155:来るべき決戦の時
1年後…ついにアントワネットと夫婦としての交わりを交わす日になって、ルイ16世にある問題が生じてしまった…。
小説家になろうのガイドラインに従い、この章では夫婦としての営みについて語るシーンが登場しますが、R-15相当の表現に抑えております。
ご了承の上、お読みください。
☆ ☆ ☆
1773年11月2日
とうとう、今日がやって来た。
転生してから早3年……。
改革を始めて早3年……。
3年間という月日はあっという間に過ぎ去ってしまう。
気がつけば転生してもう3回目の秋がやって来たわけだ。
色々と初期段階から講じてきた農奴解放政策や、税収改革も成功しており国内の情勢は史実のフランスよりはかなり良い状態に持ち直した。
国王であるルイ16世こと、俺に対する支持も上々であり国の基盤も固まりつつある。
「今日はアントワネットの誕生日だなぁ……」
今日はアントワネットの18歳の誕生日だ。
そう彼女がこの世に生を受けて18回目の誕生日。
これの意味が分かるか?
当初嫁いで来たときに夫婦としての交わりをするなら18歳になってからしようと交わしていたんだ。
その日がやって来たんだよ。
つまるところ……世継ぎを育てるためにアントワネットと合意の元で、子作りをするというわけだ。
コウノトリが赤ん坊を運んでくるという話を信じるのは小学生までだ。
(今日、この日の為に3年間を内政に費やしたと言っても過言ではないな。彼女と幸せに過ごす為に……)
そう、ここ3年間は内政とかで手一杯だったこともあって夫婦の夜の営みとかは全くと言っていいほどにスルーしてきたんだ。
思春期真っ盛りの男子なら、毎日スケベルートに突入したかもしれないが、フランスを改革してアントワネットを幸せに暮らすことを誓った俺からしてみれば、可能な限り将来の不安要素を排除した状態で世継ぎとなる人物をしっかりと育て上げることを目標としていたので、そうした性に関することは殆ど得られていないのだ。
むしろ、そうした事もあってか純粋で純情なアントワネットから好かれているのかもしれない。
(だけど……今日でそうした関係ではなく、より一層深みを増した夫婦としての関係にならないといけないのか?前世童貞だったから初夜のやり方とかどんな感じでやればいいのか分からねぇぞ!)
問題は俺が前世を含めて、一度もそうした行為とは無縁の生活を送っていたところだろう。
電車の中でイチャイチャしているカップルがいれば、リア充爆発しろと思っていたり。
ヌード雑誌が用水路の片隅に引っかかっていて、それを取ろうとして落っこちて全身ずぶ濡れになったり。
極めつけは高校時代に俺の親友の下駄箱だけがバレンタインデー時にチョコの箱が山のように積まれていて、そのうちの一部を渡されて……。
『俺、こんなにチョコいらないから、このチョコお前にやるよ!』
……と、本命チョコを渡されてこれがリア充の味か……と涙した記憶がある。
ちなみにその直後に、親友に渡した本命チョコを同じクラスの女の子に見つかって、しばらく女性陣は口をきいてくれなかった悲しい思い出ぐらいしかない。
とにかく女友達との付き合いすらなかったんだ。
アントワネットとはうまい具合に距離を取れているんだが、いざ尋常に……本番勝負となった際に、どうやっていいムードになって夫婦として行うべきか……という問題になってきてしまっている。
(成年向けのビデオとか……そういう同人誌しか読んだことが無いから分からないじゃないか!)
これは決していやらしい目的で述べているわけではない。
本当に……この最初で一番大事なポイントで失敗してしまったらどうしようかと悩んでしまっているんだ。
正直に申し上げると、昨日からずっとこの事で頭を抱えているんだ。
アントワネットは受け入れる準備みたいなのを進めていると聞くし、これで俺が初夜の行為に失敗でもしてしまったらこれまで築き上げてきた夫婦関係が終わってしまうのではないか?
そういう不安で心が押しつぶされそうになってしまうのだ。
アントワネットは史実より、ルイ16世である俺の事を愛している。
だからこそ、俺がここ一番という時に限って失敗してはいけないんだ。
そのプレッシャーは凄まじいものだ。
もう彼女は出会ったときよりも少女らしさは消えて、身体は大人になりつつある。
今までは……そうした面ではなく人格や性格などを見て話していたんだが、やはり身体が変化を遂げている所をみてしまうと……そうした関係で結んでいく際にどうなるんだろうと思ってしまうのだ。
俺たち夫婦にとって記念すべき夜戦を行うまでまだ時間はある。
アントワネットは今日の為に色々と準備をしているらしい。
アントワネットの誕生日会を行う予定だが、その誕生日会を終えてからが本番となるだろう。
予行演習もしていないが、少なくともこの悩みを誰かに打ち明けたい気持ちで一杯だ。
適材適所というか性の快楽の境地を極めていたルイ15世は既に他界している上に、女性との経験が豊富過ぎるのも問題だ。
彼の場合は性欲発散の為に子供を非公認で産んだとも伝えられている。
数にして約20人以上と性的関係を持っていたそうなので、少なくとも経験は豊富からもしれないが、性病感染リスクや将来の事を考えれば愛妾を持たない事がベストだろう。
アントワネットが何よりの純愛主義者だしね、俺もそうだけど。
そういうわけで誕生日会が開かれるまでに、俺はとある人物を呼び出して相談をする事にしたのであった。
バレンタインデーのチョコの話は作者の実話だったりします。




