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50.魔剣探しへ

50話達成!

読んでいただきありがとうございます!

 ダンジョンへ潜るのは翌日からということになった。


 探索する頻度についてだが、往復に2日、探索に1日の2泊3日で1日休日を挟んでのこのサイクルを繰り返し1ヶ月間行っていくことになった。


 フロスティはダンジョン内への長期滞在を望んでいたが、ミランダが頑なに譲らなかった。


 後でミランダに聞いたところ、依頼主、それも貴族と長期間寝食を共にするのが嫌なのだそうだ。


 フロスティは気さくだし、多少無礼を働いたところで気にはしなさそうだが、確かに知り合ったばかりの人と何日も一緒にいるのは、ストレスに感じる人もいるのかもしれない。


 ただ、質問に答えるときミランダの視線が泳いでいたので短期間の探索を望む理由は他にもあるのかもしれないが、ケントには言いにくいことなのだろうと勝手に納得する。


 それとミランダから指令が出た。


『契約があるのだし、ケントも遠慮なく力を使ってこんな依頼すぐに終わらせるわよ!』


 とのことだ。


 どうやらミランダはこの依頼は早急に片づけたいようだ。


 ケントとしては美人でお嬢様のフロスティと寝食を共にできる、またとない機会なので期限ぎりぎりまで延ばしたかったのだが。


 もしかしたらあんなハプニングやこんなハプニングが起こるかもしれないのに。


 まあ、ミランダに言われたのなら仕方ない、早急に魔剣を見つけられるよう努力しよう。


 ハプニング担当はミランダが引き継いでくれるはずだ。


 ◇


 依頼を受けた翌日。


 ケントとミランダは待ち合わせ場所であるギルド前にいた。


 まだ日が出てきてそれほど経っていないため、生活音こそ聞こえるものの人通りは少ない。


 たわいない話を2人でしながらしばらく待っていると、昨日と同じ軽装備にローブ姿のフロスティが歩いてきた。


 てっきり伯爵令嬢なのだから馬車できて、下手したらダンジョン入り口までは馬車かとも思ったのだが。


「おはよう、フロスティ」


「おはようございます」


「うん、おはよう!

 ケント、ミランダ」


「フロスティは歩いてきたの?

 伯爵令嬢だしてっきり馬車で来るのかと思っていたんだけど」


「ん?

 ああ、普段は馬車で移動することもあるが、今日はこれからダンジョンへ潜るからな。

 ダンジョンへ挑むものが馬車で移動するなど格好がつかないであろう」


「そうかな…?

 あまり関係ないような気がするけど」


「まあ、気持ちだ、気持ち。

 私の思い描く冒険者像はそうなのだから、それでいいじゃないか」


 はっはっは、と笑うフロスティ。


 それにしても冒険者像って…。


 フロスティはあまり冒険者と関わったことがないのかな。


 そういえば1つ聞いてないことがあった。


「ねえフロスティ、1つ質問なんだけど。

 フロスティはダンジョンに潜ったことあるの?」


「いや、ない。

 今回が初めてだ。

 だが森へはうちの騎士団と共に行ったことがあるから、魔物討伐自体はしたことがあるぞ」


 ダンジョンの魔物と違って、森の魔物には存在するエリアに明確な線引きがない。


 そのため稀にではあるが、森の魔物たちが外へ溢れてしまうことがあるらしい。


 冒険者も森で魔物の討伐を行うが、領主も自領の安全の確保のために定期的にお抱えの騎士団を派遣して、魔物の間引きを行っているのだとか。


 それにしてもフロスティはダンジョン初めてか。


 でもまあ、魔物の討伐自体は行ったことがあるようだし、いざ魔物と相対してもお嬢様だからといってパニックを起こすようなことは無いだろう。


 …それを抜きにしても、今までの雰囲気からパニックを起こすフロスティなど想像できないが。


 どちらかというと嬉々として魔物を屠る彼女の姿の方が想像しやすい。


 それに脳内マップで魔物の不意打ちは防げるし、ケントもミランダも9階層までの魔物に後れを取ることはないだろうから、フロスティの警護も万全だ。


 伯爵令嬢に傷の1つでもつけたら本人は気にしなくても、伯爵家から何を言われるか分かったもんじゃないからね。


 …もしフロスティが怪我しちゃったら、回復魔法でなかったことにしよう、うん。


「それじゃあ行こうか、魔剣探し」


「2人ともよろしく頼む」


 3人は人気の少ない中、ダンジョンへ向けて歩き出した。


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