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高岡さんと大罪さん  作者: つんくん
3/3

3.七つのなんとか

今回長いです。

めちゃぬるい性的、残酷描写有り。

3.七つのなんとか





森の奥、とある教会にて。



「いやー、今日は楽しかった」


「まーちょっとやりすぎたかもなー」


「はっ、あいつはエクソシストとやらなんだろ?もう気づいたかもなぁ」


「わかりませんよ、あの人鈍感そうでしたし」


「彼女はおバカだけどいい子なのよ」


「まぁ、気付こうが気付くまいがどうでもいいことだよ」


「…だね。だって…」




『どうせ、世界は大罪に染まる』




「さぁ、じゃあみんな行こうか。彼女の元へ」


〜〜〜〜〜〜〜



銀「ふへへへへ」


今は深夜2時。

オレは部屋にあるパソコンでネットサーフィンをしている。

今見てるもの?エロ画像。


【ピー】が【ピー】で【ピー】な画像だ。

誰もいない家だからこそ見れる。

いやまあ自室だからいつでも見れるけど。


女がエロ画像見ないなんて誰が決めた。


ちなみに、パソコンの傍らには菓子とジュースがいっぱいある。

姉貴がいたら怒るだろうが、この家には暫くオレ以外誰もいないのだ。


銀「いっつ、ふりーだむ!!」


そう、自由だ。

今オレは何者にも縛られない。

自由の支配者だ。


銀「っだーー!!画像読み込み重い!!」


腹立つのでマウスをバンバンした。

壊れてくれるなよ。


銀「くっそ、このサイトの無料サンプル動画を全部ダウンロードしてるからなのか?!」


全部見たかったんだから仕方ない!!

頑張れよ!!オレのためにもよぉ!!

オレが持ち主なんだから持ち主に逆らうんじゃねーよ!!!


fxxk off!!!


銀「仕方ない、時間潰すか」


新しいタブを読み込み、トップページにあるニュースを見る。

なんかおもしれえのないかねぇ。


銀「あ?」


ニュースの記事の一つに、オレと同年代のエクソシストが大きな悪魔を祓ったというのがある。

なんか知らんがムカつくなぁ。

こちとら小さい悪魔さえ祓えねえってのに。


銀「しねばいいのに」


オレはスナックの袋を開けて乱暴に喰らう。


努力はしてる、こう見えてもな。

いつもは聖力を溜める為に修行してるんだ。

今日は流石に色んなことがありすぎて疲れちまったからやってねぇけど。


銀「はーーーぁ、めんどくせぇ」


パソコンから離れ、ベッドにうつ伏せに倒れ込む。

食べてすぐ寝転ぶと牛になるぞ。

知ったことか。怠い。

オレはそのまま目を閉じた。




……………


銀「はっ」


ぱちっ、と目を覚ます。

寝てたわーー寝ちまってたわーー。

壁にかかる時計を見る、午前4時。

外はまだ真っ暗だ。


銀「流石にダウンロード終わったよな…」


オレがパソコンの方を見ると。


「あ、起きたの?」



オレの椅子に誰 か い る。



銀「え?あんた誰」


「おいおいやだなぁ、僕を知らないとは言わせないぞ」


大きな赤いリボンで結われた空色のポニーテールを揺らしながら、エメラルドの目でオレを見る少女。

どっかで見たことある…あ。


銀「えーと…。いらっしゃいませ」


「いらっしゃいました」


この子、あの子だわ。

最近うちのバイト先のファミレスに来てるお客さん。

…そして。


銀「オレをまた変えに来たのか」


「おぅ、また、ってことは気付いたんだねやっぱ」


少女は椅子からぴょん、と降りる。


銀「オレと()りにきたのか、悪魔憑き」


「おお、そこまで知ったのか。さっすがエクソシストー」


少女は余裕であるかのような軽い言い方で喋る。


オレは弱い悪魔なら悪魔憑きを自力で判断できるが、強い悪魔は見分けられない。

そしてオレは今までこいつが悪魔憑きだと気づかなかった。

つまり、この少女に憑いている悪魔は強い奴だ。


気圧される訳にはいかないと思い、オレはその少女を睨む。

しかし彼女は表情を買えないまま、オレに近付く。


「うん、そうだね」


攻撃してくるのかと思いきや。


「僕は君と…いや、君を」


いつの間にかオレを押し倒し。


()りにきた」


オレに馬乗りになってきた。



銀「…は?」


言っている意味がわからない。

なんだ、なんかわからないが。


ひどくイヤな予感がする!!


銀「れっ、レイプ魔?!」


「あっ、それいい響きだね」


銀「やだーー!離せー!」


「あはは、嫌がっても余計僕を興奮させるだけだし」


銀「おっ、女同士だろ?!」


「性別とか関係ないよ」


こいつ本気だ!!

まさか、こいつ不法侵入してきたのはオレを犯す為…!?


