十黙
当時ひたすら拠点を書いていたら、さっちゃんどこ行った?早く帰って来いとの話が多かったので、途中で拠点を切ってさっちゃんを再登場させました。
それが、こちらとなります
………あの、
あの、見えてますか?
……その、ほんごうかずとっていいます。いつも世話になっています。
……と言いなさいって、ここに書いてあるよ。
ここからはボクが好きに言ってもいいんだよね…うん。
ダメだと言っても無駄だからね。意地にでも言うんだからね。
さっちゃんがいなくなってもう一ヶ月ぐらい経ったよ。
最初は一人考えしていても、誰も相手してくれないのが辛くて…特に夜に寝る時に、誰もいないと思ったらそれが我慢できないほど辛くて……もう大丈夫だと思ってたのに、一週間ぐらい過ぎたらちゃんと寝る日がなくて、結局お姉ちゃんたちの部屋を回りながら寝るようになったよ。
部屋に黙って入られるときは大丈夫だったのに、部屋の前に行って夜にドアを叩くのって、ちょっと恥かしくて……でも、あまり一人で我慢ばかりしてると華琳お姉ちゃんや秋蘭お姉ちゃんにバレちゃうかも知れないから……。
「……」
さっちゃん、早く帰ってきて。
それとも、もう帰ってこないの?
もうボクのこと……
さっちゃんもボクのこと……
見捨てちゃうの?
<pf>
今日、何だか城が騒がしいよ。
さっちゃん何かしらな………
「………」
…んもう…
「あ、一刀君」
「…!」『流琉お姉ちゃん』
この前一緒にいるようになった、季衣お姉ちゃんの友たちの流琉お姉ちゃんだよ。季衣お姉ちゃんと一緒に華琳お姉ちゃんの護衛をするようになったんだ。
この前お店で季衣お姉ちゃんと戦う時はビックリするほど怖かったんだけど、実は料理がとても上手で、やさしいお姉ちゃんだよ。
「こんなところで何してるの?」
「……」『流琉お姉ちゃん、今華琳お姉ちゃん何してるか知ってる?』
「今私も華琳さまに呼ばれて行ってる途中だよ。一刀ちゃんは行かないの?」
「……」
何か難しい話しそうだからちょっと嫌だけど、…何だか行かないとダメな気がするよ。
「(こくっ)」
「うん、じゃあ、行こう」
「(こくっ)」
ボクは流琉お姉ちゃんと手繋いで一緒に御殿に行ったよ。
・・・
・・
・
『流琉お姉ちゃん、どうなってるの?』
「えっ?ええと、その……私に聞かれても……ごめん、よく分からない」
えっと、途中で色々話があったよ。
金色の武装をしている人たちが華琳お姉ちゃんと話をして、よく分からないけど華琳お姉ちゃんはそれを引き受けたよ。
……よくわからない説明でごめんなさい(ぺこり)
「?北郷、何急に頭を下げてるんだ?」
「!」『ちょ、ちょっと服に毛羽が立ってて……』
「そうか……それより、今の話、分かってるか?」
「……」
「だろうな。いいか?」
秋蘭お姉ちゃんのその安心したかのような笑顔が、すごく秋蘭お姉ちゃんらしいけど心の隅が痛いのは何故だろう。
「黄巾党が私たちに討伐された後、しばらく平和が訪れたのは良いものの、朝廷…この国の重心のなる場所ではまた権力争いが始まったんだ」
「(こくっ)」
前に華琳お姉ちゃんが言ってたよ。
この国の皇帝(王さまよりも上っていうけど、王さまより上だったら大王じゃないの?)の側にいる人たちと、『肉屋出身大将軍』(何で肉屋なのに大将軍なの?よくわかんない)と戦っているって。
「そのうち、大将軍の何進が殺されたあと、色々あってから董卓という者が権力を握ったそうだ」
「(こく、こく)」
「それで、今のところはその董卓という者が悪政をしていて都の民たちを苦しめているから、諸侯の全員で董卓を討とうというのが、先いたあの二人の主の話だ」
「……」
つまり、董卓という人がすごく悪い人だから、皆でやっつけようって?
