7.面倒くさがり、迫られる。
ぽちぽち書いてます。
なんかテンポ悪くて長くなりそうです。
お付き合い頂けたら嬉しいです。
では。
7.
みんなで談笑していたらいつの間にか下校時間になっていた。
藤堂先輩と、稲見先輩とは家の方向が違うので校門で別れた。因みに、書記くんと雑務くんはいつの間にかいなくなっていた。
「みやはこっち方面に住んでるの?」
と、僕の腕に抱きついて歩く姉さん。なんで?離れて?お年頃の男の子だよ?
腕に当たるふくらみに意識がずっといってる。その間突き刺さるような視線を感じる。夏生だろう。何故か鋭いんだよね、僕が胸の事考えてる時の夏生って。
「はい、駅の近くの商店街の近くです!」
「へぇ〜、割と近くに住んでたんだねぇ、もしかしたら幼い頃一緒に遊んでいた可能性あるかもね?」
「んー、どうでしょう。皆さんは昔からこんな感じで遊んでいたんですよね?私の記憶では同じメンバーがかたまって遊んでいたような記憶は無いので、単に接点がなかったのかもしれませんね」
と、姉さんと京が話している。その間姉さんは僕の腕に・・・
「そっか、それもそうだね。私にべったりのゆーくんとゆかちゃん、その後ろに海斗となつ、かりんとあき。って感じで昔から遊んでるから、結構な大所帯だしいたらいたでわかるか。」
「いや、僕は姉さんにべったりじゃなかったよ」
即座に訂正。昔から僕が姉さんにべったりだったなんて事実はこれっぽちもないからね。姉さんの記憶が改ざんされているだけであって。
むしろ、僕はみんなのフォローで忙しかった記憶しかないよ。
姉さんがみんなを率いて、海斗と夏生が暴れて、かりんも便乗。秋は一歩引いていたが、止めることはせず、ゆかはゆかで一番後ろをトテトテついてきていただけだったし・・・
あれ?僕超苦労人?労いの言葉が欲しいなぁ。
「なんでそんなこと言うの?ゆーくん私のこと嫌いなの?」
ぎゅうっと抱きめている姉さんの腕に力が入る。少しだけ寂しそうに、泣きそうな顔をする姉さん。あー、もうなんでそんな顔するかなぁ
「嫌いじゃないよ」
「じゃあ好き?」
「いや、嫌いじゃないよ」
「なら好き?」
「だからあの、
かっ、家族として・・・好きだよ」
ぐあああああ!!!なんなんだこの人は!
僕をからかって何がしたいんだ・・・
僕は顔が真っ赤になるのを感じる。
これは見られたくない、顔を上に向ける。
雲が綺麗だなぁ
「ふふっ、ゆーくん照れてる」
「ねー。素直じゃないんだからゆーくん」
「そこもまた、ゆかりくんの良いところですよ?ふふっ」
「ゆっくん・・・そんな顔するんだぁ。面白いの見ちゃった」
ゆか、うるさい。
夏生とかりんも乗っかるな。
あと京まで便乗するな。
お前ら嫌いだ。
「愛されてますねぇゆかりは」
「ですね。」
と、海斗と秋が微笑ましそうに言った。
僕の味方はいないんですかね?
孤立無援ってこういう状態の事ですかね。
「ふふん、ゆーくんに好きって言われちゃった」
僕の腕を離さない姉さんは先ほどとは打って変わって、上機嫌である。
家族が好きで何が悪い。
もういっそ、開き直ったろか!?
いや、開き直ったところで恥ずかしくなるのは僕だけだな・・・やめとこ。
「にしても、あのゆかりがなぁ・・・」
ふと、海斗が呟く。
いやその話題もう終わったでしょ、ぶり返すなよ・・・
「ねー。私もビックリしたよ。最初はなつの新しい友達かと思っちゃったもん」
未だに僕の腕から離れない姉さんが言う。
「ほんとに。よくこんな冴えないゆーくんに話しかけようと思ったねきょーちゃんも」
今日の夏生は一味冷たさが増している。やはり胸の話のせいだろうか。
いや、僕が冴えないやつなのは重々承知の上だが幼馴染みとしては流石に傷つくんですけど?
「ん?あはは・・・。最初はねー、後ろの席の子退屈そうだなぁーちょっとからかってやろうかなぁくらいの気持ちだったんだけどね。話してみると案外楽しくって」
「ゆかりは変に達観している部分がありますからね」
「ふふっ、ただの面倒くさがりなだけだと思いますよ?」
京に対して秋が僕のフォロー?をしてくれたが、即座にかりんが僕をいじってくる。
いやまぁあながち間違いじゃないんだけどね。否定はできないってやつです。
「僕の味方はいないんですかね!?」
「ゆ、ゆーくん!私はゆーくんの味方だよっ」
ちょっと愚痴をこぼしたら、ゆかが味方してくれる。良き妹だ・・・
「まぁゆーくんの面倒くさがりは今に始まった事じゃないし。
それと、みんな今日はありがとね。」
姉さんが言う。
「まー、えんねぇのやることに面白くない事なんてないし、俺らは全然構わないよ。なぁゆかり」
「なんでそこで僕に振るんだよ。どーみても僕は面倒くさがってるだろ。」
「なんだかんだ言ってゆかりは、ちゃんとついて来てくれますしね」
ニヤニヤと海斗がこちらに振ってくる。顔がムカつく。無駄イケメンめ。
僕の嫌そうな顔をみて、流れるようにフォローをいれる秋。いや、今回ばかりはフォローになってないよ。やめてくれる?僕Mじゃないんだけど?
そーそー、とか言いながら女子集団も頷いている。
「今年1年間、楽しい学校生活にしよーね!
ね?ゆーくんっ?」
とても嬉しそうに姉さんが言う。
姉さんの嬉しそうな顔を、見るのは嫌いじゃないけど、やっぱり面倒くさいなぁ
とか思いながらみんなで帰路に着いた。
評価ポイントありがとうございます。
なんか読んでくださってる方がいるのってなんとなく嬉しいですね。