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黙々・恋姫†無双  作者: TAPEt
黙々
18/54

七黙

「かずとーー!」


「<<ぎゅー>>!?」


「大丈夫だった?怪我はないの?」


「大丈夫、大丈夫だから放して、華琳お姉ちゃん、苦しい」


「えっ?…一刀、あなた…」


「うん?…あれ?ボク、喋れる。華琳お姉ちゃんボク喋れるよ」


「よかったね。一刀」


「あのね、華琳お姉ちゃん。ボク喋れるようになったら、一番最初に華琳お姉ちゃんに言ってあげたいことがあったの」


「何?」




「だーいすき」



<pf>



「………Zzz…(えへへー)」


「こんな修羅場の中でよく寝てるわね」


「華琳さま!だからどうしてあんな奴を膝の上に乗せて…」


「姉者、少し静かにしろ。北郷を起こしてしまうだろ」


「しゅーらん」


……え?いや、覗いてませんよ?人の夢を覗くとか、そんなこといくらさっちゃんでもしませんよ?


……しませんよ?


とにかく、この街にいた黄巾党の連中は全部蹴散らしたところで、一刀ちゃんはなんだかんだで色々緊張が溜まっていたのかそのまま寝てしまいました。


今は色々あった後華琳さんの膝の上で寝ている最中です。


「羨ましいのー」


「あんなうれしそうな顔で寝ちゃっててなー。ああ、一刀ちゃんやったらかわいいよなー」


「……」


そして、仲間になった(一刀ちゃんは寝てますのでまだ知りませんが、別にどっちでもいいでしょう)大梁義勇軍の三人さんです。


ちなみに凪さんは遠くから一刀ちゃんの寝顔をみながら物欲しそうな顔をなさっています。自分もしたいのですね。膝枕。


「…そう、凪といったわね」


「あ、はっ!」


華琳さんが呼んだら、凪さんはパッときがついて答えました。


「…前に陳留で会った時も結構一刀と仲がよかったみたいだけど、この子もあなたたちのことはそれほど警戒していなかったようね」


「あ、はい。この前陳留で出会って、色々助けてもらいました」


「そう…」


華琳さんは暫く考えこむように真剣な顔になりました。


「な、凪。どないしたん?」


真桜が他の人たちに聞こえないように凪の耳にささやきました。


「解らん。もしかすると、我々のことを一刀様が親しく思っていることがお気に召さないのかもしれない」


「え?どうしてー?」


沙和も対話に混ざってますね。


「まー、こっちはただの義勇軍の兵たちやからな。州牧の息子さんが私たちみたいな奴らと一緒にいるのがあまり好ましくないと思ったのかもしれへんな」


「そんなー」


「あまり悲観的に思うこともよくないが、とりあえずは一刀様のことについてはあまり深く関わらないほうが良いかもしれない」


そんな自分たちの話をしている三人ですが…まだ華琳さんが一刀ちゃんのお母さんだと思っていますね、あの人たち。


「…一刀」


考え続けていた華琳さんがふと一刀ちゃんを揺らしました。


「……??(パチッ)」


きょろきょろ…


「…ぁ……ぁぁ」


「目が覚めたかしら」


「……はぁ……」【夢か】


一刀ちゃん、一応忘れているようですからいっときますけど、ここって戦場なんですよ。


「!!」


僕の言葉にパッて気が付いたように一刀ちゃんは華琳さんの膝の上から頭を起こしました。


『どうなったの?』


「もう終わったわ。今は村に補給品を配っているところよ」


「……」


「疲れたの?」


「(フルフル)」『もう大丈夫』


「そう、無理せずに疲れたら休みなさい」


「(こくっ)」


その後一刀ちゃんの目に入ったのは、


「……ぁ」


三人集まってひそひそ何かを話している凪さんたちでした。


「あの子たちもこれから私たちと一緒に行動するようになったわ」


『あのお姉ちゃんたちも?』


「ええ、ここで義勇軍を集めて、黄巾党に対抗していたそうよ」


「……」『凄いね』


「まぁ、それなりの武があるのは間違いないようね。それはそうと一刀」


「??」


「しばらくあの子たちと行動を一緒になさい」


「……?」『どういうこと?』


「あの子たちは入ってきてあまり経ってないけど、状況をちゃんと説明している暇がないのよ。これから暫くはあの子たちの面倒を見てあげなさい」