「まあ、大体はそういうところだが、実際にどうなのかはまた別だな」
『…どういうこと?』
「董卓が本当に悪い人なのか、そういう話だ」
「……」『人たちを苦しめてるって言ったじゃない。じゃあ、悪い人だよね?』
「その話自体、本当にそんなことが起きているのかも私たちとしては知らない。それに、その話をしてきた人物の性を考えると……」
「?」
……よくわかんない。
『じゃあ、結局また戦争するの?』
「…ああ、それも、今までのない大きな規模な戦争となるだろう」
戦争……また……
せっかく、最近は戦いがなくなって華琳お姉ちゃんたちが平和に過ごしていたのに。
<pf>
コンコン
「一刀なの?入っていいわよ」
その後、華琳お姉ちゃんの部屋に行ったよ。
がらり
「……(ひょこ)」
「どうしたの?こっちに来なさい」
「……(こくっ)」
ボクは華琳お姉ちゃんが座っているテーブルの反対側に座ったら、ちょうどお茶を飲んでいた華琳お姉ちゃんはボクにもお茶を一杯くれた。
「……<<すーすー>>」
「……」
華琳お姉ちゃんはこっちが話を始めるまで待っている。
お茶を飲みながら目では華琳お姉ちゃんのことをじっと見ていたら、華琳お姉ちゃんもひじをついたままこっちをずっと見ている。
普段ならこんな状況でもいいんだけど、今日は用事があるから。
『また戦争するの?』
「…そうね。黄巾党の乱も終わった頃だし、そろそろまたうるさくなるところだったしね」
そろそろって…何でいつも戦わなきゃいけないの、ここは?
「あなたが思っているほど、いや、あなたがそうであって欲しいほど、この世界は平和でもないし、穏やかでもないわ」
「……」
ボクは華琳お姉ちゃんにそう言われたのがちょっと哀しかったよ。
何で?
戦って何を得られるの?
人が死ぬだけで、得るものは何もない。
分からない。どうしてお姉ちゃんたちがずっと戦わなければならないのか。
だって死ぬかも知れないんだよ。お姉ちゃんたちの中で誰かが死ぬかも知れないって思ったらボク、
「一刀」
「?」
「……今回の戦い、あなたも付いて来なさい」
「……?」
あれ?
…それはもちろん付いて行くつもりはあったけど、華琳お姉ちゃんから誘ってくれるの?
「今回の戦いは私たけではなく、多くの軍は一緒に戦う連合軍よ。あなたをその人たちに紹介するつもりよ」
「……」『何で?』
「…あなたが天の御使いだから、よ」
「……」
ボク、ずっと前から思ってたのだけど
『ボクが天の御使いって言うけど、ボクには何もできないよ?』
「あなた一人ではできなくても、私と他の皆が居るわ。前にも言ったでしょ?あなたは、私が戦に荒れてしまうのを止めてくれるって」
「……」
最初から、戦いなんてしなければいいじゃない。
「そして、あなたには今回戦に行ってみてもらうわ。皆がどんな理想を持って戦いをしているのかをね」
「……」『理想?』
「私の理想は私の覇道。いつか天を手に入れるため。だけど、理想も戦う理由も人それぞれ。今回の連合軍で、あなたはそれを見てきなさい」
「……」
戦う理由。
自分の命を賭けながらもしたいこと。
自分がそれほどの価値を与えていること。
理想……
<pf>
春蘭お姉ちゃんにどうして戦うのかって聞いてみた。
「うん?何で戦うのかって?」
「(こくっ)」
「そんなの華琳さまのために決まっている」
うん、知ってた。それは分かっていたよ。
「どうして急にそんなことを聞くのだ?」
『別に…ちょっと聞いてみたかっただけ』
「相変わらず分からん奴だな。お前は…そういうお前は違うのか?」
「?」『どういうこと?』
「お前は華琳さまのために戦わないかってことだ」
『戦わないし』
「なんだとー!?華琳さまのために戦えないというのか、この不忠者めが!」
『何で9才の子供がそんなことをしなければならないの!?』
というかボクって春蘭お姉ちゃんにどういう認識になってるんだよ。ボク今まで一度も戦ったことなんてないよ?!
「天の御使いだろ!人に見せず移動することもできれば他のこともできるだろ」
『それもう使えないから!というか無茶苦茶でしょ?』
「無茶苦茶なのはお前だろ。華琳さまのためでなければ、お前は何故ここにいるのだ」
ガーン……
「……」
あれ?そういえば、ボク、何でここにいるんだろう。
――そう、ここはあなたみたいな者がいても良い場所ではありません
あ
れ?
バタン
・・・
・・
・
「しゅ、しゅうらああああん!!!」
「むっ?姉者、どうした?また桂花にいじめられたのか?」
「そ、そんなこと一度もおらん!」
「そうか、そうか。じゃあ、これからは「あなたみたいな馬鹿が華琳さまの側にいたら迷惑なのよ。この前も華琳さまが書いてる本に勝手に内容を加えて華琳さまに恥をかかせたでしょ!」と痛いところを突かれて私の部屋に泣きながら尋ねることはないのだな」
「と、当然だ!」
「そうか……で、どうしたのだ?」
「……何?」
「…何か用があってきたのではないのか?」
「おお!そうだった。秋蘭!北郷が……」
「!北郷に何かあったのか?」
<pf>
ガタン!!