少女はオレの首に舌を這わせる。

ぞくぞくと、言いようのない感覚。


「じゃあ、早速…」


少女がオレの服を脱がそうと手を伸ばした時に、少女の背後に誰か立っていた。


ごつんっ


「いったぁいい!!」


「てめ、何してんだよ!」


チャンス。

オレは少女を突き飛ばしすぐさま離れる。

突き飛ばされた少女は床に落ちることはなく、背後の男の腹当たりにぼすっ、とぶつかった。


「ちょっとお兄!今いいところだったのに!!」


「目的がちげえだろうが!!ヤんなら後にしろや!アホ義妹(いもうと)!」


こいつらは兄妹なのか。

似てないけど。

…って、ん?兄貴の方って…。


銀「あーー!!お前ゲーセンのヤンキー!!」


「あぁ?るっせぇな大声出すなや」


ヤンキーがオニキスの目でオレを睨む。

いやいや出さずにはいられねえわ!!


銀「な、なんなんだよ…兄妹だったのかよお前ら…」


「義理のだけどね…いてて」


あぁ、だから似てないのか…じゃなくて!!


銀「兄妹そろって不法侵入!!警察!!」


「それは困るなぁー」


オレが通報しようとすると、後ろから抱きしめられる。

いや、正確にはオレが通報しようとしてスマホを手にとったらその手を後ろから掴まれ口を塞がれた、と言った方が正しい。

抱きしめられてねえじゃんとかいうツッコミはいらんぞ!


「まぁまぁ、俺ら怪しいモンじゃねぇから」


銀「んむぐぐーー!!」(この声どっかで…!!)


オレがちら、と視線を上に。

オレの動きを封じたままルビーの目で見下ろすそいつは、目の前にいるヤンキーと一緒にいたチャラ男だった。


銀「んんっ…!!」(お前は…!!)


「よ、数時間ぶりー」


ゲーセンにいた時と変わらない、ヘラヘラした表情。

なんでこいつまでここに…?!


銀「んーーーっ!!」(取り敢えず離せえぇ!!)


「暴れるなってのー」


「憤怒なんかレイプ魔みたい」


「おいっ!」


なんでオレがこんな目に合わねーとなんないんだよ!!

死ぬの?!オレ死ぬの?!?!


「あ、ここにも食べ物あったんですね」


ガチャ、と部屋の扉を開ける音と男の声。

オレの部屋に入ってきたのは、カレー屋にいた大食いメガネだった。


銀「んん!?」(なんでお前まで?!)


「あれ…邪魔しちゃいましたか?」


「何の邪魔だよ、別にいいよ」


ヤンキーが冷静にツッコミを入れる。

あいつ…ツッコミ担当か…。

メガネ男はパソコンの傍らに置いてた菓子を取る。勝手に。


「…!また、これは凄いですね…」


菓子を取る際に、パソコンの画面に目をやったメガネの一言。

何が映ってるんだ…光の反射でここからじゃ見えない…。

あ、ニュースか。


「凄いよねぇーそれ。無修正だもんねそのエロ画像」


銀「!!!!」


少女おぉおおおおお!!!

お前か勝手に画面変えたの!!!

オレのプライバシー!!無し!!!


「えー、俺も見たい」


うるせえチャラ男!!!

ニュース見てろ!!!

ヤンキー!!こいつら殴れ!!


「……っ」


パソコンをちらちら見るヤンキー。

お前も興味あるのかよ!!!

あー若いっていいねぇ!!!

見た目で判断しただけだけどな!!


「あぁ、こんなところにいたんだ」


開きっぱなしの扉からまた誰か来た。

目をやると、そこにはチョーカー落とした男。

…が、バスで出会った男の手を引いていた。

バス男は眠そうな表情でぼーっとしている。

あの時と一緒だ。


「よう、リーダーたち。やっと来た」


少女がひらひらと二人に手を振る。

リーダー?どっちが??


「…何見てるの…?」


少女とメガネがパソコンを見てるのが気になったのか、バス男が近寄る。

やめろおおおおおおおおおおおおお乙女の秘密があああああああああaaaaaaaaaaaaaa!!!!!!


「何?僕も見たいから見せて」


チョーカーああああ嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼あぁ!!!


「今はこれ見てる」


少女が少しよけて二人にパソコン画面を見せる。

何が映ってるか見えねえ!!!


「…わ…」


「へぇ…なるほどねぇ…」


銀「ん゛っ!!ん゛ーーー!!」


何見てるんだよ!!!

気になるわ!!!!


後息苦しくなってきた!!


「あ、離して欲しい?」


銀「んっ」


オレは何度も頷く。

このままだと呼吸困難で死ぬ!!


「逃げないならいいけど」


銀「ん!」


もはや暴れ疲れて逃げる気力もない。

それよりあいつらなに見てんだよ!!!

チャラ男がオレをやっと解放する。


銀「ぶはっ!!はぁっ、はぁ…」


死ぬかと思った!!

手首を見ると、両方ともに痣が出来ていた。

どれだけ強い力で掴んでたんだよ!!


「俺にも見せてくれよー」


チャラ男はひょい、とベッドから降りてパソコンの方へ。

わーオレのパソコンちゃん大人気ー。


「うわっ、やば!これマジもん?」


「だと僕は思ってる、てかマジの方がいい!」


「流石に本物はまずくないですか?」


「……凄い」


「僕でもできるけどねこれくらい」


なんだよお前ら…。

確認したいがそこまで行く気力がない。


「ったく…仕方ねえ」


ヤンキーがため息をつき、頭を抱える。

おや。こいつ意外と…?

