第103話 蘇る記憶
昨日は申し訳ありませんでした…言い訳をさせて頂くと、突然の急用により、次の話を出す時間が無くなってしまいました…本当に申し訳ありませんでした。
今回は、『サタンの過去』を中心とした話になります。話の中で、色々思うところがあるかもしれませんが、この世界はこういうように出来ているということが分かって下ればいいかなと思っております…!
それでは、どうぞ!!
「な?……言っただろ…。『もう間に合わない』って…。」
すると、その後に王国の中央の大きな穴から、今度は大きな黒い影が飛び出してきて言った。
【何年この時を待ちわびたか……今度こそ…世界を滅ぼしてやろうぞ…。】
グレムは、その出てきた悪魔、サタンを睨むような目で見ていた。
その恐ろしい見た目と、体の大きさ、そして…感じる魔力量が桁違いであった。エルとルリは汗を流す、グレムはその時に抱えていたエルを降ろしてから言った。
「エル、ルリ…俺はあいつを説得してくる…許してもらえる確率は少ないが…取り敢えずやってみる…2人は王城へ言って現在の状況をアリシア王女に伝えてきてくれ、すぐにでも住民を避難させないと危ない。」
そう言ってサタンの元へ走ろうとするグレムを、エルは服を掴んで止めて言った。
「こんなこと…従者としてはいけない行為ですけど…言わせてもらいます…。」
エルは顔を俯かせたまま、そう言った。グレムは、いつものエルとは明らかに違う様子に少し戸惑う。
エルは、俯かせた顔を上げ、グレムに言った。彼女は涙を流していた。
「まさか…まさか、また1人で戦うとか言うんじゃないでしょうね!?ご主人様が私たちのことを大切にしてくださってるのは分かっています!!他の人よりも気を使ってくださっているのは分かっています!!ですが!!私たちもご主人様の力になりたいのです!!たとえ…たとえ死ぬかもしれなくても!!私たちは一緒に戦いたいのです!!」
そのエルの言葉にルリも同じようなことを思っていたようで、服をぎゅっと掴んできた。グレムは思う。
「(ああ……やっぱり俺は………。)」
グレムはそう思った後、エルとルリ、両方の頭を撫でてから、抱きしめて言った。
「ありがとう、そうだよな。何も出来ないのは、嫌だよな……。分かった…!!じゃあ、2人は報告し終わったら、すぐに加勢に来てくれ。それまで、奴は何とか足止めしておく。……頼んだぞ…。」
エルとルリは笑顔で返事をした。
『はいっ!!』
その後、エルとルリは、急いで王城へと向かっていった。グレムは「やれやれ」と思いながらも、仲間の素晴らしさに感動していた。
「本当に、あの2人が仲間で良かった…。」
グレムはそう言うと、すぐにサタンに向かって走り始めた。サタンは今にもこの王国を消し去ろうとして、闇の魔力が込められた大きな球を地面に叩きつけようとしていた。
「(あんな物がここに落とされたら…一溜りもなく、この王国は滅亡するだろう…だが、そうはさせるか…!!)」
グレムはサタンの目の前に着くと、すぐに声をかけた。
「おい!!サタン!!この王国を滅ぼすのはやめろ!!」
グレムがそう言うと、サタンは目の前にいた人間、グレムを見つけ、話し出す。
【なんだ…?お主は……人間の分際で、我に口出しをするのか…?】
グレムはそれを聞いてニヤッと笑ってから言った。
「覚えてないのか!?そうかそうか!!あんなにボコボコにされたものな!!思い出したくもないだろうよ!!」
サタンはその言葉を聞いて少し記憶を辿りながら言う。
【何を……我が……『ボコボコに』……!?】
サタンは思い出した、目の前のこの人間のことを、この人間にされたことを…そして、この人間に教えられたことを…。
時は遡る、ベルディア王国が1度滅ぼされるよりもずっと前…グレムもサタンも子供の頃であった。
『行ってきます!!父さん、母さん!!』
『大悪魔』と呼ばれる前のまだ幼い頃のサタンは、家を出て、ある場所に向かっていた。
そこは、悪魔のみが住む悪魔の国、エルニスタ。女神たちが住むところがあるように、いわゆる地上とは別世界に作られている所である。
子供のサタンは走りながら心をウキウキさせていた。
『(今日は待ちに待った、選定の日!!一体僕は、どんな悪魔になれるのだろう!!ああ、楽しみだ!!)』
悪魔の世界では、5歳となった者に、必ず『選定』が行われるようになっていた。悪魔の子供に、その先の未来、自分がどんな悪魔になるのか、そして、何処へ何を学びに行くべきなのかを示すためである。
