生神様 1
ある朝の事、近所のおばさんが訪ねてきた。「おばあちゃん、ねぇ、生神様に見てもらわない?すごい的中率でね、なんでも、答えてくれるのよ。今日は集会があるから誘うわね」おばあさんは「私は足が悪いからね、畳には座れないよ」「大丈夫よ。椅子を用意してあるわ」そう言ってパンフレットを置いていった。おばあさんは困った顔をしていた。ぴかりんは、心配になってついていく事にした。夕方になるとおばさんが車でやってきた。車に乗り、生神様の家に向かった。そこは普通の民家だった。たくさんの人々が座り、祈っていた。生神様は、奥から表れた。普通の姿をした60代くらいの女性であった。「皆さん、今日は、しっかり祈って下さい。あなた方の悩みに少しでも私が力になれますように。」そう言って神棚に祈り始めた。女性は一人一人霊視をすると言い奥の部屋にこもった。お付きの人が「あなたは初めていらした方だから、特別にあなたを最初に視ると先生がおっしゃっています。」おばあさんは不安になったが、言われるように部屋に入っていった。ぴかりんもついていく。先生と呼ばれるその女性は祈りながら、おばあさんに、「あなたは足が悪いですね」と言った。「はい。膝関節症です。手術をすすめられたんですがね、もうこの年ですから、お断りしました。」「でも、痛いでしょう。かわいそうに。私が祈ってさしあげますわ。」そう言って神棚に向かい祈り始めた。しばらく祈ると、おばあさんの膝を何度か撫でて、「まだ、何度かうちに通って下さいね。祈祷いたしますから。」と言った。おばあさんは、お気持ちと言う袋を渡された。その中にお金をいれるんだと分かり、一万円入れて渡した。たくさんの人々が待っているので、10分程度で、その部屋から出た。近所のおばさんは、「良かったわね。一番に視てもらえるなんて、ないことよ。私はあなたの病気や家の事もなにも話していないわ。当たったでしょ」と言ってわらった。




