引きこもり
人間も大変だなとぴかりんは思った。そんな時にとぴーるがなり、ニコルおじさんから連絡があった。ぴかりんとニャートスの家の近くに20年間引きこもりを続けている男性がいるというのだ。両親はどちらも教師をしていたが、今は退職し、年金暮らしである。両親はもう高齢で、近くに住む娘が通ってきては世話をしていた。長年働いてきた両親には年金と貯金がしっかりあるため、施設に入ることも可能であるが、問題は息子だった。20年間引きこもりを続けているため、外に出たこともなければ、人と接した事もない。もちろん両親の年金で暮らしているため、両親が出ていったら、姉は来なくなり、一人になり、なにもできず、生きていけないのではないかというのだった。ぴかりんはニャートスと共にこの男性を訪ねた。朝であったが、「腹がすいた。早く飯を出せ。」と大きな声で怒鳴っていた。姉は慣れたもので、驚くこともなく、朝食を男に出した。両親は同じテーブルで食事をしていた。姉は「私も年だし、いつまでも弟の世話はできないわ。両親は施設にいれるつもりだけど、私には家庭もあるし、主人の母もいるし、娘が来月子供を産む予定なの。本当に弟のことはどうしていいやら分からないわ。」と沈んだ顔を手で覆った。ニャートスとぴかりんはなんとかならないものかと思案するのだった。




