拠点フェイズ3 季衣黙(闇)
ここで闇というのは、闇に落とした話。つまり没ネタです。
没にした理由はネタが面白くなかったとかそういうのではなく、ただ一刀ちゃんが必要以上に苦しまれるような状況が起きると、TINAMIではすごぶる石を投げられてましたので没にしたものです。
ここじゃ闇編はあげないつもりだったのですが、季衣の拠点が見たいという要望があったためあげるものです。
石は締め切りました。
『季衣お姉ちゃんはたくさん食べるね』
「にゃ?」
朝、城を歩いていたら側にお団子をたくさん置いて食べている季衣さんに出会いました。
「あ、一刀ちゃん。一刀ちゃんも食べる?」
「(こくっ)」
頷いて季衣さんの側に座って団子を一つもらいます。
パクッ
「……ぅ…」
一つパクッと食べた一刀ちゃんは、すごく美味しかったようで、顔が赤くなって緩みました。
「ね?おいしいでしょう?」
「(こくっこくっ)」
「街で一番美味しいところなんだよ」
バクっバクっ
と言いながら、団子を口に入れる季衣さんの食べ速度は尋常じゃありません。
一度食べ始めたら一体そのその喉はどの次元と繋がっているんですかと聞きたくなるぐらい凄まじいスピードで皿の団子がいなくなって行きます。
「……ぁ…」
一刀ちゃんは口ぽかんとあけてそれを見ています。
ほら、一刀ちゃんも食べないと全部なくなりますよ?
「……」
まぁ、元からそこまで食べることに貪欲がないことは解っているんですけどね。
「にゃ?一刀ちゃん食べないの?」
「……」『一つだけでいい』
「ええ、ダメだよ。一刀ちゃんはもっとちゃんと食べないと。ちゃんと食べないと成長しないって、春蘭さまも言ってたもん」
「……」
「にゃ?」
一刀ちゃん、言いたいことはわかりますが、口にはしないでください。
<pf>
【季衣お姉ちゃんってよくそんなに食べても太らないよね】
それを言わないでくださいよ。
ええと、やっぱり運動量が違うからじゃないですか?
ほら、季衣さんの武器とかアレですし。
自分よりも重そうな球を投げまくるじゃないですか。
そりゃたくさん食べますよ。
「……」
その一方、季衣さんは……
「春蘭さま」
「うん?どうした、季衣」
「一刀ちゃんって元からそんなに食べないんですか?」
「うん?んまぁ、私が良く解らないけど、秋蘭の話に聞くと、随分食べる量が少ない量だな。炒飯一人分作ってくれるそれも全部食べきれないというからな」
「ええ!?」
その炒飯一人分と言うのは、さて二人の基準の一人分なわけでは…ないんですよね?
「ま、あいつがわざとお腹を空かせておく理由もないし、食べる量というのは人なりに違うのだ。季衣も小柄なのにたくさん食べるだろ?」
「うん……」
<pf>
ここ戻ってきて一刀ちゃん。
【でもやっぱり大食いって良くなくない?】
それは現代の発想ですよ。
現代じゃ体を動かすことってあまりないですけど、
この時代だと常にいつ戦いがあるか知りませんし、それに季衣さんはその年で将軍じゃないですか?
現代人とは運動量が違うのですよ。
【でもほら、季衣お姉ちゃんの食べる量が普通じゃないというのは確かでしょう?この前聞いたらあの時初めて季衣お姉ちゃんが盗賊討伐に行った華琳お姉ちゃんたちにお部隊に入った時、すっごい食べて、そのせいで皆御飯食べてなかったと言う話もあったし】
まぁ、それは確かにそんなこともありましたが…って、その話誰から聞きました?
【桂花お姉ちゃんから?】
あの猫耳はいつも必要ないことはペラペラ吐き出すんですね。
とにかく、そのことは一刀ちゃんが心配することではありませんよ。
別に季衣さんが太ったとかそういう話でもありませんし、体に異常があるという話でもないですから。
「一刀ちゃん!一緒に街に御飯食べに行こう!」
「??」
ふと一刀ちゃんが振り向けばそこには季衣さんが居ます。
「…?」『あれ?季衣お姉ちゃん先団子食べたでしょ?』
「にゃ?お団子はお団子だよ。お菓子だし、御飯にはならないよ」
「…………」
まぁ、確かにちょっと異常かもしれません。
『行く』
<pf>
『どこに行くの?』
「ここに美味しい料理店あるんだ」
「……」
一刀ちゃんは以外と一人で食べると食べるのがしょぼいですから、料理店とかは一人だとあまり入りません。
露店で肉まんか、それともラーメン食べるほどですね。
料理店はあまり入ったことありません。
・・・
・・
・
「おじさん、ここ炒飯大盛二つと、麻婆豆腐と麻婆茄子、」
ちょっ!?
