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黙々・恋姫†無双  作者: TAPEt
黙々
23/54

拠点フェイズ4 季衣默

「うっちゃあ…はぁ、やっと帰ってきた」


一刀ちゃんが部屋から出てくる前に長距離遠征に出て最近居なかった季衣さんが、只今お帰りになりました。

一刀ちゃんの話は伝令によって既にしっておられるだろうと思いますが…うん?


「季衣、戻ってきたのか」

「あ、春蘭さま」

「早かったな。先に行ってくれたら迎えにいったのにな…」

「あ、…ごめんなさい、ちょっと忘れちゃってました…ああ、春蘭さま、ボクちょっと一刀ちゃんのところへ行きます」

「うん?ああ、そうか。そういえばお前は見てなかったな」

「はい、一刀ちゃん、大丈夫ですか?」

「ああ、なんというか……大丈夫そうで寧ろ困る?」

「……んえ?」

「い、いやー、何でもない。早く行ってみろ」

「あ、はい」


そして、季衣さんはそのまま一刀ちゃんの部屋へと直線に走って行きました。


<pf>


がらっ!


「一刀ちゃん!」

「!?(びっくり)」


あ、一刀ちゃん、季衣さん帰ってきました。

と、今更言って見ます。


「♪」


本を読んでいた一刀ちゃんは思わぬところで帰ってきた季衣さんですが、嬉しいようにお迎えしました。


ぎゅー


「あはっ、もう大丈夫なの?」

「(コクッ)」『いつ帰ってきた?』

「ちょっと前だよ。先に来るって言ってもよかったけど、一刀ちゃん驚かせてあげようと思って」

『そうなんだ。お帰りなさい』

「うん」


何か、二人ともいつも以上にテンションが高いです。

季衣さんはともかくとして、何で一刀ちゃんは…うん?


『あ、うんとね、季衣お姉ちゃん、ご飯食べた?』

「うん?ううん、今から一刀ちゃんと一緒に行って食べようかなぁって思って」

「♪」


その話を聞いた一刀ちゃんはそのまま季衣さんの手を掴んで我に続けと歩きだしました。


「ああっ、ちょっ、一刀ちゃん?!」

「♪」


がらり


何かすごいテンションで部屋出て行っちゃいましたね、一刀ちゃん。

何かあるんでしょうかね……


<pf>


一方ここは秋蘭さんの部屋なのですが…


「そうか。季衣が帰ってきたのだが。忙しくて迎えにいけなかった」

「うーん……」


話しにきた春蘭さんの顔はなんかしゃんとしませんね。


「?どうした、姉者」

「いや、なんというか…季衣が帰ってきて直ぐに私じゃなくて北郷の奴のところに行くからな……なんというか…」

「…嫉妬してるのか?」

「だ、誰が嫉妬など。ただ子供同士で遊びたいだけなのだろ?」

「なら問題ないな」

「うぅ……」


春蘭さんは口を尖らせました。


「ふふっ、姉者はかわいいな」

「か、からかうな、秋蘭」

「悪い。ところで、他に何かあるのか?」

「ああ。実はこの前…


<pf>


そして、ここは一刀ちゃんと季衣さんです。場所は、城から出て少し離れたところにある森です。

…うん?


「ねえ、一刀ちゃん、そこに何はいってるの?」

「?」『ナイショ』

「ええー、教えてよー」

「……」『うん、後の楽しみにしようとしたのに……じゃあ、ここで見せたげる』


おしえておしえて五月蝿い季衣さんに、仕方ないと一刀ちゃんは持っていたバスケットを開けました。

その中にあるのは、


「わー、何これ、おいしそう」

「……」『サンドイッチ』

「さんどいっちー?初めてみるね。一刀ちゃんのところの料理なの?」

「…(こくっ)」

「おいしいの?」

「……」『味は保証できないよ。色々入ってるから』

「色々?」

「…」『色々』


ああ、そういえば昨日それ作りましたね。季衣さんが来ると思って作ったわけではなく、暇だったら今日皆で食べようと思ったものなのですが…ちょっと遊びみたいにしよ


うと思っていたものなので、ちょっと「変な」のも入れています。外れとったら(僕が)美味しいかなぁって思ってですね。二人で考えて入れました。


大丈夫です。死にません。


「…」『もうちょっと入ったところで食べよう』

「うん、そうしよう」


まあ、いざとなったら僕は「はずれ」ものは取っておきます。

せっかくの楽しく遊んでるのに「アレ」食べたら不味いですし…

それにしてもこの森……結構木が生えてますね。

昼なのに、道に木がたくさんあって光があまり入ってきません。

ここまでだといっそ道近くの木たちは切っておいたほうが良いのではないかと思いますが……まあ、僕が考えても何もできませんね。


・・・


・・




「で、どこに行くの?」

「……」

「…一刀ちゃん?」

「…ぁぇ」【あれ?】



…え、一刀ちゃん?

