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1045:輝ける未来

今年最後の投稿になりますので初投稿です。

蒸気機関に関する技術革新は留まることを知らない。

今日までに報告されているものだけでも様々な技術が発明され、誕生している状況だ。

ベンジャミン・ハンツマンというイギリスの発明家が遺した鋳鋼技術がフランスに渡っており、この技術を応用して鋼鉄技術の開発も進んでいるのだ。


これにも蒸気機関を使った製造工程があるため、蒸気機関産業は今現在うなぎ登りに躍進を遂げている分野でもあるのだ。

製造過程で蒸気機関を使うという事は、製造の各工程でも流れ作業が出来るようにラインを整えて人だけでなく機械を使って鋼鉄を移す工程が繰り返されている。


それまでは錬鉄技術を有していたのだが、これも強度の問題であったり鉄よりも製造工程が複雑であり、かつ人力が主体で行われるために、効率が悪いものとなっていたのである。

それを解決したベッセマー法と呼ばれる転炉技術がアメリカを中心に広がり、そのベッセマー法から不純物を取り出す改善法を産み出したトーマス転炉が広く普及し、これらの転炉工程は現代においても製造業に関わる人達の役に立っており、かつ進化したものが未だに使われているのだ。


その技術に関して、実はトーマス転炉が既にフランスで稼働を開始しているのだ。

というのも錬鉄から鋼鉄に移り変わる上で必要不可欠な転炉と呼ばれる技術に関する製造工程を記載していた本を持っていたメリッサからの技術供与があったからこそ出来た技である。

建築関係の本が主体であったが、その中にベッセマー法とトーマス転炉に関する技術が書かれていた記述を記したページが見つかり、科学者と技術者がそれが実現可能かどうか調べるためにテストを繰り返した結果、高純度の製鋼技術を半世紀以上早く獲得したのである。


しかも、メリッサがやってきてまだ半年しか経過していないのだ。

その間に試験製造と運用が開始されて、4か月ほどで完成して先月の15日から製鉄工場において転炉が稼働して試験的ではあるが転炉を4基製造し、生産を行っているのだ。

メリッサが鉄鋼関係の技術を半世紀ほど早めたのである。

本来であればゆっくりとした技術進歩となるはずが、まさかここまで発展できるとは思わなかったのだ。

俺自身は専門家ではないからそこまで色々と突っ込むことはできないが、メリッサ曰くこの時代でも製造可能であり、かつ大規模に生産が出来るようになったと語っていたのである。


「転炉を使った鋼鉄の製造か……錬鉄よりも遥かに丈夫で大量生産が出来るようになっているともなれば、この技術を有しているフランスがいち早く技術の分野でトップに躍り出ることが出来たからなぁ……なにせ、本来であれば19世紀後半に作られるはずの技術が18世紀に作っているからね……その分、技術革新は進んでいくことになるだろうね……」


今現在、この転炉から精製された鉄鋼を使った鉄道レールの敷設が急ピッチで執り行われているのだ。

というのも、従来の鉄だけで出来たレールは腐食などが早く進んでしまい、敷設してメンテナンスなどを行っても3年程度でレールの劣化が早まり、場合によっては脱線事故などの原因に繋がってしまう。

故に、転炉作業から製造された鋼鉄を使用したレールを作り、列車を走らせることで耐久性なども飛躍的に向上することが出来るようになったのである。


それだけではなく、鋼材を作る上で欠かせない素材が出来るという事は、橋やビルといった大きな建築物においても使える素材であり、この素材を使って建設などを行えば飛躍的に高層建築などを作ることができるようになるのだ。鋼鉄は人類の発展する素材といっても過言ではない。

さらに言えば、こうした鋼鉄を利用してトラクターや自動車などにも使われているため、近代文明に発展していく上では必要不可欠な材料でもあるのだ。

その材料を手に入れるという事は、文明をより発展させていく上で重要なものになり、このまま進めば蒸気機関で動く自動車も出来上がりそうだ。


錬鉄技術を応用して建設されたのがパリのエッフェル塔ではあるが、この世界ではさらに強度を高めた鋼鉄を使って製造されることになるだろう。

エッフェル塔という名前も、また違った名前で建造されることが予想されており、今現在パリの中心部において最先端技術を使った高層建築物の建造計画が立案されているが、北米複合産業共同体との戦争終結後に建設開始を行う予定である。


「パリを一望できる高層建築……高さはこの時代では最高峰となる200メートルクラスの建築物となる予定か……鋼鉄の値段もその頃には大量生産で安くなるだろうし、それでフランスの技術力を世界に示す指標となるからいいと思うけどね……ただ、パリ万博の際に作られたエッフェル塔が300メートルちょいあったはずだから……それに比べたら小さいけど、この時代に200メートルクラスの展望台が付いている高層建築を建設できるなら上々だな」


この時代では大聖堂などの大型建築物でも100メートルを超える高さのものは数える程度しかなかった。

現に、この時代に存在している建造物の中ではイングランドのリンカン大聖堂であり、この高さは160メートルもある大型建築物でもある。これを16世紀に建造していたのも驚きだが、やはりクレーン車などの現代でも必須の機械を使わずに人力で作るとなれば、それ相応に人力も掛かる。

かの東京タワーに関しても、当時の鳶職の人達が熱々のボルトを手渡しで受け取って嵌め込んだり、命綱無しで作業を行っていたとされている。


この時代においても、命綱は流石にあると思いたいが、基本的に鳶職に当たる建設関係の人達の多くに関しては国家事業で進めているプロジェクトにおいては労災が発生した際に、フランス政府で労災分の怪我の保障や補填などを行う取り組みを進めている。これは将来労働災害が発生した際に、怪我や死亡事故が起こった時に民間で保障がない為に泣き寝入りを余儀なくされる人達を減らし、国が主体となって労災に関して保障手当を出しておくことを義務化するためにも必須のことでもあるのだ。


大型の転炉を使って鋼鉄を生産する技術が確立されたことにより、フランスでは鋼鉄製の製品に関して来年度から大規模な生産が行える手筈が整いつつある。

北米複合産業共同体との戦争においても、ニューヨーク……いや、ノーフォーク造船所を攻略する前までには鋼鉄製の武器や兵器を実戦投入してこちら側の損害を軽微に出来るかもしれない。


「鉄鋼技術によって変えるとなれば……この戦争も変わるだろうな……」


鋼鉄製の装甲板を取り付けた防弾仕様の盾を持った装甲騎兵を投入し、蒸気機関を内蔵した空気機関銃でも跳ね除ける装甲を持っていれば、これらの使用条件にも適応できるはずだ。

いずれにしても、今のフランスは技術力も資金力も史実とは比べ物にならない程に向上している。

北米複合産業共同体との戦争が終わり次第、そういった鋼鉄を使った大型建築物を建築して多くの人々に使われるようなものを作るだろう。

戦争から平和のために作られるものであってもらいたいものだ。

来年もよろしくお願いいたします。

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