≪第4話≫悟とハーゼの出会い
悟の異能が暴走しているころ、近くの村では山が燃えていると大騒ぎになっていた。
そこへ偶然立ち寄っていた軍の少佐、ハーゼは村の長老から相談を受けていた。
長老「兵隊さん、村の近くの山が丸々1つ燃えたんじゃ。あそこには火を操る猿がいての。そいつの仕業かもしれん。前にここの村に少しだけおったのだが、火を操って危ないだろうってことで祖母と一緒に追い出したんじゃ。今になって、その仕返しをしてるのかもしれん。見てきてくれんかのぉ。」
ハーゼ「あんたらが追い出したんだろ。自業自得だろ。」
長老「それはそうかもしれんが。村人を助けるのも軍の役目じゃろうが。」
ハーゼ「こんな時ばっか、都合よく利用しやがって。ハァ。」
ハーゼは大きなため息を付き、続けた。
ハーゼ「オレたちは上の命令で破壊神教の天使エイプリールってやつを追ってここまできた。そいつが山を燃やした可能性もなくはない。今日はもう時期日が暮れるから、明日行ってやるよ。」
長老「あぁ、ありがたい。よろしく頼みますぞ。」
ハーゼ「ハァ。」
またも大きなため息をつくハーゼ。それを見て部下の1人がよってきた。
アオ「なんやかんやで優しいんだから。少佐は。」
アオはハーゼの部下の1人で、ツバメの半獣である。背中には青色のキレイな翼が生えている。
ハーゼ「アオうるさいぞ。」
日も暮れて山の火も鎮火した頃、山の中に一箇所だけ炎があがっているのをみた部下が報告してきた。
ハーゼ「元凶のおでましか。おい、アオ。何人か連れて見に行くぞ。」
アオ「この暗いなかをですか?」
ハーゼ「その炎をだしてる奴が村まできたら、またあの長老がうるせぇ。」
アオ「わかりました。今、準備させます。」
ハーゼ「あぁ、偵察するから連れて行くのは5〜6人でいい。」
アオ「ハイ。」
準備をおこない、すぐに山へと向かった。山の中の炎は消えることなく、ハーゼと部下たちは迷わず、元凶へとたどり着いた。
たどり着いたハーゼたちが目にしたのは、小ぶりな猿の化け物が身体から炎を出しながら死体を食べているという異様な光景だった。
ハーゼ「こりゃ。完全に異能と変容が暴走しちまってるな。」
部下「うわあぁ。」
あまりの光景にハーゼの隊に入りたての新人の部下が声を上げてしまう。その声でハーゼたちに気づいた猿の化け物は睨みをきかせている。
ハーゼ「ばかがっ。陣形をとれ。」
ハーゼが命令するも新人部下は腰が抜けて立てない。猿の化け物は走って近づいてくる。
部下「くるなっ。うわぁっ。」