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23.仲良し

「エミリア、ただいま」


「あっ、ミランダさんお帰りなさい!

 …男連れですか。

 連れ込みはあまり歓迎していないんですけど、ミランダさんは特別に見逃してあげます。でも、うち結構声が響くので静かにお願いしますね。

 汚れたシーツは洗いますけど、さすがにベッドが壊れたら修繕費貰いますから気を付けてくださいね。

 それから…」


「ちょっとエミリア、何言っているのよ!

 彼とはそんなんじゃないわよ。

 だいたい彼もここに泊まっているでしょ!」


(顔を赤くして否定するミランダ、かわえ~の~。

 そういう話にあまり耐性ないのかな、あんなにエロい体つきしているのに。

 胸当てに覆われていても主張の激しい2つのおもちが俺の心を掴んで離さないぜ)


「おっとそうでした。

 お帰りなさい、ケントさん」


「ただいま、エミリアちゃん」


 エミリアとは何度も朝夕のご飯の配膳をしてもらっているうちに挨拶をするくらいの仲になった。


 俺は紳士なので第二次成長期前の女児をエロい目で見ることはしない。


 せいぜいスカートの下にちらちら覗く健康的な太ももを拝むだけだ。


「2人は知り合いだったんですか。

 今までうちで話しているとこ見たことないような気がするんですけど。

 …まさか、隠れて付き合う必要がなくなったんですか。

 それで堂々と一緒に帰宅ですか。

 イチャイチャするなとは言いませんが、できれば部屋に戻ってからにしてくださいね。

 それとお願いがあるんですが、少し見学してもいいですか。

 ちょっと興味がありまして。

 心配しなくても大丈夫ですよ、部屋の隅のほうで空気になっていますから。

 それに部屋で見たことは他言しません。

 もしミランダさんにあんな性癖やこんな性癖があったとしても心の内に留めておきますから頭をぐりぐりするのやめて!痛い、痛い、痛い!」


 ミランダがエミリアに折檻をしている。


 2人仲良くじゃれ合っている姿を見ているとまるで本当の姉妹のようだ。


(だから金髪たちに狙われちゃったんだろうけど)


 あの事件が2人の間に亀裂を入れてしまうことも考えたが、どうやら杞憂だったようだ。


「まったく…、ひどいですよ…。

 ちょっと2人の性活に興味があっただけなのに…」


 エミリアが頭をさすりながら、ミランダに文句を言う。


「もうワンセット必要かしら」


「いえ、大丈夫です。

 それでえっと…、2人は知り合いだったんですか」


「まったく…。

 彼とは今日会ったばかりよ。

 いろいろあって彼とパーティーを組むことにしたの」


「そうなんですか!

 おめでとうございます!

 ケントさん、ミランダさんのこと逃がしちゃだめですよ。

 パーティー内でくっつくことなんてよくある話ですから。

 もしミランダさんの心を射止めることができたら、ぜひその日の夜はうちに泊まってくださいね。

 部屋の隅で見学させて痛たたたたっ!」


 再びミランダのお仕置きを受けるエミリア。


 先ほどより力が入っているのかエミリアの抵抗が激しい。


 ミランダも照れ隠しに必死なのだろう。


(でもなエミリアちゃん、世の中顔の占める割合は結構大きいんだよ。

 性格に問題さえなければ、他に優れたものがなくても顔がいいだけでモテるんだよ、イケメンは。

 それにこの世界、西洋風の整った顔のイケメンが多すぎるんだよ!

 ただでさえ普通程度だった顔面偏差値が、この世界では一気に下落しているよ、相対的に。

 そんな劣等生な俺じゃミランダの心を射止めることはできないよ。

 俺にできるのは、せいぜいたゆんたゆんな果実の中身を想像しながら視姦することだけだよ。

 それにしてもエミリアちゃんはなかなかおませさんのようだ。

 宿屋だと情事に触れる機会も多いのかな。

 ませたロリとか。

 禁断の扉を開いてしまいそうだ。

 紳士な俺ならきっと耐えられると信じよう)


「エミリアちゃん、そろそろ夕飯の用意をお願いしてもいいかな」


「わかりました~」


 ミランダから逃げるように厨房へ向かうエミリア。


「あの子ったら、本当に耳年増なんだから」


「はははっ、2人は本当に仲がいいね」


「まあ、ね。

 何だか妹みたいで。

 あの子とこうして話していられるのもあなたのおかげよ。

 本当にありがとうね」


「ミランダにはその分前衛として頑張ってもらうからよろしくね」


「もちろん、頑張りましょ」


「2人とも~、そんなところでいちゃついてないで席についてくださいよ~。

 料理が冷めちゃいますよ~」


 ミランダのお仕置きにも懲りずに軽口を叩くエミリア。


 ケントはミランダと顔を見合わせ苦笑いをした後、おいしい夕食をいただくのであった。


読んでいただきありがとうございます。

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