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奇妙な関係  作者: 悠里
第四章 過去
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後編


駿介が目を覚ますと、白い天井と、涙と鼻水でぐちゃぐちゃになった顔をした大神の姿が見えた。


「ここは……」

「ぐすっ。病院ですよ。先輩っ」

「ぐっ……」


上半身を起こした駿介を、大神が思いっ切り抱き締める。かなり苦しい。


「心配したんですからね!先輩一人でどっか行っちゃうし!!俺の事忘れないで下さい!!」

「分かった分かった……俺が悪かった……だから離れてくれ……」


子供のように泣きじゃくる大神を宥める。勝手に一人で行動したのは事実なので素直に謝った。


「そうだ、鍋島は?」

「それが……俺達が駆け付けた時には気絶していて。先輩がやったんじゃないんですか?」

「…………」


駿介は何も言えなかった。





大神が帰った後、駿介は鏡で自分の状態を確認する。殴られた頬は腫れはひいていたが、紫色に変色していた。歯が折れなかったのが不幸中の幸いか。


「……ん?」


ふと、首筋に鬱血痕があるのに気が付いた。鍋島にはそこは触られていない。

と、いうことは。


「…………」




病院を抜け出し、白い部屋へ入る。


「やあ、駿介。傷の具合はどうだい?」


白田はいつものようにそこにいた。


何で外に出れたんだとか。

痕を付けたのはお前だろうとか。

言おうとした口は、白田のそれで塞がれた。


「っ」


入って来た舌が、塞がりきっていない傷口に触れる。ビリッとした痛み。

お仕置きだ。と言われているような気がした。





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