4.3人目
午後のオリエンテーションはとても長く、退屈に感じた。
合間合間にリサはサークルの展望を話してきた。
が、適当に聞き流していたので、内容はあまり覚えていない。
多分、人数を増やして勢力拡大をし、色々やりたい、的なことを言っていたと思う。
「さあ!早速、3人目を探しに行きましょう!」
「探すって言ったって、どうするんだよ。キャンパス内は既存サークルの勧誘で一杯だぞ。俺らの誘い文句『なにするか決まってないんですけど、これから出来るサークルに入りませんか?』だぞ?」
「はあ…アンタはほんとに、ダメ、ね…」
俺は、イラっとした。
「もっとラフに考えなさい?『私達と楽しいことしない?』的な感じで誘えばいいのよ」
どこのナンパ師だよ。
ナンパ師にしても古いぞ。
「ほら、あそこの子、元気そうでいいじゃない!」
バカが指をさしたのは、少し遠くにいるギャルだった。
金髪のミディアムロング、ブカブカのデニムに肩出しスタイル。
絶対にイケイケのサークルに入るタイプだ。
「いや、あの子絶対イケイ…」
指摘しようとしたときにはもうバカはギャルの方へ向かっていた。
そして二言、三言交わし、すぐにこちらへ戻ってきた。
「ほらみろ、やっぱり断られ…」
「入るって」
「…えええええ!」
つい大きな声を出してしまった。
よく見ると、バカの後ろからギャルが付いてきていた。
「はじめましてぇ~マリンって言います~!よろしくね!」
「あ、え、光野カヲルって言います。よろしく…」
「カヲルンよろしく~」
カヲルン、横のバカの得意げな顔が腹立つ☆
「あの、マリンさんは何でこのバ…リサの勧誘を快諾してくれたんですか?」
「呼び捨てで良いよ~(笑)あと、敬語もやめてよ~同級生でしょ?」
優しい。好き。
「いや、ウチ別に入るサークル決めてなかったし?リサちゃん、めっちゃ可愛いし、面白そうだったから?即決しちゃった~」
ギャルだ…
「そうなんです…そうなんだ!でも、俺ら何をするか決まってないサークルだし…」
バカがカットインしてきた。
「何をするか決まってないんじゃなくて、何でもするのよ!!」
「それな~めっちゃおもしろそ~」
やばい、マリンちゃんとバカの相性、良いのかもしれんぞ…
「そんで、5人いたら、部室もらえんでしょ~?あと2人もパパっと集めちゃお~?」
「そうよマリン!やる気があってよし!カヲル!アンタも見習いなさい!」
俺は、イラっとした。
しかし、面倒なので返事をした。
「…はい」




