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13.実戦練習

 目の前にゴーレムの大きな背中がある。


 身長3m程、四肢は太くどっしりとした体形をしている。


 体は水で形成されており、心臓部には魔石が見える。


 早速ケントはこのゴーレムを鑑定してみた。


 ~ステータス~


【名前】なし  【年齢】0  【性別】なし

【種族】アクアゴーレム

【称号】従者

【レベル】1

【HP】2/2

【MP】36/36

【力】F

【耐久】F

【器用】F

【敏捷】F

【魔力】F

【スキル】

 回復魔法Ⅰ 空間魔法Ⅰ 水魔法Ⅰ 鑑定Ⅰ 隠蔽Ⅰ 隠密Ⅰ


(アクアゴーレムか。

 ゴーレムの割にHPが低いな。

 でもMPはHPよりかなり高い。

 それにスキルをいっぱい持っているみたいだけど…、ん?このスキル構成俺と同じじゃないか。

 さすがにエランティア言語理解とエランティアヒト種常識はないみたいだけど。

 スキルレベルは10分の1だし。

 よく見ればHPとMPも10分の1か。

 つまりこいつは10分の1に劣化した俺ということか)


 いろいろ試したいことはあるが、まずは動かしてみることにした。


(どうすれば動くんだろ。

 とりあえず念じてみるか。

 前進しろ!)


(……)


 ゴーレムが動く気配はない。


 何となくゴーレムの背中に触れながら再び念じてみた。


 するとゴーレムは前進を始めたのだ。


 もう一度背中に触れ前進を止めさせる。


(命令するたびに直接触らなきゃいけないのか。

 それは面倒くさいな。

 何か方法は…)


 試しにケントは水魔法でヒモの様に伸ばした水をゴーレムの背中にくっつけ念じてみた。


 思惑通りゴーレムは命令に応じた。


(これならある程度離れたところからでも命令できるな。

 後はどの程度複雑な命令をこなすことができるかだけど、まずは1回闘ってみるか)


 そう思いゴーレムに念じた。


(今から全力で俺と闘え。

 ただしとどめは刺さないように)


 すると振り返ったゴーレムが水魔法で作った小さな水球を飛ばしてきた。


 不意を突かれた俺は回避もできずに正面から水球を食らってしまう。


 全身水浸しになってしまったが、ダメージを受けた感覚はない。


(なるほど、ステータスの低い俺が正面から受けてノーダメージなら水魔法がサポート枠に落ち着いても仕方ないのかもしれないな)


 ふと足元の地面が消え、体が落下する。


 下半身が埋まったところで落下は止まり、水球が顔面に直撃する。


(ゲホッ、…アイテムボックスの応用か。

 下半身しか入らなかったのはスキルレベルがⅠのせいかな。

 もし完全に落とされて水攻めされたら溺死するな、これ)


 それにさっきからゴーレムを認識することに抵抗を感じる。


 おそらく隠密も発動しているのだろう。


(命令通り全力で戦ってくれているわけか。

 それならこちらも本気でいこう)


 素早く穴から飛び出すと、ゴーレムに向けて氷の弾を発射した。


 ゴーレムはその攻撃を予期していたのか弾の射線上に水球を作っていた。


 水球に当たった氷の弾は減速し、落下した。


(やるな~。

 これならどうだ)


 ケントはゴーレムの水球とは比べ物にならないほど大量の水をゴーレムにぶつけ、その瞬間すべての水を凍らせた。


 そして凍って身動きの取れないゴーレムに向かって氷の弾を発射した。


 今度は防がれることなくゴーレムを打ち抜き、HPが2しかないゴーレムは崩れ落ちた。


(同じステータスだったらきっと勝てないだろうな。

 でもいい実戦練習になった)


 そう思いながら魔石を回収した。


読んでいただきありがとうございます。

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