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黙々・恋姫†無双  作者: TAPEt
黙々
36/54

拠点フェイズ5 紗江黙

前回に一緒にあげるべきだったのに忘れてしまいました。

「一刀は私のものよ。そこはきっちりしておくわ」


――もの扱いするのは少し引っかかりますけど、せいぜい僕が一刀ちゃんを守ることに邪魔を入れないでもらいたいですね。


「あなたこそ、下手ことして一刀を混乱させたらその首を刎ねてあげるわ」


――華琳さまこそ、一刀ちゃんを悲しむようなことがあれば許しませんので、その覚悟はしていてください。


「ふふふふ」


――うふふふ……






という話もありましたね。



<pf>


すー


すー



「ほら、終わった。どうだ?」

「……」

「…仲達?」


はへっ?


「は、はひっ!?」

「大丈夫か?」

「あ、はい」


夏侯淵さんに髪を梳かしてもらっていたら、つい眠気に誘われてしまいました。

人に髪を撫でられるのって気持ちいいものですね。


「あはっ、ありがとうございます。すごくキレイです」

「…元がいいからな。これからは自分でできるようにしてくれ」

「はい、頑張ります」


夏侯淵さんに髪を整ってもらったり、服を選んでもらったりしました。

あ、そういえば、この身体の説明がまだでした。


曹操さんぐらいの小柄な少女体型で、外にあまり出歩いたことがない白い肌に細い腕と脚。

髪は死ぬ前にはきっと丁寧に扱われていただろうと思う白いストレートの銀髪。

瞳は黒曜石みたいな輝きのする黒い瞳。

これほどの美しさ、華琳さまがアレほど狙っていただけはあるというものです。


身体を磨くとかはしたことがないのですが、これからどうなるかが少し心配です。


「秋蘭、これならどうだ?」

「ふむ……仲達、ちょっとこれを着てもらえるか?」

「あ、はい」


・・・


・・



「ふむ……」

「あの、どうですか?僕じゃあよくわからないのですが」


着せられたものは他の二人着ているみたいなワンピース(黒いです)ベースに青い布で裾や末のところに色々と飾ってる服でした。


「…いや、ダメだ」

「ダメですか?」

「…姉者、これでいいだろ?今更もったいないというのか?」

「だ、だって秋蘭…」



「あの…」

「ああ、大丈夫だ。元は華琳さまのために姉者が選んでおいた服なんだが、お前にあまり似合いすぎるから嫉妬しているだけだ」

「しゅ、秋蘭!」

「そうなのですか?」

「ああ」


何だか夏侯惇さんの顔が僕に凄く不満みたいです。

やっぱ、華琳さまのために用意した服を私に着させることが気に入らないのでしょうか。


「まあ、姉者。これも華琳さまのためだ。それに、姉者も似合うと思っているだろ」

「ふ、ふん、あんな奴に、華琳さまの服を似合うものか」

「そうか?なら、他の服にしてみるか?」


え?もっと着るのですか?

