3.インフィニティ
午前中のガイダンスが終わり、昼食の時間になった。
隣のバカ、もといリサは復活していた。
「じゃあ、食堂に行きましょう!そこで、私の考えたサークルの活動内容を発表するわ!」
「おう」
もう俺は抵抗する気を無くしていた。
考えるのが面倒だ。
アホの子、もといリサはずんずんと食堂へ向かって進んでいく。
どうやら、今朝、学生部へ行った際に食堂の近くを通ったらしく、場所が分かるとのことだ。
食堂は新入生、そして上級生で溢れかえっていた。
なんとか席を見つけ、食事をゲットした俺たちは、向かい合わせで座った。
うどんをすすりつつ、リサは話し始めた。
「それで、サークルの活動内容なんだけどね?特に決めないことにしたの」
俺は耳を疑った。
「決めない?どういうことだ?」
「例えば、テニスをやるサークルって決めちゃうと、テニスしか出来なくなっちゃうでしょ?それじゃあ、後からやりたいことが出来た時に困るでしょ?」
コイツはテニスをしないテニスサークルの存在を知らないのか?
そう思いつつも、ツッコむのが面倒だった為、理解したふりをして聞き続けた。
「ふんふん。それで?」
「だから、やることを限定しない、画期的なサークルを作るのよ!もう名前だって考えてあるのよ?聞きたい?」
すっと言えば良いのにめんどくせぇな。
あと、それって俗にいうオールラウンドサークルじゃないのか?
と口に出すともっとめんどくさそうなので、適当な相槌を打つ。
「ほう、どんなだ?」
「インフィニティ!!!」
周りが一瞬こっちを見た気がした。
羞恥心はないのかコイツ。
いや、あるな。
数時間前、顔真っ赤にしてたもんな。
それにしてもインフィニティ、無限か。
やることが無限だからインフィニティか?
「やることが無限だからインフィニティよ!」
想像を上回ってこないなコイツは。
「まあ、良いんじゃねえの」
「ふふん、良いでしょう?」
気づいたら、俺はカレーライスを食べ終わっていた。
自分が如何に適当に聞いていたかが、分かる。
「まあ、活動内容とサークル名は分かったけどさ、部員はどうするんだ?あと3人集めないとなんだろ?」
「そう!あんたも乗り気になってきたじゃない!」
俺は、イラっとした。
リサは細く、白い指を3本前に出した。
「3人!3人集めるのよ!まずはそこからね!インフィニティの最初の活動よ!」
俺もやるのか…




