6.歓迎会
波多野アキがサークルに加わり、その日はタイムオーバーになった。
もう遅かったのもある。
加えて、既存サークルの新入生歓迎食事会が周辺の飲食店で開催され始め、キャンパスから生徒がいなくなってしまったのだった。
すると、リサがとんでもないことを言い始めた。
「よーし!今日は新しい仲間が2人も加わっためでたい日よ!カヲルの家で歓迎会をやらなきゃ!」
おい。せめて自分の家で提案しろ。隣だろ。
「え、カヲルンの家いいの?」
「そんな、突然で申し訳ないです…」
なんて常識のある2人だ…誰かさんにも見習ってほしい。
「大丈夫よ!元々その予定だったから」
それはお前の中での話だろう。
俺は初耳だぞ。
「そっか~それならお邪魔するねカヲルン」
「お言葉に甘えて…」
俺はバカへの文句を必死に堪え、美少女たちが家に来る状況を楽しむことにした。
家への道中、俺たちはアキちゃんへこれまでの経緯を説明した。
「へ~!インフィニティって言うんですね!良い名前だと思います!」
「そうでしょう!アキ、分かってるわね!」
そして、キャンパスから歩くこと15分ちょっと。
俺のアパートに着いた。
「あ、方向一緒だな~と思ってたけど、ここ家から近~い!」
なんと、マリンもここら辺なのか。
と、ここで俺はあることを思った。
リサが隣人であることは言うのだろうか。
言わないのも変だが、何か変な勘違いをされても…
なんていうのは無用な心配だった。
「じゃあ、私一旦部屋戻って、お菓子とかジュース持ってくるわね!」
そういえば、買い出しをしていなかったが、準備してたのか。
まさか、コイツ最初から俺の家で…
それよりも、隣に住んでることを全く隠す気がないぞ。
マリンとアキの反応は…
「え、同じアパートなんだね~!すごーい」
「隣なんて、すごい偶然ですね!」
別になんてことなかった。
そして…何だかんだ何だかんだとあり、なんと学校初日にして、俺の家には3人の美少女が来ていた。
これは…ラッキー、なんだよな?
ラッキーだと信じよう。
「「「「かんぱ~い!」」」」
始まってしまったマイホームでの歓迎会。
俺たちはジュースで乾杯をした。
「いや~初日で5人目まで集めたかったけど、まあマリンとアキを捕まえられたことだし、良しとしましょう!!」
このバカ『捕まえた』っていったぞ。
ポ〇モンじゃねぇんだから。
「5人目は男の子がいいよね~?カヲルン男の子1人で可哀そうだし?」
「そうですね!たしかに!」
「アキちゃん、ウチら同級生なんだし、敬語じゃなくていいよ~?」
「あ、そ、そうだよね…ありがとう!」
マリン…ほんと良い奴だな…
「男ね~?別に私は性別なんて気にしてないけど。まあマリンがそういうなら、その方向で!」
リサさんには気を遣うという概念が無いらしい。
知ってたけど。
「俺もそちらの方が嬉しいな!気遣いありがとうマリン!」
ここで、リサは5人目探しに関する指針を明確にした。
「じゃあ、メンバー探しは男優先で!明日も学校でオリエンテーション2日目があるし、連絡とりながら動きましょう!」
異論はない。
歓迎会は続く。