「一刀が倒れたってどういうこと!」
「華琳さま」
「一刀!」
「……」
「ダメです。先からひたすら眠っているだけで」
「一体何があったのよ」
「か、華琳さま、実は……」
「何、春蘭?」
「わ、私のせいなのかもしれません」
「何ですって」
「ちょっとあんた、それはどういうことよ!」
「桂花、落ち着いてくれ」
「これが落ち着いていられる状況!?一刀が倒れたのよ?そうじゃなくても最近見る見るうちに虚弱になっていて心配していたのに……まさか、あんた一刀に」
「桂花!」
「!!」
「……春蘭、言って見なさい。一刀と何があったの?」
「わ、私はただ…今日こいつが珍しくも、どうして私が華琳さまのために戦うのかって聞くから、じゃあ、お前は華琳さまのために戦わないのだったらどうしてここにいるのかって言っただけで……」
「……そう、そんなことを言ったのね」
「は、はい」
「つまり、あなたが一刀が私にとって必要ないと思ってそういうことを言ったのね」
「そ、そういうわけでは…!」
「……」
「うぅっ……」
「華琳さま…」
「分かっているわ。…秋蘭、医者は…」
「先帰ったばかりですが、特に体に悪いところはなく、少し気が弱くなってはいますが、気を失ったままこうしているまでではないとのことです」
「どういうことなのよ。じゃあ、特に問題もないのにこんな調子ってこと?」
「……ああ、原因が分からない以上は…」
「そんな……」
<pf>
・・・ここ、どこ?
――北郷一刀殿
?
誰?
――お久しぶりです…おっと、アナタというのはこれで初めてでしたね。
……誰?
もしかして、さっちゃんの友たち?
――友たち、とは少し違いますが、まあ似たようなことをしているものです。
よかった。
ねえ、さっちゃんは今どこにいるの?教えて
――あの方なら、もうこの世界にはいません
……へ?
――あの人はあなたを一人にして、この世界から去ってしまいました。
……嘘
――本当のことです
嘘だよ、そんなの!
さっちゃんがボクをおいて行っちゃうなんて、さっちゃんはそんなこと絶対しない!
――本当にそう信じているのですか?あなたの心の隅には、そうでないかも知れないという感情が芽生えているはずです。でなければ、私がこうしてあなたの心に入ってくるなど不可能なのですから。
……じゃあ、本当にさっちゃん、居なくなったの?
――そう、あの人はあなたを見捨ててしまったのです。あなたのご両親がそうした様に……。そして、いずれは曹操殿は他の皆さんも……
皆そう。
いつもボクをおいて行ってしまう。
――そう、あなたはいつも一人でした。
いつも……一人……
いつも独りぼっち…
いつも…
<pf>
て
てて
てってってっ
城の警備「!おい、止まれ!」
シャキン!
……
城の警備A「ここからは曹操さまの御殿だ。許可をもらってない者は……」
……
城の警備B「おい、聞いているのか?」
通してください。
城の警備B「お前は誰だ。顔を見せろ」
……(すっ)
城の警備B「見知らぬ顔だな」
城の警備A「おい、こいつ結構いい顔じゃないか?」
…?
城の警備A「な、どうしてもここに入りたいのか?」
城の警備B「おい、何をするつもりだお前」
城の警備A「いいだろ?お前も結構溜まってるって言ってたじゃねぇか」
城の警備B「いや、それは…」
!!
城の警備A「おっとー」
!放してください!
城の警備A「そういうなよ。中に入りたいんだろ?俺たちの言うとおりすると、入らせてくれてもいいぜ」
放してください!
「何をしているんだ!」
城の警備A「!」
城の警備B「いっ!楽進さま!?李典さま!于禁さま!」
「貴様ら……、曹操さまの兵たるものがなんということを…!」
城の警備A「ご、誤解です!楽進さま!俺たちはただ……!!」
「しらんぶりしても無駄やで。こっちも全部見てたんやからな」
「その腐ったニンジン以下の根性を土に返してあげるの」
城の警備A「ひ、ひぃっ!」
あ、あの!
「あ、ああ、もう大丈夫だ。早く……って…あなた…!」
「なっ!」
お願いします!城の中に入らせてください!
「いや、そういう問題じゃないやろ!お前さん服はどうしたんや!」
「上にかけた外套の中は真っ裸なの」
僕のことはどうでもいいです!早くしないと一刀ちゃんが……!
「!一刀がどうかしたのか?」
早く僕が行かなければ大変なことになってしまいます。お願いします!
「わ、わかった。こっちに来い!」
「お前ら二人は後で再教育決定なの」
城の警備A,B「は、はい……」
・・・
・・
・