サタンはそう思いながら、その、ある場所、悪魔選定所へと向かって走っていった。
サタンが悪魔選定所へと着くと、そこには、サタンと同じような悪魔の子供の長蛇の列が出来ていた。その悪魔の子供たちも、自分が一体どんな悪魔になるのかと、目を輝かせていた。
サタンはちゃんとその列に並び、前に進む事にワクワクが止まらなくなっていた。
『(ああ、本当に楽しみだ!!早く自分の順番が来ないかな〜!!)』
その後…あんなにも長かった列があっという間にも思えるくらい、すぐに無くなっていった。サタンの順番はもう次である。自分の前にいた子の選定結果が聞こえる。
『なんという力だ!!素晴らしい!!』
選定結果を知らせる男の悪魔の人が言った、その後に、女性の悪魔の人がその子に言う。
『おめでとう!!ディアボロス君!!あなたは獄炎の悪魔として世界に名を知らしめる素晴らしい悪魔になれるわ!!』
ディアボロスはそれを聞いて言う。
『ほ、本当ですか…!?』
男の悪魔の人がその言葉に答える。
『ああ、本当だ!!君には最高の学び場を推薦してあげよう!!カイロス=ワーデルが王を務めている、フェニキア大陸の魔王城だ!!そこで、しっかりと悪魔について学んで来なさい!!』
ディアボロスは嬉し涙を流しながら言った。
『あ、あ、ありがとうございます!!!頑張ります!!』
そう言って、ディアボロスは嬉し涙を流しながら、その場を去っていった。サタンはそれを聞いていて思った。
『(フェニキア大陸の魔王城……悪魔としての知識を学ぶには最高の環境と設備があると聞いている…僕もそこに行けたらいいな…。)』
そう思っていると、サタンは順番を呼ばれる。
『次の方、どうぞ〜!!』
サタンは呼ばれたので、その奥へと向かっていった。
『はーい、じゃあここに座ってね〜!!』
そこは、『選定』をする場所とはとても思えなかった。訳の分からない機械がずらりと並べられていて、その中央に、『選定』を行う為であろう椅子が置かれていた。その椅子も、機械的な感じであった。
サタンは指示されたように、その椅子に座る、すると、突然椅子が輝き出した。その様子に男の悪魔の人が驚いて言う。
『こ、これは……。』
女性の悪魔の人も驚いて言う。
『もしかして……。』
サタンは2人が何に驚いているのか分からなかった。男の悪魔の人が近づいてきて、サタンの両肩に優しく手を置き、聞いてくる。
『君……名前は……?』
サタンは少しその対応に戸惑いながら返事をする。
『サ、サタンと言います……。』
すると、その男の人は目を輝かせて言った。
『おめでとう!!君は1万年に1人の逸材だ!!素晴らしい力を秘めているよ!!』
サタンはその言葉に喜びながら言った。
『ほ、本当ですか!!?い、一体僕には…どんな力が…?』
女性の悪魔の人が説明してくれた。
『あなたは大災害の悪魔、世界をも滅ぼしうる力を持っているわ!!きっと、素晴らしい悪魔になれる!!』
男の悪魔の人が女性の悪魔の人に言う。
『これは……今回は素晴らしいのではないか…?この子も、フェニキア大陸の、あの魔王城に推薦してあげよう。』
その言葉を聞いてサタンは目を輝かせて言った。
『い、いいのですか!!?あの…素晴らしい所に…!?』
男の悪魔の人が返答した。
『ああ!!君は素晴らしいほどの才能を持っているからな!!推薦してもいいだろう、というか、そこに行かないとおかしい!!それほどの素晴らしい才能を持っている!!君も、あそこで色んなことを学んで、大悪魔を目指しなさい!!』
その言葉に胸が高鳴るのを感じたサタンは、自分の将来に希望を抱きながら返事をした。
『はい!!!頑張ります!!!』
そうしてサタンは家へと帰る帰り道で鼻歌を歌いながら、いかにも上機嫌な様子で歩いていた。
『(僕が…大悪魔になったら…父さんと母さんは…喜んでくれるかな…!!取り敢えず、今日あったことを話そう、きっと喜んでくれる!!僕の将来は、誰もが恐怖する大悪魔だ!!)』
サタンはそう思って、家のドアを開けて言った。
『父さん!!母さん!!あのね!!今日の選定でーーーー』
だが、サタンは知らなかった。大悪魔になるということが、どんなに嫌われるのかを、どんなに恨まれるのかを。そして何より、地上の世界から、拒絶されることを。
どうでしたでしょうか?
もしかしたら今日は、昨日の分と合わせて一気に2話、投稿出来たらと思っていますので、あまり期待しすぎるのもあれですが、期待して待っていてください…!!
それでは、また次回お会いしましょう!




