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9.とてつもなく面倒。

だらだら書きます。


では。

9.




グイッと中に引き摺り込まれた僕は張本人を見る。


「どうしたの姉さん。」


「ゆーくんが悪い」


「なにが


「ゆーくんが、悪い」


「だから、なに


「ゆーくんが悪いの!」



僕が悪いの一点張り。僕なにも悪くない。



「折角一緒の学校になったのに、ゆーくんずっと冷たいし、気がついたらみやと仲良くなってるし、私に構ってくれないし」



「いや、いつまでも弟にかまけてる暇ないでしょ」



普段なら見ることのできない姉さんの膨れ面。正直可愛いけど、そんなこと言えばすぐ調子に乗るから絶対言わないけど。



「だから、ゆーくんが悪いの!」


「はぁ・・・、もうわかったよ。僕が悪かったです。ごめんなさい。」


「なら、そこ座って。」



よくわからないが、取り敢えず謝る。

すると姉さんは僕にベッドに座るように促してくる。なんで?



「やだよ」


「座って」


「やだ」


「いいから座る!」



ちょっと面倒だけど、姉さん少し怒ってるみたいだったので、素直に座った。



「なんで怒ってるかわかるますか?」


「わかりません」


「ゆーくんが、お姉ちゃんを蔑ろにするからです」


「してません」


「してる」


「正直ちょっとだけしてます」


「なんで?」


「僕もいい加減姉さん離れしないといけないかなって」



ベッドに正座している僕の真正面に立つ姉さん。腕を組んで仁王立ち。僕尋問されています。



「しなくていい」


「や、ほら。僕はいわゆる一般人だし、姉さんとかゆかとか、あと夏生たちとか一緒に居てもなんか浮くし」


「周りのことなんて気にしなくていいの」


「でも


「いいの。ゆーくんは、私たちと遊ぶのが嫌になったの?」


「やじゃないよ」


「ならいいの。言いたい奴には言わせておけばいいの。」



やはり上位カースト集団に一般人が紛れ込むのは気が引ける。というか、面倒くさい。

主に嫉妬の視線とか、妬みとか諸々


その辺を踏まえた上での判断が姉さん的には許せなかったらしい。今日のべったり感もその辺からきた感じですかね。


「ゆーくんは私の弟。家族。大事なの。私はゆーくんと楽しく過ごしたい。私だけじゃないよ。ゆかも、なつもかりんも、海斗もあきもみんなゆーくんと楽しく過ごしたいだけ。なのにゆーくんがそんなことで私たちを避けているから私は頭にきてます。怒っています」


「じゃあどーしたらいいの」



これはちょっと本気ぽい。

冗談で返すと本当に姉さんがどうなるかわからないので真面目に返す。



「私たちとちゃんと関わること。

容姿でぐちぐち言ってくるやついるなら、私はゆーくんのためならそいつになんだってする。

それとゆーくんは私たちと距離を取ろうとしないこと。

ゆーくんすぐ逃げるから、それに対しても怒ってます。

あとこれ凄く重要です。


お姉ちゃんを蔑ろにしないこと。」


「一番最後のは私欲じゃ・・・」


「うるさい。



ドンっと肩を押されて、ベッドに仰向けにさせられる。

え?なにこれ


思考が追いつかない、僕に覆いかぶさっている姉さん。


「ちょ、ちょっと。なにしてるの姉さん。」


「これからお仕置きします。」



ずりずりと逃げるが、すぐに壁に激突する。



「ねぇ、ゆーくん?わかってるよね?逃げられないことくらい」



ふふふ、と恐ろしい笑みを携えて姉さんがすりすりと近寄ってくる。

姉さんの頬は赤く染まり、息遣いは荒く、両手はわきわきといやらしい動きで、じりじりと、すり寄ってくる。




「ちょ、姉さんっ!ダメだって!」



「よいではないかぁ〜、よいではないかぁぁああ〜。ゆーくんっ!もう我慢できないっ!」




姉さんが僕に襲いかかってきた。

と同時、


バンッ!!!



「お姉ちゃん!なにしてるの!!!」



そこには女神が・・・。ゆかがいた。


「ゆかちゃん、邪魔しないで?これからゆーくんを美味しく頂くんだから。」



美味しく頂くってなんだよ。表現がちょっとアレだよ。



「いいから離れるの!」



ゆかが姉さんを引き剥がす。

正直雰囲気に流されかけた部分もあるが、助かった。ゆか、グッジョブ。



「あーん、ゆーくぅうーーーんんっ!」



ゆかが姉さんを引き剥がし、抑え込んでくれているうちに僕はすぐさま姉さんの部屋を離脱した。

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