まさか…


「……(カタカタ」

「一刀ちゃん?」

「……(カタカタ)」


カタブルしながら季衣さんの方に振り向く一刀ちゃん。


…えっと?


『道忘れた』

「ええ!?」


ごめんなさい!僕が悪いです!なんとなく僕が悪いです!


『前はこう、スッて来てたから…足で歩いていたら道に迷っちゃって……』

「ええ?じゃあ、ここどこ?」

『…わかんない』


先までは道だったはずなのに…道に光はあまり注いでいませんので道を忘れやすいんですね。僕もつい気を抜いてしまいました。


『どうしよう、ボクのせいで』

「だ、大丈夫だよ。一刀ちゃん、ここはそんなに深い森でもないから。直ぐに道があるところまで……」


ガァー!


「「!!」」


!?

何が……


<pf>


『な、何?』

「これって……そんな、この森は人が良く通るところなのに熊なんて…」

『熊!?』


今のが熊の鳴き声なのですか?

なんで熊の鳴き声なのにガォーなのですか?


※作者が熊の鳴き声を聞いたことがないからです。後知っててもそれを日本語で表現できないからです。


ガァーオ!!(※熊の鳴き声)


わけはわかりませんが凄く機嫌斜めなのは良く解りますね。

熊って穏やかな奴だと思ったのですが、実際はそうでもないようですね。


「……(カタカタブルブル」


また大きく鳴く熊の鳴き声に一刀ちゃんは季衣さんの体を掴んで震えています。


……穏やかになるはずでしたのに…せっかくの遠足を熊如きのせいで台無しにするわけにはいきませんね。

ここは僕が何とかしてみせましょう。


「一刀ちゃん大丈夫?」

「……(カタブル」

「だ、大丈夫だよ。まだ見えないし、このまま森から出るときっと何もない」


季衣さんがそう安心させようとしますが、一刀ちゃんは益々季衣さんに抱きつくだけです。


「…一人だったら退治に行くけど、一刀ちゃんもいるから今は早く森を抜けたほうがいいよね」


お願いします、季衣さん。

…というか一人だったら狩るんですね、熊。


ガァーーーオオ!!(※熊の鳴き声)


というか、先から泣き声がどんどん大きく聞こえるんですけど…まさか、


ガァーーーオオ!!※熊の鳴(ry


!?


熊がいつの間にか季衣さんたちのところまで走って来m、

ってデカ!!


「!!一刀ちゃん!」

「ぁ!」


季衣さんが一刀ちゃんをあっちに押して自分は後ろへ下がったのとほぼ同時に、熊がそこを通りました。


ガァァーー!!!※(ry


「……っ」


季衣さんの腰に抱きついて震えていて、前を見ていなかった一刀ちゃんは、突然季衣さんが押したせいで……

…いや、訂正します。押したんじゃありません。

押したのだったらその場から十メートルは離れているところで倒れているはずがありませんね。

あれは「押した」のじゃなくて、「飛ばした」のですね。はい。


「……ぁ」


あーあ、せっかくのサンドイッチが……

バスケットを落としてしまって食べられなくなってしまいましたね。


「……うぅー」

「大丈夫?一刀ちゃ…あ」

「……」『大丈夫』


明らかに大丈夫じゃないですが、一応大丈夫だって言っておく一刀ちゃん。


「…さんどいっちが…」

「……」『ごめん、ボクがちゃんと持ってなかったから』

「いや、そんな…ボクのせいだし…」


というか熊のせい……

ってか何ですか今の熊は。


<pf>


「季衣!!」

「?」


うん、この声は…


「っ!季衣、どうしてお前がここに……って北郷もか?」

「春蘭さま!?」

「大丈夫か?先こっちに熊が…」

「はい、先一匹通ってました。何か……大きさが今まで見たことないほど大きかったのですが……」


大きかったで済む話じゃないですよ。立って普通の人の二倍も越えそうな大きさってどんな妖物なんですか?


