2.面倒くさくても、空気は読む。
なんか、それっぽい言葉作ったりしてますが意味不明な言葉になってたりしても生暖かく見守ってやってください。では。
2.
人は物事を天秤にかけるとき、得てして自身に都合のいいように解釈をする。
学食につくと、あるグループだけ凄くなんていうかオーラの濃いグループがある。
そこには関わり合いになりたくないなぁとか考えていると、海斗はそのグループへと向かっていった。
(ですよね・・・)
「遅かったじゃん、何してたのゆーくん。
ほらこっちおいで」
姉さんがぽんぽんと自分の隣の椅子を指して僕を呼ぶ。橘花 縁、僕の姉、といっても血縁関係は無い。母さんの再婚相手の連れ子で僕の1個上の2年生で生徒会の副会長で次期会長らしい。僕らのグループのリーダー的な感じだけど、僕とゆかを溺愛。具合が酷く、ちょっと面倒。
「どーせまた、寝てたんでしょゆーくん。」
姉さんに続いて、ニヤニヤと笑いながら言う女の子。海斗の双子の姉で黒髪の長いサイドポニーテールが特徴の弓弦 夏生。コミュ力おばけで、僕らのグループ以外でも結構な友人がいる。なつおって呼ぶと怒る。
「ふふっ、ゆかりくんは相変わらずマイペースですね」
そう言って夏生に便乗し、僕をからかってくる女の子。黒髪ロングストレートで大和撫子ぽい感じだけど、結構なマイペースの結城 かりん。元々夏生とよく遊んでいて、自然と僕らグループに溶け込んでいる。空気読むの上手。
「ゆかり、一人で寂しくは無いですか?」
と、僕を心配してくれる優男の宗谷 秋。めちゃくちゃイケメンで、誰にでも優しいから女の子にモテる。僕も割と好き。いいやつ。優男。
「ゆーくん、寂しくなったらいつでも私たちのクラスにおいでね?」
と秋に続いて慰めてくれるゆか。
橘花 紫、こちらも姉さんと同じく母さんの再婚相手の連れ子で、僕と同じ名前の読み方で幼い頃はよく名前を呼ばれて二人で返事して、色んな人を困らせたりした。いや僕らが悪いわけじゃないんだけどね。
皆各々で反応をくれる中、僕は姉さんの隣に座った。そこには既に昼食が準備されていて、秋あたりが持ってきてくれたんだろうか。
僕が座ったのを見計らって姉さんが、
「じゃあゆーくんも来たし、食べよっか。いただきまーす」
「「いただきます」」
みんなで合掌。
この辺に関しては姉さんがとてもうるさいので、みんなちゃんといただきますをして食べる。僕も少し遅れて合掌、小さな声でいただきますっと。
「ところで、ゆーくんだけ別のクラスで後みんな同じってなんだかゆーくんだけはぶられてるみたい・・・可哀想。よしよし」
姉さんが僕の頭を撫でながら言う。食事中に髪の毛触ったりするのマナー違反だからね。って思ってても姉さんに口で勝てるわけもなく、面倒くさくなるだけなので無視して昼食を食べる。
「ほんとなー、ゆかりも同じクラスならよかったのになぁ」
姉さんに続き、海斗が言う。
「いや、みんなと同じクラスだと騒がしくて注目浴びるの面倒だし、僕は全然良いんだけどね。てか嬉しい」
昼食の定食ランチの魚をほぐしながら言う。
まぁ本当にこんな美形集団に僕がいても浮くだけだし、逆に目立つから割と本音ではあるんだけど。
「ゆかりは変なとこで捻くれてますよね・・・」
苦笑い気味にフォロー?してくれる優男。
いや、捻くれてるもなにも本当に僕以外は美男美女なので目立つからこその発言だったんだけどね。
「私たちも、ゆかりくんと同じクラスが良かったんですよ?ね、なっちゃん」
「ねー、ゆーくんだけだよ冷めてんの。」
かりんに続いて夏生も愚痴る。
いや、クラス分けなんて僕らいち生徒が介入出来るわけないんだから・・・
「私もみんな同じクラスが良かったな」
しゅん、と悲しそうにゆかが言う。
ゆかまでそんな風に考えてたのか。
「そーだよ、やっぱりできることなら同じクラスがいいよね。私も1年遅く産まれたかったなぁ」
未だに僕の頭の上に手を乗せている姉さんが言う。まぁ姉さんの後を追っ掛けてみんなでこの学校に入ったんだけど、姉さんもそれを喜んでくれてはいたもののやはり1つ上だからこそ去年は寂しそうにしていた。
「まぁまぁ、僕は僕でなんとかするし別に離れ離れってわけじゃないんだから。こーしてみんなでお昼食べる事も出来るんだし」
なんとなく、しんみりした空気が面倒になり僕はさくっと空気を変える為に言う。
「だよな、これからはえんねぇも一緒にみんなでご飯食べられるし、俺は普通に嬉しいぞ」
僕のフォローに乗っかって海斗が言う。
「ですよ。学校行事も普段の生活も一緒に過ごせるんですから。頑張って勉強してみんなでここに入れて良かったです」
と秋もフォローを入れた。
「まぁ、ゆかちゃんだけ若干危なかったけどみんなここに来てくれて、ありがとね」
姉さんがゆかを見て、みんなを見ながらほほ笑みそう言った。
「もうっ、お姉ちゃんっ!」
ゆかがほほを膨らませて言う。
その様子をみんながそれぞれの反応をし、
みんなで笑いながら、楽しい昼食の時間を過ごせたのだった。