プロローグ日常
季節は夏になりかけ、時刻は二時半、暑くも無く寒くも無いこの気温。
中学生にとっては給食ではらを満たし、授業の間も眠くもなる時間である。
この石谷中学校も例外ではない。
そのため、この時間の授業は、比較的静かであった。一部を除いては・・・
「俺の授業くらい寝るんじゃねぇ!!」
「すっすいませんでした!」
学校中が静まり返っていたとき、この静寂をぶち壊すように怒鳴り声が二年生の教室から飛び交った。声の主は国語担当の鬼教師、谷山 大地
「すいませんすいません!」
その教師にプライド無く、土下座するのは、谷山を怒らせた張本人、岡田 雷鬼{おかだらいき}通称ライ。
「罰としてお前に特別課題を出してやる」
「へ?」
急に谷山の声が明るくなったので、ライは顔を上げると、谷山は不気味にニヤ付いていた。
「放課後、一人で教室掃除をやれ」
「いっいやだーー!!」
「文句は言わせん!っさ、授業に戻るぞ」
谷山はそう言うと、さっさと授業を再開した。ライも席に座る。谷山にはペコペコしていたが
内心、これっぽちも反省はしていなかった。
「・・・クソ山が・・」
「聞こえたぞ」
「!?、すっすいま・・・」
ライが喋りきる前に谷山のげんこつがライを捉えていた。