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前編
警察が追っている連続殺人犯がいる。
被害者はいずれも二十代の男性。全員に犯された跡が見つかっている。犯された後、首を紐状のもので絞められ窒息死している。
そして、左胸には十字架のような傷が付けられていた。
白い部屋。
駿介が訪れると、白田はソファーに足を組んで座っていた。その手には捜査資料。
「やあ、駿介。
何か分かったのかい?」
「……ああ。被害者は全員同じ精神科医の診察を受けてた。今から話を聞きに行くところだ」
ガシガシと頭を掻きながら駿介はぽつりと呟く。
「しかし犯人が何を考えてるのかさっぱり分からん」
「…………」
「っ」
トン、と白田に押され、駿介はソファーに倒れ込む。白田はそこに馬乗りになった。
「おい、白田……」
『何で俺を見てくれないんだ。こんなにも愛しているのに』
「……っ……」
「……あくまでも想像だけどね。こんなことを犯人は考えてるんじゃないかな」
「…………」
犯人はお前なんじゃないだろうな。と駿介は思ったが口には出さなかった。