表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/24

てつおみ未来大臣!? アタシが男にしてあげるわよ!

その日から、凛子の兄――哲央まで店に通うようになった。


「ただいま〜」


銀子は帰宅すると、ベッドにダイブしたい衝動を必死に堪え、

まず金太と銅太にご飯をあげ、シャワーを浴びる。


(あのギャルの兄貴が、あんな堅物インテリ眼鏡……謎だわよね)


そんなことを考えながら、バスローブ姿でソファに腰を下ろす。


「国家公務員ねぇ〜」


ポツリと呟き、もらった名刺をバッグから取り出して眺める。


「あんな世間知らずのお坊ちゃまが、よく今まで無事だったわよねぇ」


名刺をテーブルへ投げ置いた瞬間、

テレビに白い文字が次々と並び始めた。



近い未来

デジタル省大臣:芦田哲央あしだ・てつおみ

AIによる婚姻を認める法案を提出。

自身もAIと結婚式を挙げ、十年をかけ法案可決へ導いた立役者。



銀子は画面を見て、目を剥いた。


「なんですって!!」


勢いよく立ち上がる。


「てつおが……」


その呟きに反応し、AIが画面いっぱいに文字を表示する。


『てつお × / てつおみ ○』


……が、銀子はまったく読んでいない。


数秒の沈黙の後、銀子はハッと息を呑むと、

とんでもない顔で叫んだ。


「そうよ……そういうことだったのね……!

アタシが……アタシが、てつおを “男” にしてあげるんじゃない!?

そしてアタシはてつおと結婚!!

そうなったら、AIなんかと結婚しないはずよ!!」


その銀子の暴走独り言に、ソファで寝ていた金太と銅太が

「にゃ〜にゃ〜」と鳴き出した。


画面には、鳴き声に合わせて文字が並ぶ。


『どうせまた素顔見せたら逃げられるのににゃー』

『本当に懲りないにゃー』


しかし銀子は、これにも気づかない。


「ついにアタシにも……春が来るのね!」


小躍りしながら、


「そっかぁ〜! てつおとアタシが結ばれるから、アタシは勇者に選ばれたのね!!」


と、スキップしながら寝室へ向かっていく。


その背中を見送りながら、テレビには新たな文字が浮かんだ。



勇者・銀子 ミッション


誤解により別れた

芦田哲央 と 本郷里美 を

“本来の形” に戻せ。


成功すれば、人類滅亡率 20%ダウン



そんな重大なミッションが表示されているとも知らず、

銀子は全身をローションで整え、ナイトパックを貼ったままベッドで夢を見ていた。


「てつお……もう、ダメだってば♡」



勇者・銀子

人類を救う大きな一歩と

“やっぱり恋人が出来ない現実” を突きつけられるまで


──あと三日。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