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黙々・恋姫†無双  作者: TAPEt
黙々
21/54

拠点フェイズ4 桂花默

翌日、桂花さんの部屋です。




『というわけで参りました』


「どんなわけよ」


本当にどんなわけですか?


何故に次の狙い相手が桂花さんなのですか?


『ボクね、給食の時には嫌いなものから食べる派なんだ』


「だから何の話よ」


ああ、それはとてもわかりやすいですね。


『実はね、ボク華琳お姉ちゃんに……』




少年説明中・・・





「ああ、何の話かと思えば、それだったの」


「(こくっ、こくっ)」


どうやら一日過ぎたところで全将の皆さんに話が広まったようです。


『ごめんなさい、許してください』


「別にあなたに怒ってなんていないわよ。寧ろ、私の場合あなたがいない間静かで良かったのだけれど」


『じゃあ』


「だからといって、許してあげるとは言ってないわよ」


ですよねー


『えー、どうして?』


「当たり前じゃない。あなたのせいで華琳さまがどれだけ心配になさっていたと思うのよ。それを考えたら夜に寝ても寝た気がしないわよ。そんな原因を与えたあなたを許してあげるわけないでしょ?」


「……ぅ」


一刀ちゃんも後ろめたいのか肩をすくめました。


『ボクも華琳お姉ちゃんのこと好きだし、心配かけたくもないよ』


「ふん」


一刀ちゃんはそういいましたけど、流石の桂花さん、そっぽを向いて聞いたふり(この場合見たふり)もしません。




一刀ちゃんここは一度引いて他の人たちから攻略したほうが良くありませんか?


【別に今じゃなければできるというわけでもないじゃない。寧ろ今引くと後の方が難しい】


それもそうですけど、今の桂花さんをどうやって口説くつもりですか。


【口説くって何?】




<pf>


ふらふら


「……」


その後桂花さんは政務に戻りましたが、一刀ちゃんはこれといった行動をせず、寝台で足をふらふらとしながら桂花さんの背中を見つめていました。


「……」


「……(かきかき)」


しかしすごい集中力ですね。


こうして後ろでうろちょろしてるだけでも、桂花さんなら結構気になって今頃怒鳴っていたところだろうと思ったのですが…


【うん、ボクいつも桂花お姉ちゃんの部屋でこううろちょろしてたけど……初めての時は結構怒られたけど、怒られては逃げてその後直ぐ戻ってまたうろちょろしたりしたら挙句に、桂花お姉ちゃん、ボクのこと無視しながら政務できる境地に上がっちゃったみたい】


それはいらないところを鍛えてしまいましたね。


しかも、僕は全然見てませんけどね、そんな場面。おかげで皆さんにもお見せしたことありませんし。




それにしても何で桂花さんのところでうろちょろしていたのですか?直ぐ怒るし嫌じゃないですか?


「……」


はい?


「……」


黙秘権とは…心で何も思わない「無」の境地に既に上がっていらっしゃるのですか、あなたは。


「……」



それで、一刀ちゃんは桂花さんを見てるだけです。あくまで見てるだけ。



「あ、墨切れた。買いに……」


「!」


桂花さんが椅子から立とうとしたら、


「……」


「え?何よ」


一刀ちゃんが立とうとする桂花さんを止めて椅子に座らせます。


ててて


そして、自分が部屋を出ていってしまう一刀ちゃん。


「……また」


またって・・・




十分後、


「……」


墨、買って来ました。


「……(ふん)」


いやいや、何をよくやったでしょ的な顔しているんですか?


何で自分で行ったのですか?


しかも桂花さん、先「また」って言いましたよ。


一刀ちゃん、普段も桂花さんのところにいるとずっとこうなのですか?


「…あ、ありがとう」


「……」


とにかく墨をもらって仕事を再開なさる桂花さんです。


「……」


ててて


そして、一刀ちゃんはまた寝台に戻って待機。



ああ、もうついていけないんですけど……



<pf>



その後、一刀ちゃんは桂花さんが行くところはどこでも付いて行って、


寝るときは一緒に寝て(床ですけど)、政務中で桂花さんが肩を叩くと代わりに叩いてあげたり、代わりに台所から食事持ってきてくれたり、


とにかく周りにくっついて桂花さんが何かをしようとしたら側で代わりにしてくれるのでした。


これじゃまるで、桂花さん専用の執事か何かみたいです。


一体何をしているのでしょうか、一刀ちゃんは……


あれ以来は僕が話をかけても聞いてくれないですし、そろそろ心が折れそうなのですけど。




「……」


いつもどおりに政務中の桂花さん。


「……<<ふらふら>>」


そしてそれを見つめている一刀ちゃん。いつもの景色です。はい。


これをいつもの景色という僕に驚きです。慣れるって恐ろしいです。


「……あ」


「!」


桂花さんの動きに直ぐ反応する一刀ちゃん。


戸を開けようとする桂花さんの前になってその瞳を見上げています。


「…ちょっと気分転換に散歩に行こうと思っただけよ」


「……(こくっ)」


もっとすごいのはですね。


一刀ちゃんがここまでしているのに、桂花さんは一刀ちゃんに最小限に必要な言葉しか言わないということです。


ここまできたら桂花さんなら「いい加減についてきなさいよ!目障りなのよ、あなた!」くらいは言いそうなキャラでしょ?



