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2.この世界のだいたいの事情

さて。


ここで、少しだけこの世界の話をしておこうと思う。


……と言っても、難しい話ではない。


むしろ。


「だいぶおかしい」


これでだいたい説明がつく。


数年前から、日本はかなりのグローバル化が進んだ。


グローバル化。


……いや、違う。


そんなオシャレな言葉で済ませていいのか、これ。


海外とかそういうレベルじゃない。


もっとこう。


宇宙とか。

異世界とか。

よく分からない方向に突き抜けている。


とにかく。


いろんなものが来るようになったのだ。


きっかけは、ある日突然だった。


街の中に、怪物が現れた。


それも一体とかではない。


ぽこぽこと。

本当に、突然。


当時のニュース映像は今でもネットで見られる。


住宅街のど真ん中に現れた、緑色の小さい怪物。


小柄で、耳が尖っていて、棍棒を持っている。


見た目は完全に――


ゴブリン。


ゲームやラノベでよく見る、あのゴブリンである。


もちろん当時の日本人は、そんな存在を現実に見るとは思っていなかった。


最初は特殊メイクだとか、CGだとか言われていたけど。


普通に人を襲い始めた。


結果。


大騒ぎ。


警察が出動し、

そのあと自衛隊も出動し、

最終的には鎮圧された。


そのとき日本中が思った。


「なんだったんだ、あれ」


と。


……そして。


それで終わらなかった。


次はオーク。

その次は巨大な狼。

さらに三メートルくらいのトカゲ。


ニュースでは専門家が真面目な顔で議論していた。


「未知の生物です」

「突然変異です」

「海外から持ち込まれた可能性が――」


いや違う。


どう見てもファンタジーだろ、あれ。


誰もがそう思い始めた頃。


今度は――


宇宙人。


本当に来た。


UFOが降りてきて、

中から普通に出てきた。


しかも。


「こんにちは」

「地球を見学しに来ました」


みたいな感じ。


侵略とかじゃなかった。


なんなら今でも普通に交流しているらしい。


……いや順応早くない?


さらに。


怪獣。


ビルサイズ。


海から出てきた。


これはさすがにヤバかった。


自衛隊が総出動。


ニュースは連日それ一色。


私はそのとき――


「大学入学前に死ぬのはちょっと嫌だな」


って思ってた。


まだ何も楽しいことしてないし。


バイトもしてないし。


彼氏もいないし。


……あと。


お胸も、まだ全然成長途中だし。


ここで終わるのはさすがに悔しい。


そんなことを思っていたら。


生き延びた。


よかった。


本当に。


そして。


そんな混沌の中で。


人間側にも変化が起き始めた。


超能力者。


炎を出す人。

空を飛ぶ人。

怪力の人。


そして――


魔法少女。


ある日突然、魔法の力を持った少女たちが現れ始めた。


理由はよく分からない。


でも実在する。


テレビにも出てる。

SNSにもいる。

動画サイトで戦ってる。


……ちょっと憧れてた。


可愛いし。


目立つし。


なんかキラキラしてるし。


まあ。


私には関係ないと思ってたけど。


さらに。


異能力者。

妖怪と契約する人。

ロボットを作る天才。


そして当然のように現れる――


悪の組織。


世界征服を企む連中。


怪人軍団。


謎の科学者。


それに対抗するヒーローたち。


正義の組織。


戦隊。


連合。


いろいろ。


……ちなみに。


最初の頃、ちょっと面白い話がある。


怪物が出始めた頃。


一部の人たちが言った。


「御当地ヒーローがいるじゃないか」

「戦えよ」


と。


結果。


御当地ヒーローたちは全員逃げた。


まあ当然である。


だってあれ。


ただのバイトだし。


イベントスタッフだし。


命かける契約してないし。


むしろ逃げるのが正解。


そんな感じで。


この世界は、だいぶ混沌としている。


でも。


人間ってすごい。


普通に慣れた。


学校はあるし。

会社もあるし。

コンビニもある。


怪物が出ても、


「あーまたか」


くらいで終わる。


そんな、よく分からない世界。


そして。


そんな世界のどこかで。


今日。


一人の魔法少女が誕生した。


――桃瀬こはる。


世界を救うより先に、


お胸を育てたいと願う、


ちょっと変わった魔法少女である。


本人はまだ。


その大変さを――


まったく分かっていなかった。

 

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