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けもの耳は需要が在る!

 川から流されてきたのだろう、少女の服や髪など身体のいたる所が濡れている。

 川縁かわべりに倒れている少女は意識が無いらしく、ウリ助が鼻で軽く突いているが動きは無い。けれど息はしっかりと在り、呼吸で胸周りがゆっくりと上下しているのが確認できる。


 見た感じ、ボクと同い年ぐらいの齢だろうか。

 身体の大きさがボクとさして変わらない。・・・のだが、長い白銀の髪、頭の天辺てっぺんに大きめな三角形の耳とお尻辺りからは、髪の色と同じ白銀のしっぽが見えている。


 獣人。

 ファンタジーモノで有名な獣の特徴を有する人間。


 ゲームや漫画などでは普通の人と比べると身体能力に優れ、聴覚や嗅覚等の五感もその特徴の元となる動物に近い能力を持っている。と言うのが大体の共通する所だが、この世界でも同じなのかは少し分からない。


 何故なら、彼らに対する資料や本が圧倒的に無いからだ。


 屋敷に在った資料や本はあらかた読み尽くして、この世界には他にもエルフやドワーフ等の種族も存在していると知ってはいた。だがそれは、冒険者やどこかの英雄譚など物語に僅かに登場するものばかり。

 元々、辺境の領主だからこの世界の総ての情報を網羅しているとは言い難い。

 しかし、それでも全くと言っていいほどに資料が無いのはおかしい。

 

 理由は極めて単純なお話で、ボクが居る大陸とは違う別の大陸に彼らが住んでいるからに他ならない。


 前世の世界なら、マルコ・ポーロやコロンブスなどの探検家が大陸を発見、そこに住まう人達と交流し、貿易などに発展して行ったのだが、この世界ではそう簡単に事が運ばない。


 この世界には魔物が存在していて。それは当然、大陸間に存在する広大な海にも生息して居る。

 海に生息する魔物は、起きに出て行くほどに強く、大きく、凶暴に成って行くのだ。

 

 大陸間を移動するには、海を船で渡るか、空に飛んで移動するしかないが、飛行機などの空を飛ぶ技術はまだ無いし、魔法で空を飛ぶなんて人が持つマナの総量が足りず無理な話、現行で空の移動方法が無い。


 一番現実に行えるのが海での移動だが、先に述べた通り魔物と言う壁が行く手を阻み。

 巨大な船を建造し運行させても、それを上回る大きさの魔物が海には潜んでいて何本かの触手を伸ばし巨大な船をいとも容易く海の中に引きずり込んだ話や。

 魔物討伐の為に武装船を何隻も用意し船団で出掛けるも、帰って来たのは2,3隻程度で残りは海へと沈み、帰って来た船もボロボロで最早使い物にならないレベルの物でその船の船員も死の淵を彷徨うほどの重傷者ばかりだったと言う。

 

 気楽に船旅など出来ないのが現状で、運よくその別の大陸に行って無事に帰る事が出来た人間などごく少数しかいない。 

 更に、見た目や文化の違いから余り良い関係を結ぶことも出来てはいない為にしっかりとした交流が無く、そのため資料も少なく貴重なのだ。



 そんな種族の一人の少女がボクの目の前で倒れている。

 

 「・・・やばい、どうしよう。」

 

 扱いに困る状況だ。

 

 ボクが居るこの場所は、少女の種族が住まう別の大陸に近い訳では無く、むしろ反対であって四方を山間にか囲まれていて海も近くにある訳でもないのだ。

 

 そして倒れている少女の恰好も、ボクが屋敷で働かさせられていた時に近いボロ布一枚を身に纏い、首には鉄製の大きな黒い首輪が嵌めれられている。

 そういう趣味で付けているなら良いのだが・・・いやいや、どう見ても幼い子供がそんな趣味に目覚めているのも大問題なんだろうけど・・・


 マジメな話、恰好から考えるとこの少女は奴隷。


 つまり。

 この少女を助ければ、何か問題が起きる事になる可能性が高いだろう。


 漫画やアニメで言う所のフラグで。

 この後、少女の主人か売る側の奴隷商、もしくは獣人等の奴隷を解放して回る人とかが、この少女を探して森の中を歩き回り。

 いつかはボクが居る拠点にたどり着き、その人達とで何かしらの問題が起きるのは想像に難くない。


 かと言って、意識を失って倒れている少女をこのまま見なかった振りをして帰るのも、どうかとも思う。

 このままここに放置していれば、この少女はいずれ魔物に襲われる事になるだろうし。

 ボク自身が、後々この少女の事を思い出し時に罪悪感が湧くのかも。


 「はぁ。」


 ため息を漏らし、白く長細い雲が幾つか流れる青い空へと視線を向けて、どうするべきか思案するのだった。



 