オレはパソコンの方へ向かうヤンキーを見て止めることを期待した。


「おいコラお前ら」


「なに?お兄」


「俺にも見せろ」


「うっす」


ええええええええええええええ絵エエエエエエEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE



ヤンキーが混じり、6人でパソコンを見られる。

やめて!!!羞恥プレイよくないね!!

そして放置プレイまでかまされてるわ!!!


あ、でもあいつらが見てるものがやばくないものかもしれない!

さっきはたまたまエロ画像だったが、今度はニュースとかまともなもの見てるはずだ…!!


銀「あの…」


「これ保存しようぜー」


「勝手にしていいのか?」


「いいだろ」


何勝手に保存しようとしてんの?!?!

それオレのパソコンだよ!!

所有権オレにあるんですがそれは。


銀「おい!!通報するぞ!!」


いい加減放置プレイに飽きたのでオレは大声を出す。

6人はようやくパソコンからオレに視線を変えた。


「ごめんマジで君のこと忘れてた」


少女がまったく申し訳ないと思っていない表情で言う。

この子表情動かないな…。


銀「はぁ…まあいい。で、お前らは悪魔憑きだよな。随分と好色な悪魔どもが憑いたんだな…」


「好色なのは僕だけだよ」


銀「いや、少女お前が確かにきっかけではあったけど」


よくよく考えたら通報って意味ないんだよな。

この6人はあくまで悪魔に憑かれてるだけ。(オヤジギャグ

本人らの意思ではないのだ。


銀「お前らがあれか。えーと…七つのなんとかだな。後1人はどうした」


オレはベッドの上で胡座をかき、腕を組む。


「もう来るよ」


そう言って窓を指差すチョーカー。

なんで窓?幽霊?

オレが窓に目をやると。




「こんばんわ」


銀「あ、あれ??お前……薫?!」




まさかの薫が窓から入ってきた。

薫はニコッと笑い、手を振る。


銀「え??なんで??」


薫「ごめんなさい、騙すつもりはなかったのよ」


薫は笑顔から申し訳なさそうな顔を一瞬だけ見せ、6人の元へ。

てことは…薫も七つのなんとかなのか…!!

つまり薫も悪魔憑き…。

なんで一番近くにいたのに気がつかなかったのか、改めて自分の無力さに腹が立つ。

薫は苦しんでいたかもしれないのに…!


ダメだ、悪魔に弱みを見せてはいけない!

オレは自分の頬をぱしんと叩き、気を引き締める。

目の前にいる7人の悪魔憑き。

しかも、どの悪魔も強い。

かなり有名な悪魔が憑いてるとみた。


銀「まさか悪魔憑きからエクソシストに近づいて来るとはな…」


「別に君なんて怖くないからね」


チョーカーがオレを見下すように嘲笑する。

こいつ、こんなやつだったのか。

随分偉そうだな。

リーダーとか呼ばれてたのはこっちの方か?


銀「お前ら…」


何の用だ、と言おうとすると、着信音が部屋に響く。

ずっと持ってたオレのスマホからだった。


銀「はい?」


誰からの電話か確認することなく電話に出る。


輪廻『もしもし、銀か?!』


姉貴からだった。

何かに焦ってるみたいだ。


銀「おう姉貴。今目の前に悪魔憑きが7人いるんですわ」


輪廻『うっわ、手遅れか!』


手遅れ?

待ってよ姉ちゃんどういうことさね。


輪廻『"七つの大罪"…もう来おったんか!しかも全員!!』


銀「ほ?」


輪廻『うち今朝言うたやろ!ん?今朝?昨日?あーもうようわからんけど、とにかく言うたで!


"七罪士"に気をつけろ


って!!

そいつらはきっと今銀の目の前におる奴らや!!』


銀「」


うん、あのね。

話が急展開すぎるよね。

いやね、だってそれ言われたの21時間ぐらい前ですよ。

しかもその"ななざいし"についての説明も一切されないまま、目の前にいるこいつらがそれ?


輪廻『とりあえずな、銀』


銀「はい」


輪廻『今すぐ逃げろ、せやないと死ぬで』


はい????????

オレ死亡フラグ立ってんの???


目の前の7人は退屈なのか、思い思いに好きなことをしている。

大体スマホしてる。

器用な悪魔どもだな。

あとは菓子食ってたり壁にもたれて寝てたり。

てか寝てるあのバス男余裕すぎかよ。


パソコンはつけっぱだった。

あ、そう言う意味ではオレ一度死んだわ。

精神的に死んだわ。


あひー。


しかし、今なら逃げるチャンスである。

しかし、逃げるったって何処に?

麗の家しかないか。

あいつ確か一人暮らしだったはずだし、ちょうどいい。

奴らは扉側、オレは窓が近い。

ベッドからゆっくり立ち上がる。


「あ、君」


銀「なっ…んだよ」


チョーカーに急に呼び止められ、思わず身体をビクつかせる。


「逃げたら死ぬよ」


スマホで遊びながらも、視線をオレの方に向けながら冷たく言うチョーカー。

シトリンの目と目が合う。

思わずオレの体は固まった。


なんだよ!逃げても逃げなくても死ぬって!!!

