表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

105/1014

103:恋はサスペンス

★ ☆ ★


ランバル公妃、ルイーズ・マリー夫人と一緒に着付けをしている真っ最中ですの。

フランスの最新のファッションらしいですが、ドレスを魅せるため腰にコルセットを巻きつけなければなりません。

少々……キツイですわ。


「些か締め付けがきつくありません?コルセットとはこんなものでしょうか?」

「コルセットはこのように複数人で結びつけるものほど身体が引き締まって見栄えが良くなるとの事です。もしコルセットが合わないようであれば別の物にお取替え致しますよ」

「ではお願いしますわランバル公妃、私にはちょっと合わないみたいですの」

「ええ、無理してコルセットを装着すると腰を悪くするみたいですし、直ぐに別のコルセットに取り換えましょう」


コルセットを付けると腰のくびれがギュッと引き締まって胸が大きく見えると言われております。

腰を締め付けることによって、胸を強調するのだとか……。

胸?私の胸?

そういえば……。

ここ最近、ミルクを飲んでいることもあってか大きくなったように感じます。

オーギュスト様曰く、身体が大きくなる時期だからドンドンミルクを飲んだほうが身体に良いよとの事なので、毎日必ず飲んでおりますの。


そのせいか……。

身体も一段と成長しているように感じております。

成長は喜ばしい事です。

それは分かっております。

ですが、このまま身体が大きくなっていくということは、大人になるという事でもあります。


(オーギュスト様は大人になった私をどう見てくれるのでしょうか?)


それが一番気になっておりますの。

18歳の誕生日を迎えたら世継ぎを授かる行為を行おうと言っておりますが、その頃には胸も身体も大きく育っている事でしょう。

身体はより一層大人の女性になって……ああ、オーギュスト様との間に世継ぎをしっかりと産まなければなりませんわね。


「ランバル公妃、ちょっといいかしら?」

「ええ王妃様、どうかされましたか?」

「その……身体が大きくなる時に……大人になる感覚はやって来るものなのでしょうか?フランスに来てから背も少し伸びてきているので、身体が大きくなっているように感じるのです」

「大人の感覚……でございますか?」


この部屋の中で一番歳が上のランバル公妃ですもの。

そうした質問をするのには女性陣で話したほうがいいですわ。

男性だと戸惑ってしまうでしょう。

特に、オーギュスト様はそうした身体にまつわる話になると、少し恥ずかしそうにたじろぐ様子があるので、こういった話は同じ女性同士で行ったほうが気軽に行えますのよ。


「そうですね……私の場合は17歳ぐらいにかけて成長してきましたわね。どうやら個人差によって早く来る人もいれば遅くくる場合もあるそうですよ」

「成程……ルイーズ・マリー夫人はどうかしら?」

「私の場合も……殆ど同じですわね。大人になるという事は……それだけ身体だけでなく精神的にも強くならないと辛くなります」

「ええ、王妃様が国王陛下と仲睦まじい姿を見ていると、私達はお2人の幸せを祈っております……なので、私達が全力でサポート致します!」


ランバル公妃とルイーズ・マリー夫人は、双方ともに良い旦那さんに恵まれませんでしたの。

2人とも今はイキイキとしていらっしゃいますが、それでもお二人とも旦那様には恵まれたとはいえず、不遇の日々を過ごされておりましたの。


ランバル公妃の場合は、旦那さんであるルイ・アレクサンドル公とは不仲だったそうです。

というのも、ルイ・アレクサンドル公には放浪癖があり結婚しても他の女性とふしだらな事をしていた結果、性病を患って1年で亡くなったそうです。


そしてルイーズ・マリー夫人の場合は、言うまでもなくオルレアン家の次期当主であったフィリップ2世が愛人を教育係として迎え入れていた結果、奥さんである夫人の隣の部屋で堂々と淫らな行為を行っていたそうです。


2人とも、旦那様に恵まれなかったこともあってか、私に対しては全力で応援してもらっているのです。

彼女達には悪いように思えてしまいますが、それでもオーギュスト様へのアドバイスを貰うなど、これまで以上に献身的に働いてくれています。

なので、いつかオーギュスト様と相談して新しい旦那様をご紹介させてみるのもいいかもしれません。


「では王妃様、今日の衣装はこちらの赤紫色のドレスに致しますか?」

「ええ、そのドレスでお願いするわ」

「先程のコルセットよりも大きめのものをご用意いたしましたのでこちらを着てみますか?」

「ええ、では早速お願いするわ」


ドレスにコルセット……。

着付けに時間はかかりますが、その分ランバル公妃やルイーズ・マリー夫人がサポートしてくださいますので特に問題なく社交ダンスの際にはお披露目できそうですの!

オーギュスト様も支度をしている真っ最中ですので、早く社交ダンスの時間になって欲しいです。


部屋に置かれている時計では時刻は午後2時30分。

社交ダンスの開始時間は午後4時から中庭で開催されますの。

フランス中から色んな人がやってくるとのことで今から楽しみです!

私は開催が始まるまでにランバル公妃、ルイーズ・マリー夫人のサポートによってドレスの着付けを行うのでした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー

☆2020年9月15日に一二三書房様のレーベル、サーガフォレスト様より第一巻が発売されます。下記の書報詳細ページを経由してアマゾン予約ページにいけます☆

書報詳細ページ

― 新着の感想 ―
[良い点] 一気読み3日目に入りました。 [気になる点] ブラジャーの発明は20世紀。それまで、女性がバストを支えるために使っていたのがコルセット。 つまり、コルセットは 必 需 品 なので、アントワ…
[一言] コルセット廃止するべきだと思うが。改革案の一つとして取り入れないんだろうか。
[良い点] 毎日楽しく拝読しております。 コルセット、当時の女性たちには大変な負担だったと思います。是非とも、コルセットなくとも胸を強調できる素晴らしい下着である、ブラジャーを開発してあげて下さい。い…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