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奇妙な関係  作者: 悠里
第一章 刑事と殺人鬼
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後編


ファイルを閉じた白田が口を開く。


「……警察は同一犯の犯行だと思ってる?どうして?」

「それは……手口が同じだし、犯人しか知りえないテディベアを添えてる。それぞれの被害者に容疑者は出たが、全員アリバイがあった」

「それは、情報を共有すれば良いだけの話だよ」

「……お前はこの事件、複数犯の犯行って言いたいのか?」


駿介の言葉に、白田は笑って首を傾げる。


「入れ替えれば良い」

「は?」

「アリバイがあるのなら、入れ替えれば良い」

「…………。交換殺人?」


暫く考えていた駿介がぽつりと呟いたキーワード。白田はゆっくりと頷いた。


「よし。なら、その線でもう一度調査をーー」

「駿介」


部屋から出ようとした駿介がその声に振り向くと、いつの間にか直ぐ目の前に白田がいた。

ゆっくりと白田の指が、駿介の唇をなぞる。その冷たい感覚に、思わず身体が震えた。


「困ったら、またおいで」


赤い瞳が駿介を見る。駿介の耳に白田の唇が触れる。


「僕は、君の為なら何でもするから」

「っ!」


弾かれたように白田から離れ、逃げるように部屋を後にする。


「何なんだ……アイツは」


駿介には分からなかった。何故白田があんなことをするのか。あんなことを言うのか。

ーー白田を逮捕したのは、自分なのに。何故?


そんな気持ちを抱えながら、駿介は捜査本部に向かう足を早めたのだった。








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