第113話 決勝戦、風vs光
お待たせしました!!前々からの実技テストの続き……それも今回は決勝戦です!!アラナ対エリアスタ…どっちが勝ってもおかしくないこの状況で、一体どんな試合が見れるのか!!期待して読んでいってくださったら嬉しいです!
それでは、どうぞ!
司会者が拡声器を使いながらも大きな声で言う。
「さぁさぁ!!やって参りました!!皆さんお待ちかねの決勝戦です!!」
そう司会者が言うと、大きな声援が返ってきた。司会者はその声援が止むタイミングを見計らってから言う。
「今回の試合は!!どちらもこれまでの試合でなんとも素晴らしい勝利を勝ち取ってきた強豪の2人!!アナスビア・アラナ対、アーケル・エリアスタだああああ!!!」
わあああああああぁぁぁぁ!!!と声援が聞こえてくる。決勝戦なだけあって、会場もとい学園内も盛り上がっている。
グレムは、試合前にアラナに言われたことを思い出す。
『本当に…この実技テストが終わったら行ってしまうんですか……?』
グレムは少し悲しげな顔をしてアラナの言葉に返す。
『ああ、こればっかりは決められたことなんだ…しかも、冒険者が子どもに教えられることなんて無いんだよ。だから………』
そう言葉を続けようとしたグレムの言葉を遮って、アラナはグレムの両手を合わせて握りしめ、言った。
『私……私は……それでも、先生に色んなことを教えてもらいました!!』
アラナは涙を流し始める、グレムには、もうその理由が分かっていた。
『先生がいたおかげで!私は『はみ出し者』じゃ無くなって!!ちゃんとみんなと話すことが出来るようになったんです!!『教えられることは無い』など言わないでください!!私は…私は!!先生に、学園生活を過ごす中で、1番大切なものを教えてもらえましたから!!』
グレムはそのアラナの言葉を聞いて、アラナを抱き寄せた。アラナは戸惑う。
『せっ…先生……?』
グレムはそのまま話し出した。
『そうか……俺は教えられていたのか……なら良かったよ…この学園生活の中で、俺もみんなから色々なものをもらった。そして、あれだけバラバラだったクラスの全員が、この大会を通して、1つになっていくのを感じた……先生としては、みんなの為になれたかと心配している自分もいたんだ…だが、それが今分かった。ありがとう、アラナ……。』
アラナはグレムの優しい腕の温もりに、少し安心感を抱いていた。
『(やっぱり……この先生は………。)』
そう思うと、パッとグレムは手を離した。そして言う。
『次は決勝戦だ、アラナ。俺が君に与えた知識を、存分に振るって戦ってこい。絶対、アラナなら勝てるから。』
アラナはそのグレムの言葉に涙を拭ってからこう答えた。
『この学園の1人の生徒として、応援してくれた先生方やクラスのみんなに恥じないような試合をしてきます!!見ていてください!!』
グレムは涙を流し始めながら言った。
「俺もだよアラナ……俺も、『はみ出し者』だった……だから、助けたくなったんだ……その君が、ここまでクラスの為に戦える存在になったことを、俺は本当に嬉しく思う……。だから、絶対に勝ってこい……そして、そうやって俺を送り出していってくれ……。」
グレムは止まることの無い涙を少し拭いながら、次の試合をする為に位置に着いている2人を見ていた。
アラナは先に挨拶をする。
「え〜っと、初めまして、アーケル・エリアスタさん。対戦、宜しくお願いします。」
エリアスタはアラナが挨拶をした後に「ふふっ…」と笑ってから言う。
「エリアスタでいいわよ、アラナさん。どうやら、さっきの子とは違って、あなたは私と同じ匂いがするわ……ここまで辿り着くのに、全て努力のみで来たような……。」
アラナはエリアスタに言葉を返す。
「いいえ、努力のみではありません。私には、応援してくれているみんなの力もあって、ここまで来れたんです。だから……決して1人ではここまで来れなかったでしょう。」
エリアスタは気遣うように言う。
「敬語はいいわ、これから対戦する仲なんだから、お互い、喋りやすくいきましょう?」
アラナはその言葉を聞いて、口調を急に変えて言った。
「あなたがそういうのなら………絶対に、負けないわ。覚悟しなさい?」
またエリアスタは「ふふっ」と笑ってから言って構える。
「やっぱり、あなたにはその口調が似合っているわ。それと……私も負けるつもりは無いから。…全力でかかってきなさい!」
審判が大きな声で言った。
「それでは、試合、開始!!」
そう審判が言った瞬間に、エリアスタは一気にアラナから距離を取り、魔法を唱えた。
「<光の精よ!今こそ我の目の前の敵を包み込む眩い光線を撃たせ給え>!!!」
「<<光り輝く光線>>!!!」
ドオオオオオオオオオオオオ!!!!