あ、オレ今日が命日か。

今まで色んなことあったなぁ。


いや諦めたくないわ!!

なんとか生きたいわ!!


銀「あー、もしもし姉貴?」


輪廻『何や?逃げ切れたか?』


銀「いや、逃げたら死ぬって言われた」


輪廻『悪魔は脅すからな…どないしよか』


おや珍しい。

いつもの姉貴なら「たかが脅し、今すぐ逃げろ」とか言いそうなのに。

どうやらこいつらは、本気でやばい奴ららしい。

まぁそうだな、人の家のパソコン盗み見(まぁ堂々と見てたから盗み見じゃないか)して恥をかかせるような連中だし。

薫(と呼んでいいかわからんけど)に見られてなくてよかったわ。


輪廻『銀、この世にはびこる悪魔の名前は全員わかるか?』


銀「だ…大体は」


悪魔の名前を覚えることは、エクソシストとしての最初の勉強。

算数でいうなら足し算引き算だ。

それぐらいはオレにもわかる。

覚えるのに15年かかったけど。


輪廻『よし、せやったらそいつらの名前を当てるんや』


銀「」


いきなりっすかお姉様。

悪魔の名前を当てることは最大の攻撃、所謂クリティカルダメージだ。

エクソシストは悪魔の名前を当てることにより悪魔を倒す。

でももちろん、悪魔の姿が出てこない限り名前はわからない。

だから神器で攻撃し、出て来たところを名前を当てて封印すんのがオレらエクソシストの仕事。


っつってもかなり高度なエクソシストなら姿を見なくてもわかるらしい。

例えばオレの両親なんかは界隈ではかなり高度なエクソシスト。

なんかすげえ強い悪魔共の正体を見破り、封印したとかなんとか。

まあこれは姉貴から聞いたのであって、オレが生まれる前の話だからよくわかんねえけど。


ちなみに封印された悪魔は魔界に帰り、人間界へ出て来ることはないらしい。


…っと、なんか思考が逸れちまったな。

この七体の悪魔の名前を当てろだぁ?

おいおい姉さんよ、無茶言いなさんなよ。

恐らく姉貴は、真っ向から戦っても勝ち目はないからさっさと名前当てて弱らせろと言いたいんだろう。

でもね!!こちとら弱い悪魔でさえ相手にしたことないんだよ!!

それがいきなりめっちゃ強いのを七体も相手にしろと?!無理無理無理無理カタツムリ!!


しかしいつまでもこの状態ではいられない。

仕方ない、ブラフかけてみるか…。


銀「ふっ、ふふふ…」


7人『??』


いきなり笑い出したオレに、7人が訝しげにオレを見る。

オレは余裕の笑みで、パソコンのある机に向かう。


銀「お前ら、かなり強いんだってな」


「…まぁね」


バス男が呟く。

オレは机の引き出しを背に、机にもたれかかる。


銀「オレを殺しに来たか」


「うーん…どうだろうなぁ」


チャラ男がいつものヘラヘラとした表情ではなく、オレを睨むように見ながら答える。

すぅ、と静かに引き出しを開ける。

まだバレていない。


銀「いやぁ、オレまだ死にたくないんだよなぁ」


引き出しの中にある、目的のものに手が触れる。

オレはそれをすかさず取り、


銀「だから」


それの蓋を開け、


銀「やっぱ逃げるわ!!!」


悪魔たちに中身をひっかける。


7人『!!』


ばしゃぁっ


7人『ーーーーっっ!!』


銀「よしっ!成功!」


オレはクリスタルで出来た小瓶を手にガッツポーズをする。

今オレがこいつらにかけたのは、聖水だ。

悪魔にかければ火傷を負うが、悪魔憑きにかければしばらくその悪魔憑きは麻痺して動けなくなる。


こいつらが麻痺してる隙に…!!


逃げようとした時。



「ぐっ…あ゛づっ…!!」



銀「え?」



「このガキいぃっ…、よくも!!」


「殺してやるっ…ぐうぅっ…」



なんで。



「やってくれたな、クソッタレがぁ…!!」


「絶対許さないっ…う゛ぐっ…」



こいつら。



「はあ゛っ、はっ…熱いっ…」


「優しくしてやったら、調子に乗りやがって…っ!!」


火傷してるんだ?




7人の服の所々はボロボロになり、腕や頬や腹が溶け、肉片がぼたぼたと床に落ち中身が見える。


そんなバカな。

こいつら、悪魔憑きじゃなくて…。




悪魔そのもの?!




「嬲り殺してやる、クソガキ…!」


チョーカー男がギリ、と歯を食いしばる。

そいつの犬歯は、悪魔のように鋭く尖っていた。


銀「てめえら…!」


間違いない、本物の悪魔だ。

悪魔憑きなんてもんじゃない、これはマズイ!!

オレは窓から飛び降り、そのまま逃げる。


銀(巫山戯んなよ!!なんで、どういうことだ?!)


