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第99話 魔法依存の問題児

今回は!なんと!グレムが教師になってしまう話となります!!しかも、任されたのは少し、問題があるクラスであり…?グレムがそのクラスでの問題をどう解決していくのか、予想しながら読んでいただけたらと思います!


それでは、どうぞ!

「ああ!グレム様!来てくださったのですね!すいません、あまりにもいきなりのお願いをしてしまって…。」


グレムは先日の『匿名依頼』を引き受けた為、ベルディア学園へと来ていた。門を入るとすぐにそう、カイル校長が出迎えながらも言った。グレムは言葉を押し付けるように返す。


「どうしていきなり私に教師何かを?…教えられるようなものは何もありませんよ?」


カイル校長は少し言いにくそうにしながらも言葉を返した。


「いえ…それが…先日のあの誘拐事件の件で、先生が1人いなくなってしまったものですから…数を合わすには先生を見つけなければならなくなり……でも、そんなすぐには私たちでは見つけられないので、それまでの間、グレム様に穴を埋めて頂けないかと…。」


グレムは少し考える。元々は自分が先生を追い出した様なものだ、だからしょうがないとは思うのだが…。う〜ん、()()()には、荷が重いと思うんだよなぁ、けど、放っておけないし…、やっぱりしょうがないのか…。そう思ってグレムは言った。


「分かりました、それで、私は何をすればいいのですか?」


カイル校長はそれを聞いた瞬間表情をぱあっと明るくして言った。


「話が早くて助かります、グレム様にはある、()()()のクラスを担当して頂きたく思います…。」


グレムは疑問に思ったので聞き返す。


「『高校生』?小学生では無くてですか…?」


カイル校長は「そうです」というように頷きながら返した。


「はい…それも()()()()()()()()()()とはちょっと違うのですが…。」


あ〜これはあれだな、いわゆる()()()がいるクラスなのだろう。とてもめんどくさい所を任せられたなぁ…とグレムは思った。カイル校長は言葉を続けた。


「…成績は…エリート級に良い子なのですが…性格に少し問題がありまして…他の生徒との問題を幾つも抱えている子がいます…それに…1人クラスからほぼはみ出し者にされている子も…。」


1()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、それを聞いただけで、グレムはやる気に満ち溢れた。


「分かりました、出来るだけ教育しましょう。でも…問題は教える事なのですが…。」


カイル校長ははっと気づき、グレムに言葉を返した。


「あっ、それに関しては心配ありません。現在、高校生はみんな、()()についての授業を受けている期間なので…。確か、グレム様はとても凄い()()()だと聞いているので、彼らにも教えられると思います。一応、教科書は渡しておきますが…。」


グレムはそれを聞いて少し安心して言う。


「ああ、それなら良かったです。魔術のことなら大抵の事は頭に入っているので。」


カイル校長はその言葉を聞いたあと、頭を下げながら言った。


「グレム様…では…よろしくお願いします。」


グレムも、頭を下げて言葉を返した。


「こちらこそよろしくお願いします。」





「確か3階の……3番目の教室だったかな…。」


教室の中から声が聞こえる、どうやら他の先生が、今日から新しい短期の担任の先生が来ると説明しているようだ。グレムは頃合いを見計らってドアを開ける。


ガラガラ……


「おっ、早速来たようだ。では、お願いします。」


その先生はグレムが教室内へと入ってくると、すれ違いざまにそう言ってすぐに教室から出ていった。少し緊張しながらもグレムは教卓へと歩き、手をつく。早速自己紹介をする為に顔を上げる、するとそこには…


