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Happy Birthday PAPA

作者: 北風まりあ


私が産まれて初めて、貴方の居ない貴方の65歳の誕生日でした。


今年の貴方の誕生日は、貴方の事を思う存分想う日にしようと思ったのに、思わぬ邪魔が入りました。


私が就職してから、貴方の誕生日にはラルフローレンのセーターやポロシャツや色んな物をプレゼントしました。


伊勢丹がセールになってる時期で、店内はいつもより商品が溢れかえって、ピンクとか貴方が着てくれるかな、サイズは大丈夫かな。など悩んで、迷うとママに電話して確認してから買ったものです。


去年は私が忙しくて、妹に頼んで確かパジャマをプレゼントしましたね。


私は少し遅れて子供達とテレビ電話をかけ、子供達は『じぃじ、お誕生日おめでとう!ばぁばより長生きしてね』と言って、笑って居た貴方。


その頃にはとっくに何度も死が頭をよぎって居た事でしょう。


未だに貴方が死にたくて死んだ訳じゃないと信じているので、何故 貴方はもっとズルく生きられなかったのかと、貴方の優しさを恨みます。


貴方のお陰で生き長らえた人が何人居たでしょうか。


貴方のお陰で人生を立て直した人が何人居たでしょうか。


貴方のお陰で保健所に連れて行かれなかった犬や、寒さに凍えて死んでしまう猫が何匹減ったでしょうか。


なのに貴方は貴方の命を大切にしてくれなかった。


私はいつも泣いています。


心が泣いています。


それはきっと私だけじゃない。


貴方を助けられなかった。と後悔しながら生きて行かなければいけない人が何人もいるでしょう。


貴方の亡骸を見付けてくれた、貴方の親友はどんな気持ちでいるのでしょう。



私は貴方にごめんなさい。とありがとう。を言えていません。


でも誕生日には手紙を書きます。


きっと来年も書きます。



パパ誕生日おめでとう。


身体に気を付けて長生きしてね。




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