「!」『多すぎない?』
「大丈夫だよ。金はあるから」
『そういう問題じゃないけど…いや、それも確かに問題だけど』
あの料理の量は…確かにさっちゃんが漢字で知ってる中華料理は全部出たのだと思います。っていうかアレで全部ですね。
・・・
・・
・
しばらくしたら料理が一気に到着しました。
「……ぅぁ…」
この中華の並べは、この世界に始めてきた時に華琳さんに買ってもらった時のような中華セットですね。
そういえばあの時もそれほど食べてませんでしたけど…
「ほら、食べて、食べて」
季衣さんが料理勧めてますよ。
【これ、多すぎるよ?】
量に圧倒されず、先ずは食べてください。
季衣さんがそのうち食べますよ。
「…(こくっ)」
僕に頷いて一刀ちゃんは蓮華を持ちあげました。
<pf>
「……」
って、ちょっ……あぁ…
「……(ちらっ)」
「……」
馬鹿な。
季衣さんが料理を目の前にしてみてるだけだと!?
「もっと食べる?」
「…………」
そして勧められたら流石に断ることが厳しい一刀ちゃんです。
「……(あわあわ)」
『季衣お姉ちゃんは食べないの?』
「私はいいよ。先お団子食べたから」
「……」
【先と話が違うー(涙)】
そうですね。
嵌っちゃいましたね。
【どういうこと?】
ほら、季衣さんから見ると一刀ちゃん、食べなさすぎなんですよ。だからこうして食べさせようとしてるんですよ。
ある意味的確な策ですね。
こうしたら流石に断れにくいですし。
【ボクこんなに沢山食べるとお腹はちきれちゃうよ】
まあ、それも確かに。
大人何人食べる量ですね。
季衣さんが見るとそれほどおの量でもないでしょうけど。
「…ぅ……」
食べられなかったら言った方がいいですよ。
【でも……ほら、あれ】
え?
「……(にこにこ)」
【何あれ?反則じゃない?ああにこにこ見てる顔にもうお腹一杯で食べられないとか言ってみて】
わー、あの顔は何ですか?
まるで食べるのを見てるだけでもお腹一杯とでも言いたそうな顔。
自分が作ったのでもないくせに。
「……」
【食べるしかないの?】
まぁ、僕としてはいい考えが思いつきませんね。
僕も食べるのを手伝ってあげたいですけど、無理ですし。
何とか一人でやってください。
【鬼ぃ~!】
いやー、断れないって大変ですよね。
<pf>
「……ぅ…」
「はぁ…一体どれだけ食べたのよ」
結局良く頑張ってその昼を全部食べた一刀ちゃんですが、
案の定お腹を壊してしまいまして部屋でうんうん唸っているのを秋蘭さんが発見。
華琳さんは知らないようにしようとしたんですが、途中で医員が城から出るのを見た華琳さんに医員さんが吐いて発覚。
「あなたはもうちょっと断りというものを知りなさい。言うだけ全部聞いて良いものじゃないのよ」
「………」
言う口がない一刀ちゃんです。
あ、一刀ちゃんの場合、書く手がない、ですね。
「でも、季衣はどうして一刀にあんなに食べさせたの?」
「多分、一刀が普段食べるのが貧弱なのだと思ったのでしょう」
「まぁ、実際そうなんだけどね。さすがに季衣が食べる分は無理だけど、季衣まで心配するぐらいだと、少しはちゃんと食べたほうがいいよ、一刀も」
え?
あ、ちなみに普段に一刀ちゃんの献立ですけど。
朝:元から食べない。水。
昼:ラーメンやしゅうまいや肉まん。時々街の人に桃とかもらったらそれで済ませる。
夕:城でくれる御飯(それも余す)
うん、ダメだこりゃ。
もっと一刀ちゃんの食生活に気を使わなかった僕のせいです。
「とにかく、大人しく寝てなさい。まぁ、その様子だと動く力もないでしょうけど」
そして、華琳さんは秋蘭さんと一緒に部屋を出ようとしました。
「……ぁぁ…」
「…解ってるわよ。季衣には何も言わないから」
「………」
それを聞いた一刀ちゃんは静かになりました。
<pf>
後日談
「はぁ…あの子は何故あんなところには要領がないのかしら」
「まだ人の接し方が苦手なのでしょう……あれでも季衣の場合は、最初から怖がることもなく仲良くした場合ですから」
「それはそうだけれど…はぁ、どうすればいいのかしらね」
「それはそうでうが、華琳さまはどうして北郷がお腹を壊したことが解ったのですか?」
「……政務をしていたら春蘭が来たのよ」
「姉者が?」
「季衣がお腹を掴んで倒れていたらしくてね」
「………」
「なんとも胃に穴ができたそうよ」
「それは……なんと…まだ北郷の方がマジなのでは」
「…二人とも自業自得でしょう」
・・・
・・
・
没ネタの没ネタ
【こ、こうなったら一か八かで…】
スッ
「うん?」
一刀ちゃんは炒飯を救った蓮華を季衣さんの方へ指しました。
「うえ?いや、一刀ちゃんが食べなよ」
「……」
蓮華をもっと季衣さんの方に近づけて固定。
「…ぅ……あぁー」
パクッ
仕方なく食べる季衣さん。そして、
「美味しいー(☆キラキラ☆)」
あれは私がかけた効果じゃありません。本当に。
『もっと食べる?』
「うん!」
そして、本来の目的を忘れて一刀ちゃんがあげる炒飯、続いて麻婆も全部食べてしまった季衣さん。
これで誰も苦しまずに済みました、めでたし、めでたし。
没になった理由:なんかおいしくなかった。