凄まじいほどの光線がこちらに向かってくる、アラナはそれを読んでいたかのようにエリアスタが魔法を唱える前に走っていた。そして、その光線を避けた後、エリアスタの側面から、魔術を唱えた。
「<<風神の斬撃>>!!」
ビュオオオオオオォォォォ!!!!と凄まじい風と共に、斬撃がエリアスタへと向かっていく。エリアスタは魔法を連続で唱えた。
「<<光の護球>>!!!、<<銀河の星光>>!!!」
アラナの風の魔法をエリアスタは光の防御魔法で受け流した後、アラナの周辺、その一帯は眩い光が光った後、爆発を起こした。
ドドドドドオオオオオオォォォン!!!
エリアスタは確実に当てたと思って、少し油断していた、だが…
「私があれくらいの事、予想できないと思った?」
背後からアラナの声がしたと思うと、もう遅かった、アラナは超至近距離で魔術を唱えた。
「<<風神の暴風>>」
ビュオオオオオオオォォォ!!!
凄まじい程の風にエリアスタは吹き飛ばされ、競技場の壁に打ち付けられる。
ドンッッ!!!
「うっ…ぐっ!!!」
アラナは間髪入れず次の魔術を唱えていた。
「<<風神の追撃>>」
ビュオオオオオオ!!!とまた、斬撃の様なものがエリアスタ目掛けて飛んできた。
エリアスタは逃げようと走るが、その風の魔術は、まるでエリアスタを追尾するように追いかけてきた。
「嘘っ……!!」
ズバアァン!!!
「きゃっっ!!!」
エリアスタは、背中にアラナの魔術を受け、傷を負う。だが、さらに畳み掛けるようにアラナは魔術を唱え終わっていた。
「食らいなさい……<<風の剛撃>>」
ドンッッッ!!!と、勢いの強い風がエリアスタに向かってきた、そして………
ドオオオオオオオオオオォォォォン!!!!
そのアラナの魔術は、競技場の壁までも破壊し、結界にまで届いてぶつかり、大きな音を出した。
まだ終わってない……とアラナは油断せずに、巻き起こった煙の中を凝視する……すると…
「よく私にこれを使わせたわね……これを使わせられたのはあなたが初めてよ……。」
エリアスタは、煙の中から少し傷を負って出てきた。
「<<守護>>」
エリアスタは防御魔術を使っていた、それもさらに、あのアラナの風魔術に耐えられるほどの強度を持つものを。アラナは少し驚く、エリアスタは言う。
「私は実はね……光属性の魔法だけではないの。ちゃんと、魔術も人並みには使えるんだから…、覚悟しなさい。」
「<我…黒より黒き闇を扱う者なり…今その闇を持ち、目の前の敵に圧倒的な力を示さん>!!!」
アラナは「まずいっ!!」と思い、走り出す。
「もう遅いわよ!!<<暗黒の闇線>>!!!」
グアッ!!!ドオオオオオオオオオオン!!!!
凄まじい程の闇の光線がアラナに向かって放たれた、アラナは間一髪で避けたが、そのあまりの勢いに押され、転んでしまう。
ドシャッ!!
「きゃっ!!」
エリアスタはその隙を見逃さなかった、今度は魔法でアラナを畳み掛けにいく。
「<<光の星群>>!!!」
エリアスタの空中周辺が光り輝き、幾つもの星が、倒れているアラナに向かって飛んできた。アラナは、避けられなかった。
ドドドドォン!!!ドオオオオオン!!!
エリアスタは完全に勝利を確信しながらも、油断せずに、巻き起こった煙の中を見ていた。すると…
そこにはボロボロになったアラナが立っていた。アラナは言う。
「さすがに……本気出さないと…勝てなそうね……。」
エリアスタは笑いながら言う。
「あら?強がり?……残念ながら…もうあなたには手は残されていないわ、諦めなさい。」
そうエリアスタが言葉を言い終わった瞬間に、アラナの足元に緑色の魔法陣が光りながらほとばしった。アラナは言う。
「『強がり』…?いいえ、違うわ。私は最後の最後まで、この力を使うかどうか選択していた……あなたが今までここに立っていられたのは、私がこの力を使わなかったからよ。」
エリアスタはそのアラナの言葉を聞いてまた笑ってから言う。
「そう。なら見せてみなさいよ、その、『力』とやらを!!」
アラナは言い返してから詠唱を始めた。
「言われなくてもするわよ……<我、内に秘めたる更なる風の魔力を求む者なり、風神よ、今こそ我が言葉に答え、その力を授け給え>!!!」
アラナの詠唱が終わった瞬間、ピカッと一瞬眩い緑色の光が辺り一帯を包んだ。そして、その光が消えたと思い、観客席の生徒たちや、先生方、そして、エリアスタ、全員が目を開けると…
そこには、緑色のオーラを纏い、さらに周りに風が巻き起こっているアラナが立っていた。明らかにさっきのアラナとは違う……その全員がそう思った。
グレムはその全員が驚いている時に言った。
「見せてやれ……お前の本当の実力を……アラナ…。」
アラナは大きく深呼吸をしてから言った。
「<<風の賢者>>」
「さぁ、エリアスタさん、始めましょう?あなたは一体何秒持つかしら?」
どうでしたでしょうか?
次回は、決勝戦に決着がつきます……そして、遂にグレムはこの学園から去ることをみんなに告げる…?乞うご期待下さい!!
それでは、また次回お会いしましょう!




