おまじないなんかより
ぴかりんが自宅に帰ると、ニャートスが遊びに来ていた。「ぴかりん、どこへ行ってたの?余計な事しないで」ニャートスはニヤリと笑った。「心配だったから」とぴかりんは言いかけたが、ニャートスは「大丈夫だよ。おまじないをかけてあるんだ」そう言うとぴかりんを置いて走って出ていった。ニャートスは大画面でぴかりんの経験した事を見ていた。そして、お母さんのために力になることを決めた。お母さんは今仕事の後にネイル教室に通っていた。お母さんの夢はネイルサロンを開業する事だった。夜遅くまで、ネイルの練習をするお母さん。夫にお母さんは未練も何もなく、ただ、自由が欲しかった。お母さんがニャートスを抱いて寝るのが大好きなことを知っていたから、なるべく夜は家にいて側に寄り添うことにした。ある日、夫は離婚届をお母さんに渡した。お母さんは素直に了承した。そして、ニャートスにはお母さんがそれを望んでいる事がわかった。お母さんは小さなお店を出すことになった。夢と希望で輝いていた。しばらくすると、元夫の事業が傾き、倒産した。そして、女とも別れてしまった。元夫はお母さんに復縁を願ったが、叶うはずもなかった。ぴかりんは「ニャートス、あなたのおまじないが効いたの?」「いいや。あんなの嘘っぱちだよ。お母さんは努力して今成功したんだ。僕は嬉しいよ」とニャートスはお母さんを誇りに思った。