え、一刀ちゃんが面倒を見る方なのですか?おかしいでしょ、それ。


「……(こくっ)」


返事だけはあっさりですね。一刀ちゃん。


「いいわ。凪、沙和、真桜」


「「「あ、はい!」」」


あそこで話をしていた際に華琳さんが呼ぶのを聞いて返事する三人。


「しばらくあなたたちのことは一刀に任せます。何かわからないことがあったら一刀に聞きなさい」


「…(ぺこっ)」


一刀ちゃんは三人にむかってぺこっと挨拶しました。


「…よろしいのですか?」


「何がかしら?」


「我々が一刀様と一緒にいることが気に召さないのでは……」


「何故私が一刀の友たちのことまで手を出さなければならないのよ。そんなの一刀がいいなら私は全然かまわないわよ」


「はぁ……」


だから、凪さんが心配していることには根本的なところから間違いがあります。


「よろしゅー頼むで」


「一刀ちゃん、よろしくなの」


「…(にこっ)」


「あーん♡かわいいのー」


「<<ぎゅー>>……(あわあわ)」


沙和さん、自重してくださいw


<pf>


一刀ちゃんがわからないような難しい軍議とかは飛ばします。僕も良く解りませんから。


えっと、要は黄巾党の補給拠点を探索し、早急に落とす、とのことです。


そういうわけで、将の皆さんが偵察に回ってる最中ですが、


「一刀ちゃん、沙和と一緒に行こう」


「ウチと一緒にいくやろ?」


「(あわあわ)」


この人たち、一刀と一緒に偵察任務に行こうと争っています。


その中ですごく困っている一刀ちゃんの顔がたまりません(じゅるっ)


「二人とも、そろそろ出発しないと他の方たちの足を引っ張ってしまうぞ」


「沙和は連れていくのー」


「沙和は先一刀ちゃんのこと驚かせたやろ。だから今度はうちに譲りや」


「そんなの理不尽なの。寧ろこの機会で、一刀ちゃんとの仲を縮むのー」


【ボクの意見は…?(あわあわ)】


一刀ちゃんの意見なんてどうせ華琳さんと一緒に残っていたいに決まってるからそういうのは却下されるでしょ。


【あうぅ……】


ひょい


「??」【うん?】


あれ?


「「……え?」」


凪さん、悩んでる一刀ちゃんをさりげなく抱き上げて



テテテテテー


凪さん、凪なーん、どこいきますか?


「ちょ、ちょっ、凪!」


「ああ、凪ちゃんが一刀ちゃんのこと乗っ取っちゃったのー」


「っ!!」


ああ、凪さん、逃げた!


凪さん、すげー。


何も気にしてない顔して二人が争っている間に一刀ちゃんを持って逃げた!


【だからボクの意見は??】


<pf>


結局二人を追い払って一刀ちゃんと一緒に偵察に行った凪さんですが…


「………」


「………」


「………」


「………」


これはどれが誰の枠なのか僕にもわかりませんね。


凪さん、何でもいいから喋ってください。


一刀ちゃんと仲良くしようと持ってきたんじゃないんですか?


「か、一刀様」


「??」


「その…一刀様はどうしてここに来られたのですか?危険だというのに」


「……」


まぁ、皆心配することは一緒ですね。


確かに子供が歩き回って安全なところではありませんからね。


『皆のこと心配になるから』


「心配ですか?」


『ボクが行っても何も助けにならないし、寧ろ邪魔なことは知ってるけど、それでも見ていないと心配になる。だから来たの』


「………」


『ダメだよね。ボクが居ると皆に迷惑になるから。でも………』


「……一刀様?」


そこまで言った一刀ちゃんはちょっと苦笑しました。


<pf>


「あの子が私たちに付いて来ようとするのはただの心配じゃないよ」


「どういう、ことですか?」


こちらは本陣に残っていらっしゃる華琳さんと桂花さんです。


「桂花はあの子と最近良く寝ていたら解るでしょうね」


「……」


「あの子と寝ると変な夢見たことあるでしょ?」


「はい…あの子は走ってくる何かとぶつかって倒れる…でもどうして」


「理由は私解らないけれど、それはあの子が昔実際に経験したことよ。昔あの子がご両親から見捨てられるまでのことが夢に見えるの」


「!」


「だからあの子はどんな形ででもまた自分の面倒を見てくれる私たちを失いたくないと思っているの。だからいつも自分が知らないところで何があったらどうしようと心配になって付いて来たわけだわ」


