悲しいおばあさん
ニャートスとぴかりんはしばらく、その施設に癒し猫として潜入することにした。なぜなら、まだまだその施設には不審な点があったからだ。おばあさんがデイサービスに行くとき、こっそりと抜け出して、ぴかりんはニャートスと癒し猫としてデイサービス横のグループホームに行く。老人たちは寂しさからニャートス達が来るのを楽しみにしてくれていた。衛生面の約束で、シャンプーして綺麗にしてから行くのがお決まりだ。お年寄りは、良い匂いの綺麗な猫ちゃんと気に入ってくれている。でも一人、ぴかりんは気になるおばあさんがいた。そのおばあさんはまだ60代であるのに、頭の毛はなく、ガリガリに痩せており、部屋から出ず、ベットで横になってばかりいる。お風呂も拒否。職員が清拭をして体を拭いてあげている。お嫁さんも世話をしないらしく、たまに子供を連れてきても、施設の料金を持ってくるだけだ。子供はおばあさんをババアと呼んでいた。おばあさんはひねくれており、職員の優しい言葉かけにも、「ブスが。よく言うな。」などとひどい言葉しかはかない。認知は軽いが、とにかく人を異常な程寄せ付けない。会話をしない。ぴかりんとニャートスが部屋に入ると、「出ていけ。汚ならしい。猫は大嫌いだよ!あっちいけ!」と物を投げつけるあり様だ。ぴかりんは「ニャートス、この人かわいそうだね。」「うん。素直さがないから、自分から一人になってるんだよ。何かトラウマがあるんだろうね。」と話した。