ありえない。

悪魔はエクソシスト以外には誰にも見えないはずだ。

それなのに、あいつらは麗に見えていた。

いや、他の人々にもだ。

薫だって今まで店の従業員や客とかにずーっと見えていたんだから。


意味がわからない。


オレは足を止める。

疲れたからではない、試すためだ。


銀(もしかしたら硫酸をかけたからあーなったのかもしれねえしな)


あの聖水は姉貴に貰ったものだ。

あの姉ならマジで硫酸渡しかねない。

そしてそうだったらオレは犯罪者ですね。

牙に見えたのも、もしかしたら八重歯だったのかもしれんし。


だから、試す。

オレは何もない空間に右手を伸ばす。


銀「レーヴァテイン」


オレが呟くと、オレの足元に輝く魔法陣が開かれる。

オレの名前と同じ、銀色の魔法陣。

そして、魔法陣が消えると同時にオレの右手にはレーヴァテインが握られる。


銀(これであいつらが悪魔かどうか試してやる)


ちゃき、とレーヴァテインを構える。

実戦で使ったことは一度もないが、やるしかない。

いくらオレに実力が無くても、ほっとくわけにはいかないんだ。


しかし、なかなか来ない。

誰一人としてだ。


銀(??)


なんでやねん。

nande ya nen.


まさかあの聖水という名の硫酸で焼け死んだんじゃ…。

やべーーオレ大量殺人犯じゃん!!

しかもあんなぐちゃぐちゃになった死体が7つもオレの部屋にあんのかよ?!

ウチの家が曰く付きの家になる!!


そし警察に捕まり死刑囚になったオレが死刑執行当日になり、遺族からの手紙を読んでいたオレに「最期になにか食いたいものはねえか」と看守が話しかけて来て「看守さん…オレ、最期にもみじ饅頭が喰いたいな…」と呟き「ちょっと待ってな」と言って看守がどっか行き、帰ってきた看守の手にはもみじ饅頭と緑茶が…そしてオレは泣きながらそれを食う…。


銀(人生儚い)


諦め掛けたその時!!


「死ね」


銀「!!!」


背後からする声に殺気を感じ、飛び跳ね避ける。


ドゴオオオッッ


銀「は?!やばっ!!」


オレが殺気までいた場所に大穴が空いた。

コンクリートの道路が…!!

道路交通法違反!!器物損壊罪!!

全部適当に言った!!


銀「てか、やっぱ生きてたな!」


正直安心したわ!!

いやでも安心出来ねえ!!

オレが死ぬかもしれねえし!!


「ぶっ殺してやる!!」


また、別方角からの攻撃。

オレは察知して避ける、轟音と同時に大木が倒れた。


銀「おぉぅ?!」


こんなんくらったら間違いなく死んでる!!

オレ戦闘能力ないのに!!

レーヴァテイン使う隙がねええええ!!!



やはり高度な悪魔だからなのか、火傷はほとんど治っている。

いやまだ悪魔と断定してはならない。

レーヴァテインを使ってみなければわからない。


神器は人を攻撃することは出来ない。

悪魔を攻撃するためのものなんだから。

これを悪魔憑きに振れば、中の悪魔に攻撃が行く。

憑かれてる人間は無傷。


もしこれを振ってこいつらに攻撃が行けば悪魔、いかなければ悪魔憑き。


銀「ヤケクソだちくしょーー!!」


ぶぉん、とレーヴァテインを振るう。

その(とき)、複数の刃の風が奴らに襲う。

レーヴァテインはありがたいことに全体攻撃だ。

周りの建造物は一切の無傷。

しかし7人はどうだろうか…!?


「ぐっ…!!」


「い゛だあぁっ…!」


「っぐぁ!」


効いた!!

やっぱり、こいつら悪魔か!!


ぶしゅぶしゅ、と複数の裂傷を負った7人の身体から血が吹き出る。

ズタズタに裂かれた四肢では、攻撃も出来まい。


銀「てめえら、何もんだ…」


レーヴァテインを構えながら7人に近づく。

あの一撃がデカすぎたようで、聖力を使い果たした気がする。

神器を使う為には、聖力を必要とする。

使った分の聖力で神器の強さが変わる。

しかしオレは聖力を全くコントロール出来ないので一撃ですげぇ使ってしまったのだ。


「雑魚だと思ってたら…」


チョーカー男が吐き捨てるように言う。

奴の血が、ぶらさげた逆十字の紫の石へ流れる。


銀「7つのなんとか…。お前らの目的は何なんだ、何故オレを狙う?」


正直、恐怖と聖力使いすぎて膝ガックガクだがなんとか自分を奮い立たせる。

相手は高度な悪魔、弱みを見せたら一瞬で死ぬ。


ちら、と薫…と呼んでいた元親友を見る。

彼女は痛そうに、そして恨めしそうにオレを見ていた。

すっ、と目を逸らす。

確かに、オレは親友だと呼んでいた存在に躊躇無く攻撃した。

しかし、悪魔相手に何もしないわけにはいかなかったのだ。

こんな悪魔を今まで放置していたと思うと恐ろしい。

その間、何人も殺されてるかもしれなかったのに。


銀「答えろ!7つのなんとか!」


オレはレーヴァテインを奴らに向ける。

まあ、向けたところで使えないけど。


「あーあ、飽きた」


銀「は?」


チョーカー男がすっ、と立ち上がる。

飽きたって、それ言える立場か?