 しばらく後、ボク達は拠点へと帰って来た。

 ・・・勿論、あの倒れていた少女も連れてだ。


 やっぱり見捨てるという選択は、ボクに出来なかった。

 全ての人間をボクが助ける事が出来る。などとおこがましい考えを抱いている訳では無いけど。

 手を伸ばせば助けられる範囲に人がいるなら、出来る限りの努力はしたいとボクは思う。


 この感情は偽善なのかもしれない。けど、何もせず見捨てて後に、後悔して悔やむよりはずっと良い。



 「さて、助けたがは良いがこれからどうするか。」

 「ブゥ?」


 取り敢えず少女は、布で身体を拭いて、ボクの代わりのワンピースを着せ、お手製の粗末なベットに寝かせている。

 一応、転生して性別が変わっているので変な下心は湧かなかった・・・けれど、頭や身体を拭く際に、けもの耳や尻尾に触れてしまうのは仕方ない事であり。

 濡れている所があると、不快感だったり、風邪をひいてしまう恐れがあったから念を入れていた訳であって、そこにやましい気持ちは無かった・・・たぶん。


 ゲフンゲフン、些細な事は脇に置いといて。


 少女の身体を拭いた際に目で観て分かる程度だけど、ケガや何か異常が無いか調べたけど、軽い擦り傷と打撲傷・・それと、何か長細い物で叩かれた痕が背中に幾つかあった。


 擦り傷や打撲傷は川に流されている時についた傷だと思うが、細長い傷痕の方はどう見ても人為的に出来た傷痕だ。

 この子が奴隷と言う身分から考察するに鞭みたいな物で、身体を打たれたのだろう。


 更に言えば、この子を運んだ時に身体が細く軽かった事からも、ロクな食事が与えられていないことを証明している。

 軽かったお陰で何とか、ここまで子供のボク一人で運ぶ事ができたのだけれど・・・

 それはそれ、これはこれで、話が違うものだ。

 

 この子が奴隷として扱われて、少し前のボクと同じか、それ以上の最悪な環境にいたと言う事はまず間違いない。


 口が汚くなるが、反吐が出るお話だ。

 あのくそ領主と同じかそれ以上のクズが彼女を探してここまでたどり着いた場合、絶対に騒動が起きる。


 奴隷だとしても幼い子供に暴力を振るう人間がまともな常識ある者とは考え難いし。

 自分で言うのなんだが、客観的に観てボクの容姿は可愛い分類に入るだろうから、素直にこの子を渡した所でボクもついでに攫って奴隷にするとか考えるかも知れない。


 おまけに身体は子供でも精神は大人なボク自身、幼い彼女をクズな人間に渡す気など最早無い。

 若干、以前のボクと近い境遇に、ボク自身があの時感じていた(いきどお)りを重ねている節はある。


 それを差し引いて考えても、痕が残る程の暴力を振るう人間に子供を任せたいと思う奴はいないだろう。

 念の為にこの子から事情を聴いて、最終的に決めるけどね。


 「・・・何にしてもこの子が起きてからじゃないと話にならないか。」

 「ブッブウ!」


 ぐぅ~。


 未だ目が覚める様子の無い少女を眺めていると、ボクのお腹の虫が小さく鳴く。

 

 「あ、魚忘れてた。」

 

 この騒ぎですっかり川に何のために行ったのか忘れていたが、今ので思い出す。

 

 「はぁ~、まあでも、この子を運ぶので精一杯だったし、どちらにしても魚は持って帰れなかったかぁ。」

 「ブウゥ」

 「慰めてくれるのか、ウリ助。」


 ウリ助が慰めてくれるように足下を小さな身体を摺り寄せて来る。

 そんなウリ助を持ち上げ。


 「無い物は仕方ない!川にはまた今度行けば良いんだしね。とりあえず、何か作るか!この子が起きた時、お腹が空いてたら可哀想だもんね。」

 「ブゥ!!」

 

 そのままウリ助を抱きかかえながら、ベットを後にした。

更新が毎度遅くてすみません、ヘボ作者です。


えっと、どうやら本作品に消し忘れや脱字があるとご指摘頂いたのですが

まことに申し訳ない事ですが、作者がヘボ過ぎて全て把握する事が出来てはいません。

ごめんなさい。

直す気はあるのですが、どうもうまく見つけられずにいる次第で・・すみません

こちらでも注意して書いた後、読み直しなどしているのですが、ヘボでポンコツの作者なため見逃している事が多いみたいです


今後とも気を付けるのですが、もし、誤字・脱字・消し忘れなど見つけた際は、ご報告お願いします。

・・・それと、図々しいお願いですがこの作品の感想も待っています。


ヘボでポンコツ作者ですが今後ともこの作品をよろしくお願いいたします。


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