「…………!?」


アラナがいた、彼女もこちらを見て驚いている。取り敢えずグレムは自己紹介をする。


「今日から少しの間だけ、このクラスの先生を務めることになりました…冒険者のグレムといいます、よろしくお願いします。」


すると、生徒全員が驚き、少しざわつく。まぁ…だろうなとは思ったけれども…。


そう思っていると、早速生徒が1人、手を挙げて質問してきた。


「先生!僕はマルロ・ポッドといいます。質問ですが、ドラゴンを倒したというのは本当でしょうか!?」


グレムは顎に手をついてから返答した。


「う〜ん、それは俺が「そうだ」と言ったら納得してくれるか?そうであれば、倒したのは本当だ。何匹だったかな…3匹くらいだっけ…?いや、撃退したのも加えたら4匹かな。これでいいか?」


マルロはその言葉に驚いた後、グレムに尊敬の目を向けながら頭を下げて、座った。すると、今度はある女子生徒から質問が飛んできた。


「先生!私はアルマル・リーシャと申します!先生は、どうやってドラゴンを倒したのですか?…やっぱり、魔法ですか…!?」


リーシャは期待するように聞いてきた、グレムはその言葉にこう返す。


「すまないが…俺は魔法が使えないんだ。俺には、全属性の適性がないからな。だから、ドラゴンは全部『魔術』を使って倒したかな。」


そう言うと、リーシャを含む生徒が全員驚いた。だが、グレムはそれが何故だか分からなかった。すると、ある生徒が1人、手を挙げた。それに、クラスの皆がざわつき始める。グレムは察した、恐らくこの子が…校長の言っていた『問題児』だ。


「先生、僕はケルレイド・マーズといいます。失礼ですが、冗談を言っているのですか?()()()()()()()()()()()で、ドラゴンを討伐できるとは到底思えません。そこにいるあなたと同じく、魔法適性が全属性無い、アナスビア・アラナのように、実はとんでもなく弱いのでは?ドラゴンを倒せたのも、運が良かったからなのでは?」


グレムは少しニヤリと笑みを浮かべながら言った。


「ほう…じゃあ君は、()()()()()()()()()()()()()()()()()()と?そう言いたいのか?」


すると、マーズは笑いながら言った。


「そうなりますね、だって、()()()()()でドラゴンが倒せるわけ無いですもの。他のみんなも、きっとそう思ってますよ?」


彼がそういうと、他の生徒たちは俯いた。なるほどね、()()()()か…こりゃあ、改善しないとな。


「じゃあ、みんな、一旦校庭へ出よう。俺が魔術がどれほど凄いものか見せてやる。マーズ君…と言ったかな?君にはちょっと手伝ってもらうよ。」


そう言うと、マーズはニヤリと笑って言った。


「ええ、分かりました、()()。」





校庭へと向かう途中、アラナが後ろから追いかけてきて、言った。


「ちょっと!!どういうつもりよ!!短期教師なんて!!聞いてないわ!!」


アラナに急に大声で話しかけられたので、他の生徒に気づかれないようにとグレムは言葉を返す。


「声がでかいって、校長からお願いされたんだからしょうがないだろ。」


そう言うとアラナは「じゃあしょうがないわね」といった顔をした、良かった…分かってくれたようだ…と、思っていると、またアラナに言われる。


「じゃあ、それは置いておくとして…問題はあのマーズよ!!彼、凄い魔法の才能があって、先生でも太刀打ちできないほどの天才なのよ!?そんな彼に協力を仰ぐなんて……。」


グレムは()()()()より、先程のクラスを見て気になったことをアラナに聞き返す。


「それより、アラナだったんだな、()()()()()って。」


アラナはその言葉に思わず黙ってしまった。


「っ………。」


だが、グレムはこう言葉を続けた。


「安心しろ、君は俺が助ける。まずこのクラスの()()()()()()()()()という事を消し去ってやる。それから始めるんだ、君の()()を。やろうと思えば、マーズなんて敵じゃ無くなる、期待しとけ。」