「ったく、Aもなに考えてるんだか」


「ま、遊ぶのはここまでですね」


チョーカー男とメガネが余裕綽々と話している。

なに?なんなん?

ていうか今、Aって…。


薫「ねぇ、銀」


銀「なっ…んだよ」


いきなり話しかけられてビビる。

なんか、こいつらさっきと雰囲気が違う。


薫「ごめんなさいね」


銀「え?」


何を謝ったのだろう。

今までオレたちを騙してたことだろうか。

そう思ったのもつかの間、薫が答えを言った。


薫「やられたふりって、案外楽しかったけどやっぱり飽きるわ」


銀「は?」


やられたふり?どういうことやねん。

それを聞こうとしたら。


銀「え゛」



こ の 悪 魔 た ち 傷 治 っ て る。



銀「は、え、えぇええ?!何それ?!何で治ってんの?!?!イミフ!!!チート?!?!」


しかも完治かよ!!


彼らは最初から傷を負っていないかの如く余裕の表情をしていた。

しかし、服はボロボロである。


「Aに試してこいって言われて来たはいいが、こんなもんかよ」


「まぁ、ある意味期待通りだよなー」


ヤンキーとチャラ男が明らかにオレをバカにしてくる物言いをする。

しねばいいのに。


銀「てめぇら、もう一発…」


「およ?もう君は使えないんじゃないのかい?聖力全部使ったんでしょ?」


うるせえ少女!!

お前まで挑発して来るような言い方してきやがって!

流石ヤンキーと義兄妹(きょうだい)だなおい!


「てかさぁ…帰りたいんだけど」


バス男が怠そうに言う。

俺も疲れたよ、帰りたいよ!

でも気になる問題すげーあるよ!?


銀「おいおい待てコラてめぇら帰さねえぞうちに来い」


「えっ、送り狼…」


「アホか、用途からおかしいだろ」


ヤンキーが少女にげんこつを食らわせる。

そろそろなんか言われるぞ、大人たちに。


「俺が言った帰る、ってそっちの家に行く、ってことだけど」


バス男が当たり前のように言う。

なんなの?オレとお前家族なの?結婚したの??

ナチュラルナンパなの??


薫「じゃ、帰りましょうよ銀」


薫さん、あんたも普通に言うてるけどオレにいろいろ言うことあるじゃん??じゃん???


「なにぼーっと突っ立ってんの?君が先行ってくれないと僕ら行けないんだから…僕を困らせるな」


黙れチョーカー男。


銀「はぁ、まぁ…仕方ねえ。ついてこい」


オレはため息をついて帰路に着く。

途中、破壊されたはずの道路と大木が破壊される前に戻っているのを見た。

どうなってんだ、全部夢なのか?

わけわからんらんらんるー。


「美味しそうだなぁ…」


俺の背後からメガネが意味深なことを言うが聞こえないふりをした。




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


銀「ただいま我が家」


ここは高岡家の玄関前。

オレは大変なことに気がついた。


銀(家入れねえwwww)


そうです、オレは窓から家を出たので、玄関は鍵がかかっているのです。

窓から入ればいいと思う方もおられるかもしれませんが、うちの部屋は二階。

運動神経あんまりないオレは登ることすら出来ません。

降りることは出来たけどな、命がけだったし。


「入らないの?」


銀「入れないの!」


チョーカー男の疑問に丁寧に答えたオレ。

さあどうしましょう。


「こうすりゃいいだろ」


バカアァンッッ!!


ヤンキーがうちの家の扉を蹴り飛ばした。

扉は吹っ飛んだ。


銀「おいいいいいい!!!!????何してくれてんだよおおおお?!?!?!」


「あ?入れねえっつってただろ」


「あははははははははは!!」


銀「いろいろおかしい!!何笑ってんだよチャラ男おぉ!!」


「あは…え?ち、チャラ男って俺のことか?」


ウチの築12年ローン16年の家があああああ!!!!親父が帰ってきたら発狂するううううう!!!

修理代すげえかかるのにいいいい!!!


「まあいいじゃないですか、それより入りましょうよ、お腹空いたんで」


メガネお前よくねえよ!!!

玄関なくなったよ?!?!


7人は何事もなかったかのように我が物顔で人様の家に入る。

え?こいつら常識欠如してんの?

…と思ったが、そうだこいつら悪魔だったわ。

人間様の常識なんて通用しねえわ。


…しかしこいつら、悪魔にしちゃあえらい人間に近い姿してるな。

最近の悪魔は人間に化けることさえ学んだか、まぁこいつらかなり高度な悪魔って聞いたしな…。


銀「なんか喉渇いたな…」


冷蔵庫を開ける。

食うものも飲むものも、文字通り何もなかった。


銀「メガネえぇ!!!」


「え、僕ですか?」


銀「お前かこれええええ!!!」


「あの、近所迷惑になるんで大声出すのやめてもらえますか?」


銀「誰のせいだよ!!!」


調味料さえないってどういうことだよ!!

カレーのルーとかもないよ!!

代わりに食べ散らかされたゴミなら冷蔵庫の周りにすげーあるけどね!!

あの時せめてこれ片付けてからうちの部屋来いよ!!!


銀「太れバカ!!」


「ごめんなさいね、全く太らない体質で」


嫌味かこのメガネ!!