「ですが、いくらなんでもあんな子供を戦場に近づけるのは」


「だからってあの子が大人しく城で待ってるわけではないわ。連れていかなかったら一人で、私たちにばれないように来るだけよ。私たちと一緒にいるのとあの子一人で戦場にいるの、どっちの方が安全だと思うかしら?」


「……」


<pf>


子供の頃に両親に見捨てられてました。


会いに行く術がある一刀ちゃんでしたけど、一度も会いに行ったことがありません。


もう、「あの人たち」の人生に迷惑かけたくありませんでしたから。


それから何年も過ぎて会った、心から頼ってもいい人たちでした。


なのにその人たちは、いつ死んでもおかしくないほど戦場を駆けてる。


これが心配ができないわけがないですね。


『凪お姉ちゃんは強いの?』


「強いというほどではありません。ただ、この身一つと、親友を守られるほどの武は持っているつもりです」


「……」『羨ましいね』


【ボクも皆を守られたら…】


一刀ちゃん……





『ところで凪お姉ちゃんどうしてボクに敬語なの?ボク凪お姉ちゃんにそんなこと言われるほど偉い人じゃないよ』


「いえ、しかし、華琳さまの「ご息」になるお方に、私たちのような平民が親しく呼ぶわけには…」


……


「…ぅぇ?」


あ……


【さっちゃん、このお姉ちゃん何言ってるの?】


はい、どうやらこの前会った時、華琳さんが一刀ちゃんにお母さんみたいな台詞を投げたのがあの三人に誤解を招いたようです。


【……華琳お姉ちゃんがお母さん】


………


……


「(かああ)」


「一刀様?」


まぁ、変なムードになっているのも僕としては一向構いませんけどね、あそこに見えるのって黄巾党の連中じゃありませんか?


「!!」


「一刀様?……!あれは……」



<pf>



「場所はここから半日ぐらいの距離にある砦です。黄巾党の連中が一時的に拠点として使っているようで、今すぐに攻撃しないとまた他の場所に移動してしまうかと思います」


「でかしたわね。凪、一刀も」


「ありがとうございます」


「……(じー)」


「どうしたの?」


ふと自分のことをいつもよりもじっと見ている一刀ちゃんに華琳さんは言いました。


「(はっ)(ふるふる)」


「そう。疲れたでしょうけど今はちょっと我慢しなさい。今すぐ出立するわ!」


「「「「はいっ!」」」」


・・・


・・



そういうわけで、また華琳さんと一緒の馬の上に乗っている一刀ちゃんですが、


「一刀、もっとしっかりつかまえていないと落ちるわよ」


「……(こくっ)」


いや、本当に一刀ちゃん。


そんなに曖昧に掴まえてると馬から落ちますよ。


しっかり華琳さんの腰に捕まえていないと。


ヒヒイィー


「!?」


「一刀!」


ほら、だから言ったのに…。


「大丈夫か、北郷」


隣の秋蘭さんが捕まえてくれなかったら大変なことになってましたからね。


「はぁ……驚いたじゃない」


「……(しゅん)」


「疲れているのか?」


「(フルフル)」


華琳さんは厳しい顔をして一刀ちゃんを睨みつきました。


「今はあなたの気まぐれにかまってあげてる暇がないわ。馬から落ちそうなら縄で縛ってあげてもいいんだけど」


「……(じーっ)」


「……」


「……(ぷいっ)」


暫く華琳さんを見ていた一刀ちゃんはそっぽを向いて他のところへ歩いていっちゃいました。


「…華琳さま」


「ほっておきなさい。それよりも今は早く砦に着くことが先よ」


「はぁ……」



<pf>



華琳さんたら、もうちょっと気にしてくれてもいいでしょうに…


【さっちゃん】


はい?


【ちょっと黙ってて】


あうぅ……一刀ちゃんが固いです。


「……」


凪さんたちが言ったことがそれほどショックだったでしょうか。


まぁ、でも華琳さんは確かにお母さんみたいに一刀ちゃんのこと気にしてくれますし、


【違う】


え?


【……ボクのお母さんはお母さんしかない。他の人は……】


「っ!」


あ、一刀ちゃん。


【ついてくるな】


スッ


あ、どこに……


一刀ちゃん……



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