これは、いつか見た場面を体験するようになる予感……


<pf>



女の人が服選ぶ時ってよくあるですよね。何時間も服を選んで、結局最初に着た服を選ぶ時って…


「何だか、凄く疲れました」

「ふん、この程度で疲れるなどありえない」

「ふふっ、そういう姉者も、途中からは半分盛り上がって仲達に着せようとしたじゃないか」

「しゅ、しゅうらーん」

「……クスッ」

「き、貴様、私を嘲笑っているのか?」


私が夏侯惇さんと夏侯淵さんの話を聞いて笑ったら、案の定夏侯惇さんが怒ります。


「いえ、いえ、そういうわけでは……それとあの……僕のことは、紗江で呼んでもらえるでしょうか」

「いいのか?私たちに真名を譲っても」

「華琳さまにはもう預けていただけましたし、他の皆さんはまだですけど、夏侯淵さんと夏侯惇さんとは、前にも会ったことがありますからね」

「…それは…」

「む?貴様と会ったことなんて会ったっけ」


・・・


「…夏侯惇さん、「少女」のこと、覚えておられなかったのですね」

「?」

「まあ、姉者のことはそっとしておいてくれ」

「はい……」


分かっていました。実は分かっていたのです。


「それで、真名の話だが、本当にいいのか?」

「これから、皆さんと一緒に華琳さまに仕えることになります。古参のお二方に認められなければ、ここにいることが厳しくなってしまいますからね」

「そうか……お前には貸しがあるしな。私の真名を預けよう。私の真名は秋蘭だ」

「よろしくお願いします、秋蘭さん」

「ほら、姉者も」

「むぅ、秋蘭がそういうのなら仕方ないな。私のまなは春蘭だ」

「はい、紗江です。これからよろしくお願いします」


こうして、僕は夏侯姉妹さんと真名を譲り合いました。


<pf>


「あの、それじゃあ僕、ちょっと失礼します」

「ああ、お前の部屋はもう準備できているはずだ」

「いいえ、私室もいいですけど…ちょっと、一刀ちゃんのところに……」


起きていたら、あやまりにいきたいと思います。


「そうか」

「はい、では失礼します」


僕はそう言って部屋を出ようとしましたが、ふと言ってない言葉あることに気付いて振り向けました。


「服ありがとうございます」


そう言って、僕は一刀ちゃんの部屋に向いました。



・・・


・・




「……<<ぶー>>」

「はうぅ………」


これは、

これは思った以上に厳しい状態です。


「もう許してくださいよぅ」

【ヤ】


僕は床で正座。

一刀ちゃんは寝台で療養中。


【あんなに長く居なくなるなんて聞いてないよ、ボク】

「ごめんなさい。でも、そういう暇もなかったのですよ。あの時至急に行っていなかったら、今のところ一刀ちゃんを助けにくるのが遅れてしまってましたから」


干吉がこんなことをするだろうと、太平妖術書をもらう時から予想していました。

干吉が即座で南華老仙に確認しに行って戻ってくるまでの時間。

その時間だと、ボクが体を見つけて、術を完了する時間とちょうどギリギリだったのです。

チャンスは一回、失敗は許されない、僕にとってもこれは持ってるものをオールインした大賭けだったのです。


「なのに、まさか逆に僕がいなかったおかげで、一刀ちゃんが干吉に心の隙を見せるような場面を作ってあげるはめになってしまって……僕思いもしませんでした」

【当たり前じゃない!ボクが…ボクが一人でどんなに苦労したのか分かってる?さっちゃんにまで見捨てられたのかって思ったら、ボク、ボク……<<うるうる>>】

「うわあん、一刀ちゃんごめんなさいー」



そうやって二人で抱き合って泣きました。


・・・


・・



暫くないていたら、ふと思ったのですが、


「人の温もりって、気持ちいいですね。…前には一刀ちゃんと一緒に寝ても、僕には温気を出す身体もないですし、一刀ちゃんの暖かさを感じることもできなかったのに……こうしていると、凄く落ち着くのですね。人の身体っていうのは」


華琳さんや秋蘭さんのこと、ちょっと羨ましかったんですけどね。


「……」【ねぇ、さっちゃん】

「はい?」

【ボクって、どうしてここに来たのだと思う?】


ここに来た理由、ですか…


「大陸の平和のために、じゃないですか?」

【ボクそんなことできないよ】

「あら、できますよ。一刀ちゃんの可愛さと純粋さがあれば、世はきっと幸せになれます」

「……」【ボクは真剣なんだってば】

「僕も真剣に話しているのです。大陸だなんて最初から大きなものを見て圧倒されるからダメなんですよ。先ずは身近な人たちから幸せにしてあげるんです」

【身近な?】

「はい、そして次には、この城にいる人たち、その次にはこの街の人たち。そうやってどんどん範囲を広げていけば、いつかは皆幸せになれるんですよ」

【……そうなの?】

「はい。ああ、だけど、それ以前に先ず、本人が幸せでなければいけないですね。本人が幸せじゃないのに、他の人を幸せにできるはずがないですからね」

「……」


正直、僕は他の人の幸せなんてどうでもいいんですけどね。

でも、他の人が不幸せだと、一刀ちゃんも幸せになれない。だったら、一刀ちゃんが願いが叶えるよう、僕が側で全力でサポートするのです。


「……」【さっちゃん】

「はいー?」

【ありがとう】

「はい」


<pf>


次の日、


「一刀、もう大丈……なっ!?」

「ふみゅう……」

「な、何であなたがそこで寝ているのよ!」

「はへ?」


起きてみたら華琳さんが驚愕した顔でこっちを見ています。

何で……あ


「……<<すーすー>>」

「あ……」


昨日つい、そのまま一緒に寝ちゃいました。

いや、いつも寝る時側にいるのがくせになっちゃいまして。


「あ、あはは…おはようございます、華琳さま」

「あはようございますじゃないわよ。しかも、何で裸なのよ!」

「服を着ているのが何か落ち着かなかったので寝てる間に脱いでしまったようです」

「普通裸の方落ち着かないでしょ!?」


そう言われても、昔は身体に何か着けるとかの区分けがなかったものですから。

服は綺麗ですけど、寝る時にはちょっと寝心地がアレでしたので……


「……?」

「早くそこから離れなさい。この痴女!」

「ちょっ!痴女って何ですか!僕はいつもどおりに一刀ちゃんと一緒に寝ただけです!」

「それはあなたが私の目に見えない時のことでしょ?見えるからには一刀ちゃんの側でそんなことさせないわ!」

「そんなことって何を考えてるのか知りませんけど、僕と一刀ちゃんはそんな不健全な関係じゃありませんから」

「あなたのその格好が不健全って言っているのよ!」

「そんな目で見る華琳さまが不健全なんです!」

「どう考えてもそうとしか見えないでしょ!?」


そんなこと言ってるうちに、一刀ちゃんがまだ半分寝ている状態で部屋を出て行ったことに二人とも気付かず、後で一刀ちゃんの様子を見に来た他の皆さんにやめされるまでこの口喧嘩は続きました。

ちなみに一刀ちゃんはその間一刀ちゃんは普通に朝御飯食べて、いつもの日課(街周り)に戻っていました。


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