアスタは考える、だが、間髪入れずに今度は右側から顔面に衝撃が走った。
バキィ!!!
エリアスタはまた吹き飛ばされながらも、目の端で殴られた方向を見ると、そこにはアラナがいた。
バゴォン!!!!
そしてエリアスタは壁に打ち付けられた。
2秒
エリアスタは瞬時に考える。
「(あの子は……私が考えられなくなるくらいの速さで連撃を加えてきている…なら今度来るのは……)」
考えている途中で、またエリアスタに衝撃が走った。今度は右胸元辺りを横から殴られた。
ドガァッ!!!
3秒
エリアスタは吹っ飛ばされながら思っていた。
「(残念だったわね…これでも勝つのは私。あなたの来る位置はもう分かっているわ…なら……。)」
ヒュン!!!と何かが飛んでくると共に、エリアスタは空中で回転して受身をとり、地面にしっかりと足をつけた。
4秒
エリアスタはしっかりと、自分の予測したある方向に向かって魔法を唱えた。
「食らえ!!<<光り輝く光線>>!!!!」
ドアッッッ!!!!ビカアアアアアアアア!!!
5秒
恐ろしいほどの眩い光の光線が、ある方向に飛んでいく、その方向には……アラナが飛んできていた。
「(完全に当たった……これで終わりよ!!!アラナ!!!)」
エリアスタはそう確信した。
6秒
だがアラナは、ニヤッと笑ってこう言った。
「私がこれくらいのこと……予想できないとでも……?」
そして、その位置で止まり、迫ってくる光線に右手を向けてこう唱えた。その時、足元には緑色の魔法陣が光りながらほとばしっていた。
7秒
「<<風神の逆風>>」
その瞬間、アラナの右腕から凄まじいほどの風が起こった。その風は、前から来た光線を物ともせず、まるで反射したかのように跳ね返した。
ビシュン!!!!ドォアアアアアアアア!!!
8秒
光線がこっちに返って来ているのを見て、エリアスタは打つ手を完全に読まれていたことに気がつく、そして、こう思った。
「(たった数秒で、この判断力…ダメージ量…正確さ…そして何より……あの速さ……どこを取っても、私が敵うところなどなかった…、こんな人と戦えたのなら、悔いなんてない…!……実にいい試合だった…。)」
そうして、避ける間もなく、エリアスタは光に包まれた。
ドアアアアアアアアァァァ!!!!
眩い光線がエリアスタを包み込んだ後、競技場の壁を破り、結界まで届いた。
ドオオオオオオオオオン!!!
凄まじい音とともに、試合は終わりを告げる。
その眩い光線に飲まれたエリアスタは、傷を負い、倒れて気絶していた。それを見て、審判は言った。
「勝負あり!!勝者、アナスビア・アラナ!!」
そう審判が言った瞬間に、歓声が巻き起こった。誰もが手に汗を握るような試合であったからである。
勝敗がついた後も、その決勝戦での2人には、大きな声援と拍手が贈られた。
「で、結局あれはなんだったの?」
保健室にいるエリアスタは、見舞いに来たアラナに問いかける、アラナは聞き返す。
「『あれ』?なんのこと…?」
エリアスタはもどかしそうにしながら必死にアラナに言う。
「だから、あなたが言ったあれよ!!『みんなと言っていることが一緒だったから』って、私に言ったじゃない!」
アラナはそれを聞いて思い出してから話し出す。
「あ〜そのことね?それはね、うちのクラスの先生が言ってたんだけど………
グレムはみんなに問いかけていた。
『ここで問題です、光と風、どちらの方が速いと言える?』
ある男子生徒がすぐに言う。
『そんなの、光に決まってるじゃないですか。先生、その位のことなら誰でも知って……』
グレムはその子の言葉を遮って言った。
『残念、正解は風だ。まぁ確かに、宇宙であればそうかもしれないが、この地上の世界では違う。』
すぐに女子生徒が聞いてきた。
『先生、何故ですか?気になります。』
グレムはそれを聞いてすぐに答え出した。
『なぜなら………
「………『光は速度が決まっているが、風は速度が決まっていないからだ』って、つまり私から言わせてもらうと……」
そうアラナが言うと、エリアスタは言葉を重ねてきた。
『風には速度の限界が決められていない。』
2人はそう同時に言うと、互いに笑いだした。
教室へとアラナが戻ると、ドアを開けた瞬間、クラッカーの音が鳴った。
パンッパンッパンッ!!!
『優勝おめでとうアラナちゃん!!!』
その音とともに、同じクラスの女子生徒たちがアラナを褒め称える。
リーシャが最初に言った。
「ありがとうアラナちゃん!!私の敵を取ってくれて!!まぁ……アラナちゃんはそんな事思ってなかったかもしれないけど……けど、本当にありがとうね!!」
そう言って、リーシャは笑顔を見せる。アラナは「こちらこそ」と返した。また次に他の女子生徒たちが連続で言ってきた。
「おめでとう!!最後はあんまり何が起こってるか分からなかったけど…取り敢えず私とは次元が違うくらい凄かったわ!!」
「アラナちゃんの風の魔術凄かった〜まさか跳ね返すとは思わなかったよ!!いい試合が見れた!!本当におめでとう!!」
「先生の言った通りだったね!さすがアラナちゃん!!あの光魔法を物ともしないで戦うんだもの!!私、感動しちゃった!!」
アラナは次々とくる褒め言葉にそれぞれ「ありがとう」、「ありがとう」と返しながら前へと進む。そして………
「おお、優勝おめでとう、アラナ。努力の差……かな?」
アラナはそう言ったグレムに向かって少し涙ぐみ始めてから抱きついた、そして言う。
「先生…!先生のおかげです…!!先生のおかげでここまで来れたんです………本当に…本当にありがとうございました!!」
そう言って泣くアラナを頭を撫でて慰めながら、グレムは言った。
「よーし、みんな!!席に着いてくれ、今から大事な話をするから…。」
そう言った後、グレムはアラナの涙をハンカチで拭き取りながら小声で言った。
「席に着いてくれ。」
その時のグレムの目は、確かに、何か決意を抱いたような目であった。アラナには、その決意がなんなのか、もう分かっていた。
アラナは自分でも涙を拭ってから自分の席に戻った。それを見てから、グレムは話し始めた。
「みんな、いきなりだが、俺は今日で先生を辞める事になった!!今までありがとうな!!」
一瞬、クラスが静まり返った。その後、みんなは、あまりの突然の発言に驚き、パニック状態に陥った。
だが、アラナは…アラナだけは、その言葉をしっかりと聞いて、グレムを見ていた。
どうでしたでしょうか?
次回はグレムとそのクラスの最後の別れと、『星の導き』についての話となります…。色々と気になるところもあると思いますが、期待してお待ち頂けたらと思います!
それでは、また次回お会いしましょう!