そう言うと、グレムは校庭へと走り去っていった。アラナは止めようとする。


「え……ちょっと!!」


そう言った後、アラナはグレムを追いかけるように走った。





「よーし、みんないるか〜?大丈夫なら始めるぞ〜?」


グレムは生徒全員に声をかける、生徒は少し心配している。恐らくマーズに先生がやられると思っているのであろう、まぁ見とけ。


グレムはそう思いながら、正面に立たせたマーズに言う。


「よし、じゃあ、()()で俺を倒してみろ。出来たら…まぁ、いい感じの成績をつけておくよ。」


マーズはニヤリと笑って言った。


「分かりました…後悔しないで下さいね…グレム先生!!」


「お〜う。」


グレムはなんとも気の抜けた返事を返した。


「<火の精よ!今、我が前に至る、敵を焼き尽くす炎を授け給え>!!」


「<<煉獄の炎(インフェルノファイア)>>!!」


その炎はグレムを包み込むように彼の手から放たれた。


ボワアアアアアアアァァァァ!!!!


生徒たちは思わず目を伏せる、きっとそこには焼き焦げた先生が転がっていると思ったからだ、だが…


ビュオン!!!


残っていた黒い煙が風で吹き飛ばされた、そして、そこには無傷のグレムが立っていた。グレムは言う。


「ふむ…まぁ、魔法の威力は十分かな〜けど俺を倒すにはまだ足りないよ、そんなもんじゃ。」


マーズは大きく目を見開いて驚く。


「(嘘だろ……?最大火力だぞ…?手なんか少しも抜いてないんだぞ……?先生ですら……凄すぎると言ったんだぞ…?それなのに…この男は…こんな簡単に……。一体…何を……。)」


するとグレムは話し出した。


「みんなも気になっているだろうから一応説明しておくぞ〜。今のマーズ君の<<煉獄の炎(インフェルノファイア)>>は、<<守護(ビライト)>>という魔術で俺には当たらないようにした。そして、その後、残った黒い煙を<<巻き起こる風(ヘルテイム・ラス)>>という風魔術で吹き飛ばした。ただ、それだけだ。」


周りの生徒たちはマーズの魔法を食らっても全く動じていない先生に驚いていた。過去にこんな教師はいなかった、しかも、()()()()()()()()()()()()なんて。


「う〜ん、けどこれじゃあ、魔術の凄さを理解してもらえないか。じゃあ、みんなに俺の魔術を見せてやろう。特別だぞ〜目をちゃんと見開いとけよ?」


そう言った瞬間に、グレムの足元に赤い魔法陣が光りながらほとばしる。その光景に、生徒たちは目を輝かせていた。


「<炎の神よ!今こそ我に、不死鳥のごとく燃え盛る炎の鳥を現出させる力を授け給え>!!!」


「<<赤炎の不死鳥(アスモ・サルファス)>>!!」


すると、グレムの腕からマーズの火の魔法とは比べ物にならないほどのとても大きな炎の球が出てきて、それが徐々に炎の鳥の形へと変わっていった。そして………


「ピエエエエエエエエエェェ!!!」


と、その火の魔力で出来た炎の鳥は鳴き、校庭の上空を飛び回った。その炎の鳥から、火種が少し校庭へと落ちる。それは、誰もが目を奪われるほどの綺麗で、素晴らしい光景を作った。


最後にその炎の鳥は自分から校庭に直滑降し、地面に着いた瞬間、ドンッッ!!!と音を立てて、その周辺に炎を撒き散らしてから、消えた。


生徒たちは全員空いた口が塞がらなかった。それは、決して魔法の才能のみでは辿り着けない領域だった。グレムは笑顔で言う。


「な?…みんなも魔術の凄さが分かったか…?」


そのクラスの生徒たちは、マーズ以外、全員目を輝かせて、『はいっ!!』と言った。


グレムはその後に笑顔でアラナに言った。


「じゃあ、始めようか…君の()()を。」


アラナはそのグレムの言葉に対して、決意を秘めた目でコクリと頷いた。

どうでしたでしょうか?


次回ははみ出し者となってしまった子…アラナの『逆襲』を描いたストーリーとなると思います…お楽しみに!!


それでは、また次回お会いしましょう!

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