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第十一章 怪しいストーリー
「思い出した。僕はヨダカに謝らなければならない。飛鳥を、あの時守れなかったことを。」
僕は蘇る記憶達がうごめくように頭の中を駆け巡る様を目をつぶってよくよく感じ取りながら、そう答えた。その記憶達は最初は不規則にうごめいていたが、やがて僕の体に張り付くように動き出し、それらは僕の体の一部となった。
「もう遅い。」とヨダカは急に落ち着いた様子でそう呟いた。
先ほどの怒りはこの場にぶつけず、どこかにしまい込んだようだった。
僕はそのあまりに奇妙なヨダカの変貌ぶりに驚いて何も言えなかった。
「もう遅いんだ。今更それについてお前を責めても何も出てこないよ。それに、結果論ではあるけれど現に飛鳥は助かっている。だから、いいんだ。ただ、覚えていて欲しかった。お前が飛鳥を守るんだから、それを忘れてしまったら責任を放棄していたのと同じだ。」
そう言ってヨダカは立ち去ってしまった。