「ああ、実はだな、ここに…」


あ、そういえば、先…



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ああ。実はこの前、商人たちが通り森で熊が出てくるって話が上がってきてただろ?」

「そうだったな。それがどうしたのだ?あれは兵たちを退治に向かわせたはずだが…」

「それが……今日やつらが帰ってきたのだが、どうやら逆に熊にやられたらしい」

「何?それはどういうことだ?」

「どうやら、あの熊がただの熊ではなさそうでな。どうやら化け物みたいにデカい奴だとか…」

「ふーむ、それなら益々そのまま置いておくわけには行かないな。それで、姉者と私で行ってみようてか?」

「ああ、大勢で行って下手に怪我させるよりは、お前と二人で行ったほうがよさそうだと思ってな」

「そうか…解った。直ぐに行こう」

「ああ」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


あれってこの森のことだったのですか?

ここって結構城から近いでしょう?

何でこんなところにあんな何十年も住んで猫だったら必ず化けていそうな怪物熊が…


いや、それは良しとしましょう。

そういえば、秋蘭さんはどちらに…


サシュッ!


がーーーーー!


「!」


あれは、秋蘭さんの弓の音……


ガキン!


「不味い。早く助けに行かないと秋蘭が…」

「春蘭さま、ボクも行きます」

「ああ、頼む。あいつ、思った以上に手強くてな…北郷はここで待っていろ」

「…(コクッ)」『気をつけて』

「うん、春蘭さま」

「ああ」


そして、春蘭さんと季衣さんは熊を追っていきました。


「……」


一刀ちゃん、大丈夫ですか?


「…」【ボクは大丈夫だけど…せっかく作ったのが台無しだね】


また作ったらいいですよ。…と言っても、結構大変だったんですけどね。材料集めるのとか……僕が

ここにはパンがないですから、作るにも随分苦労しましたのに……僕が


【なんか、ごめん!ごめんなさい!ボクがしっかり持っていなくて】


いいえ、一刀ちゃんのせいじゃありません。

ただ…なんか無性に腹が立ちますね。

あのサンドイッチを作るために、ここでは言いませんが僕がどれだけ苦労をしたのに…

でかしてくれたじゃありませんかこの馬鹿でかい熊野郎が……<<ゴゴゴーー>>


【さっちゃん、落ち着いて。何か滲み出てる。怒った時の華琳お姉ちゃんみたいに何か出てるから……】


…ちょっと熊狩りに加勢してきますんで、一刀ちゃんはここで待っていてください。

【さっちゃん?さっちゃん落ち着いて!】



<pf>



はい、僕が来ましたよ。熊さん。


サンドイッチノ恨ミヲ…


「さんどいっちの恨みー!!!」


グォオオオオオーー!!


…え?


「これは一刀ちゃんの涙の分ーー!!」


グォオオオーー!!


季衣さんが……


「そしてこれは、食べ物を粗末にした貴様への怒りだぁーー!!」


グオオオオオオオオオォォォオオ!!!!!!


…季衣さんの鉄球が火を噴いています。


「ボクが、ボクがどれだけ楽しみにしていたと思ってー!!」


グオオォォォオオ!!


「一刀ちゃんがせっかくボクのために作ってくれたさんどいっちなのにっ!」


グオオオォォオオオオ!!!


「一刀ちゃんと一緒に食べるのわくわくしていたのにーっ!!」


グオォォォォオオオォォオ!!


ちょっ、季衣さん、オーバーキル!オーバーキルだから!熊のライフもうゼロだから!先から倒れて血を流しながら放送不可能な姿になってるからもうやめたけてー!


「お、おい、季衣。もう大丈夫なんじゃないか?」

「いや、まだですよ、春蘭さま。ボクと一刀ちゃんがもらった被害を償うにはまだ足りません!」

「いやぁ、そういう問題じゃなくてだな。そろそろもう死んでるようだし、それ以上鉄球を当てるのは、流石に化け物熊でもちょっとかわいそうというかなんていうか」

「かわいそうなのは寧ろこっちなんですよ!分からなかったら黙っていてください!」

「しゅ、秋蘭、季衣がおかしいぞ」

「……いったい何があったというのだ…?」


いつもと違う季衣さんを見て春蘭さんは泣き顔。

秋蘭さんも引いてます。

僕もちょっとだけ冷静になりました。


「せー、せー、おらあああああぁぁ!!」


もうやめたけてーーー!



・・・


・・



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