しねばいいよ!!


銀「って言うか!!お前らせめて名乗れよ!!どうせオレみたいな弱小エクソシストに名前名乗るくらいどうってことねえだろ?!」


じゃないと一生あだ名で呼び続けてやる。

どうやら、オレの聖力は思った以上に無いらしい。

なら、オレが悪魔の名前呼んだって攻撃の足しにもなりゃしないだろう。

薫は…うーん、薫じゃなかったし…なんて呼ぼうかな…。

悪魔を人間の名前で呼ぶのはなんかやだ。

世話焼きでいいか。

今までそうだったし。作ってたのかもしれないけどな。


「ああ、名前ね…いいよ」


チョーカー男が余裕そうに言う。

やっぱ名前呼ばれても動じないってか。


「七つの大罪は知ってるよね」


銀「ああ、知ってる」


まぁ、数時間前に知ったばっかりだけどね。


「僕らが背負った七つの大罪。それらが僕ら」


七つの…なんとか。

なんか難しそうなの七個言われたな…。


「ってことを前提に自己紹介するよ」


ガタ、と机に足を組んで座るチョーカー男。

椅子に座れや。


「僕はリーダー、傲慢。

…まぁ、よろしくしてあげるよ」


偉そうにオレを見下しながら言うチョーカー男…もとい、傲慢。

名前の通りじゃねえかよ。


「僕は色欲。よろしくねん」


お遊びでびしっ、と敬礼をし無表情に明るく言う少女、色欲。

だからオレを犯そうとしたのか。


「俺は憤怒ー」


チャラ男…憤怒がヘラヘラしながら手を振る。

全然そうは見えないのにな。


「強欲」


ヤンキー…強欲が相変わらず眉間にシワを寄せたまま腕を組み自己紹介をする。

あー、だからUFOキャッチャーんとき全部取ったのか…。


「どうも、暴食(ぼうじき)です」


メガネを左手でかちゃりと直しながら、右手にはリンゴを持ってる。

だからか、このメガネ…暴食がなんでも食うのは。まったく太ってないのがウザい。


「…怠惰」


バス男…怠惰が壁にもたれかかり、怠そうにあくびをしながら自己紹介をする。

眠いなら寝てろし。


「で、私が嫉妬。一番最後に七つの大罪(ここ)に入ったの」


薫…もとい世話焼き…もとい嫉妬が自分を指差しながら言った。

そういやいつもカップル見てリア充死ねって言ってたなお前。


銀「あー…オレは高岡 銀だ。だが、よろしくはしねえぞ、悪魔」


色欲「ふえ?なんで?」


色欲が小首をかしげる。

いや、当たり前でしょうがお嬢さん。


銀「お前ら、悪魔。オレ、エクソシスト。敵同士、OK?」


よろしくするってことお知り合いになるってことだよ!!多分ね!!


傲慢「いや、よろしくしないとかなんとかじゃなくて、Aから聞いてないの?」


銀「何を?」


暴食「聞いてませんねこの様子だと」


銀「だから何をだよ!!」


Aがなんか言ってたの?!

正直オレAの話まともに聞いてなかったからわからん!!



嫉妬「あのね銀。私たち今日からあなたと住むことになったの」


銀「」



何を言ってるの?この子は。

いや、思い出す限りでもAがそんなこと言ってた記憶ないぞ?


銀「おいぃいい意味わからんよ?!何それ?!言ってなかったよあいつ!!」


嫉妬「そうなの?そういうことなのよ」


銀「展開がいきなりだなおい!」


なんなの?!

いきなりうちの家はシェアハウスになるの?!


銀「むりむりむりむりだめだめー!!第一ウチの家族がそれを許さねえよ!!」


傲慢「君の家族?ああ、なんか良いって言ってたよ」


銀「適当なこと言いやがった!!」


意味がわからん展開過ぎる!!

どうする?!どうすんのよこれ?!

続きはWEBで!!


強欲「うるせぇなぁグダグダと。俺が住むっつったら住むんだよ!!」


銀「ぐわーオレの家までものにしようとしてやがるこいつ!!」


傲慢「それに、せっかく僕が住んでやるって言ってんだから拒否させるわけないだろ?」


銀「う、うざい!」


好き勝手言いやがって!!


色欲「まあいいじゃん。どうせ暫く家族帰って来ないんでしょー?」


銀「そうだけ…いやいや!!」


憤怒「落ち着けってー」


銀「これが落ち着いてられっか!!」


憤怒「そうおこんなよー」


悪魔とエクソシストが一緒に住むってありえるか?!

ここ十字架とかあるんだよ?!

どうせこいつらには効かないだろうけど!!

てか効いてないからこうして普通にしてんだろうけど!!


暴食「あ、じゃあこうしません?」


銀「な、なんだよ…」


暴食「僕らは衣食住がないと生きていけません。もし、ここに住ませて貰えないなら僕らは善良な市民たちを襲います」


銀「なっ?!」


暴食「追い剥ぎとか、窃盗とか強盗とか、最悪市民たちを食い殺すとか、犯すとか…色々犯罪起こしますよ」


強欲「おーそりゃあいいじゃねぇか。どうせ悪魔は人間の攻撃じゃ死なねえんだ、好き勝手やらせてもらう。それに、この街にはお前しかいねえんだろ、悪魔祓いは」


あ、悪魔…!!


