特殊静観隊長、出番です。
出勤時、それはアルバイト先での出来事だった。始業前の準備に在庫の確認作業を行っていると背後に潜む影。僕はハッとした。
そこに立っていたのは、堂々とした立ち姿には想像できない様な似合わなさの背丈に、僕は少し前屈みになり挨拶した。「今日も宜しく」と返答され、仕事に対する熱意からなのだろうか少し顔が赤くなった。
退勤時に今日は早めの上がりに寄り道しようとぶらぶらと歩いていると、なんとも個性的な居酒屋に足を運ぶ。店員も可愛いスカートを履いていて、スッと心を掴まれた。おっと注文が運ばれてきた。ドン!。さて、いただきます。
ある日ふと、若手社員に目をやると、上司からの頼まれ事にイライラを募らせていた。さらには口論に発展し、周囲が騒がしくなった。近くに居るスタッフらが止めに入る。休憩後にその若手社員から詳細を聞くと、僕は一言だけ伝えた。
「どんな組織であっても自分の信念は貫き通せ」とすると、若手社員は立ち上がり、笑みを浮かべた。
後日、始業前の時状況把握する為に現場へ向かうと、そこにはどうやら背後ではなく、僕の前に現れた凛々しい姿でこちらの顔を見てきた。
「ありがとう、君のおかげで変われたよ」
「どういたしまして」