・・・


・・




中庭です。


桂花さんは静かに庭を歩いていて、一刀ちゃんはその後を追っています。


「……」


「……」


二人とも無言のまま。


一人はともかくとして、もう一人はわざとだとしか思えない無視っぷりです。




「ちょっと、あんた、ここでお茶にするから二人分持ってきて頂戴」


中庭にある東屋<あずまや>に着いた桂花さんは、ちょうどそこを通っていた侍女さんに、お茶を持ってくるように言いました。


侍女さんが頷いて消え去って、桂花さんは東屋に座りました。


「何してるの、あなたも座りなさいよ」


桂花さんは立ったまま桂花さんをじっと見ている一刀ちゃんにいいました。


「……」


でも、一刀ちゃんは聞いていないかのようにそのまま桂花さんの側に立っています。


「…好きになさい」


桂花さんはあきらめたのがそれ以上言わずに前を見て黙り込みました。



<pf>



暫くして、先の侍女さんがお茶のセットを持ってきました。


「!」


それを見た一刀ちゃんはこっちに来ている侍女さんの方に言って、


「…?」


「え、北郷さま?」


一刀ちゃんは、侍女さんが持っているお盆を持って行こうとしました。


「……<<ぐいぐい>>」


「い、いえ、そうするわけには……」


慌てながらお盆を渡さないようとする侍女さんでしたが、お盆を掴まえた一刀ちゃんの手は放れません。


「あの子にあげなさい。あなたはもう行っていいわよ」


「で、ですが……わかりました」


桂花さんの言葉を聴いて、ちょっと迷った侍女さんは結局一刀ちゃんにお盆をあげて、下がってしまいました。


「……♪」


お盆をもらった一刀ちゃんはそのまま気をつけて桂花さんがいるところまで戻ってきて、


「……」


桂花さんの杯にお茶を入れて、


「……あなたも座りなさい」


一刀ちゃん?何故そこでまた後ろに下がりますか?本当に執事設定ですか?


「……」


しかもここで何も言わないからこの人はキツいのですよ。


『ごゆっくりどうぞ』


「……っ」


あ、ついに初めて桂花さんが顔を崩しました。


「ねえ、あんたちょっとこっち来なさい」


「?」


て・て・て


『なにっ!?』


「あんたはね!いつもそうやって私に嫌がらせするのが楽しいわけ?普通こんなに長く人の世話しないでしょ?」


「うぇ…ぇう……あぅ…!」


人のほへを摘まんでいじらないでください。


気持ちは解らなくもないですけど、今までやめていなかった桂花さんも桂花さんですよ。


「はぁ…負けたわよ。もう許してあげるから私にくっついているのやめなさい」


桂花さんは一刀ちゃんを放して言いました。


「…!☆」


ぎゅー


「って、ちょっと、放れなさいって言っているのよ!何もっとくっつくのよ!」


「……♪」


「だから、


放れなさいよ!!!!!」



<pf>



で、何だったのですか?


ここ数日あった茶番は?


いや、茶番といったらなんですけど、僕にはそう見えましたので。


【その後付がもっと失礼だと思うけど……】


で、一体何だったのですか?


【えっと……北風と太陽、みたいな?】


……ああ、つまりあれですか?


わざと相手が困るように世話をして、寧ろ嫌がらせになるぐらい繰り返したら、相手が服を脱いでくる(デレる)という……


【ほら、ボクこの前桂花お姉ちゃんと一緒にいた時あるでしょ?】


はい。


【あの時ね。桂花お姉ちゃんはボクのことが嫌いなわけじゃなくて、単に男だったら全部嫌いだって解った】


まあ、そうですね。


【だから、思った。そんな理由だったらボクにどうしようもないと】


じゃああきらめたのですか?


【ううん、つまり】








【お姉ちゃんのほうが嫌いとか関係ない、ボクが好き】<<エコー>>






【で、行こうと思った。桂花お姉ちゃんには】




……


今一刀ちゃんの後ろから宇宙が見えましたよ。


でも、一刀ちゃんは桂花さんのどこがそんなに好きなんですか?


「……?」【桂花お姉ちゃん、いい人だよ】


いや、あの人が悪い人とかじゃなくてですね。


桂花さんのどこが好きなのか、って問題ですよ。


「……?」【さっちゃん、何言ってるのかわかんない】


え、僕ですか?僕の方がおかしいのですか?


だってケフィアさんですよ?


つんとでれの比率10:0と呼ばれるあの人のどこが……


「……」


ね、ちょっと、一刀ちゃん、


一人で行かないで説明してくださいよ。


何ですか?


何で桂花さんにはあそこまでするんですか?


ねえー


一刀ちゃん?



・・・


・・






没になったネタ


「…うん…肩が…」


トントン


政務中でもう何度も肩を叩いてますね。


まぁ、肩が凝るのは軍師には職業病なものなのですが……


「…!」


一刀ちゃん?


ギギギィー


一刀ちゃんは桂花さんが座っている椅子の後ろに他の椅子を持ってきて、


【よいしょっと】


「ちょっと、あんた何してるのよ。変なことしたら……ひっ!?」


一歩遅かったですね、桂花さん。


一刀ちゃんの両手は、既に桂花さんの肩の上にいます。


「……」


ぐいっ


「ちょっ…んああ♡」


桂花さん、変な声が出てます。


「や、やめなさい。いきなりそんなに激しく触ったら……ああん」


「……<<熱心>>」


熱心になってぐいぐいと桂花さんの肩をマッサージしている一刀ちゃんです。


誰もやれといっていないのにしてあげるところ、


「ああー……あぁ……」


あなたは天使ですか?(笑)


かなり凝っていたのですね、桂花さん。


「ちょ、やめっ、もう許してあげるから、


やめてぇぇーー」







没になった理由:一刀ちゃんにさせていいことがあってわるいことがあるときづいた。



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