憤怒「悪魔の仕業なんて、誰もわかんねえだろ。どんな高度なエクソシストでもな」


どっから来るのその自信?!

喉から?鼻から??


色欲「この街の平和は君の手にかかっているぞ、銀ちゃん!!」


戦隊ものの博士みたいなこと言うな!!


怠惰「……で、どうすんの」


銀「ううう〜…」


なんでオレが悪魔を養わねえとならねえんだよ…!!

でも、ほっといたら街の人たちが襲われるし!


嫉妬「あ、じゃ逆に、もし住まわせてくれたらいろいろ家事とか手伝うわよ!料理とか嫌いでしょ銀?ちゃんとバイトとかしてお金も入れるし!」


銀「むっ…」


むう。

それはなかなか良い案だ…。

いやいや、悪魔の甘言に惑わされちゃいけないっ!!


傲慢「あれなら、君の仕事助けてやってもいいよ。悪魔祓いの」


銀「え゛っ?!」


なんたるちあ。

そういやこの街にゃ他の悪魔もいるんだった…。

でもそれって…。


銀「でも他の悪魔仲間じゃねえのか?いいのかよ」


傲慢「別に?僕は一番強いのが僕だってこと教えてやれるなら気にしない」


なんて奴だ…。

こう言うところも悪魔なんだろな。

うーん…。


確かに、オレは一人では絶対に悪魔祓いは出来ない。

しかし、この街には今はオレしか悪魔祓いはいない。

悪魔憑きをもし見つけたら、放置は出来ない…。


銀(オレはこいつらに…悪魔に頼るしかないのか?!)


しかも七つのなんとかってなんか悪いやつだろ?

すっといたら影響されるんじゃ…。


憤怒「安心しなー。俺らが能力使わない限り外部にはなんの影響も無えよ。あの時は能力使ったからお前が壊れただけー」


銀「え、あ、そうなのか?」


うーーーーーーーん…。

うーーーーーーーーーーーん…。


色欲「どうするんだい?銀ちゃん」


銀「…条件は?」


色欲「ほよ?」


強欲「条件?」


そう。

これは即ち、悪魔の契約と言うやつだろう。

何かしてやるから魂をよこせ…みたいな。


家に住まわす=家事やバイトする


というのなら、悪魔祓いの手伝いに対する条件はなんだ?

悪魔が悪魔祓いの手伝いなんて、かなりの対価を求めて来るはず。

やっぱ、魂だろうか。


傲慢「いや、だからそれが住まわせてくれるってことなんだけど」


銀「それは家事とかバイトするって話だったろ?だから…」


傲慢「いやいや、だから住ませてくれるなら家事もバイトも手伝いもするよって、そう言ってんだけど」


えっ、そうなの?

そんな簡単な対価…。


銀「本当か〜?」


憤怒「おっ、疑うなぁー。本当だよ、嘘じゃ無い。俺らちゃんとここ来る前に話し合ったもん」


そんな悪魔いるのか…。

高度な悪魔はそれなりに人間のこと考えてんのな。


暴食「どうしても信じられないならAにでも聞きなさい」


暴食がいよいよ六個目のリンゴに手を付ける。

芯ごと食ってるのがまた…。

てか今更だけどそのリンゴどこで手に入れたんだろうか。


嫉妬「シンクの下の戸棚にあるダンボールの中にいっぱいあったわよ」


心を読むなよ嫉妬!!

え、そんな能力あったのお前?

しかもいつの間にそんなにリンゴあったのうちの家?!


話逸れた。


しかし、こいつらやっぱAと繋がりがあるのか…。

神と悪魔がねぇ…。


銀「本当に、本当に住ませるだけでいいんだな!?」


七人『いい!!』


銀「嘘じゃ無いな!?」


七人『嘘じゃ無い!!!』


銀「わーったよしゃーねぇ!」


オレは指を鳴らす。

鳴らなかった。


七人『よっしゃ!』


七人は指を鳴らす。

誰一人鳴らなかった。


八人『……………』


これからオレと七つのなんとかとの変な日常が始まる…。


銀「あ、嘘ついたら聖水飲ますから」


傲慢「内部から焼くのか…嫌だなあ。まあ僕の顔に傷がつかないならマシかな」


銀「あとぶっかけ」


色欲「ぶっかけ?!」ガタッ


強欲「反応すんな」


銀「ところでお前ら今までどう生活してたの?」


嫉妬「みんなで教会に住んでたの」


銀「悪魔なのに?!」


嫉妬「ちょっと特殊な教会よ。まあまたおいおい話すわ」






第三話 完



次回予告!!


麗「ちょっとあんたら!!」


銀「なっ、なんだよ?!」


麗「今回アタシの出番ないんだけどどういうことよ!?」


ーーー怒れるヒロイン


憤怒「怒りの制御なら任せろ!」


色欲「死ぬな!!」


ーーーそして、失われる命


A「どうして…みんな争うんだ…」


ーーー神の流した涙は、誰の為


次回、「麗、怒りの鉄拳」




※多分嘘です

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