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4話 戦闘 メイド無双編

 あの部屋から出ると、廃墟だった。出て来た場所も壁一枚、反対側は部屋が無く、普通に何もない。あれ?この壁だけ部屋と繋がってる?


 スマホを見るとAM10:14と表示されている、魔王によると、この世界にもう時刻を合わせているそうだ。ちなみに、1ヶ月は30日で12ヶ月で1年と大体向こうの世界と同じだ。


 周囲は森に囲まれ、まったく方角が分からない。


「とりあえず、今日中に森を抜けるのは無理でしょうから、森で野宿、明日の昼過ぎに森を抜けると思います」


 この森大きいのかな?一泊か、野宿は初めてだ。


「俺は地理に詳しくないから、おまかせするよ」


「ずいぶん、ゆっくりだね」


「魔王様?ここにでる魔物、分かりますか?」


「会う度に瞬殺だから知らないよ。スライムレベル1じゃないかな?」


「ここにでる魔物は、ベテランの騎士が10人以上で半日に一匹倒せればいい方です。」


 すごいスライムレベル1だな。余裕で死ぬる。


「もちろん、スライムじゃないですよ。サエ様を魔物から守る為に私を連れて行くのでは?」


「うん、それはそうだけど、竜や悪魔との戦いは厳しいかなと思って」


 いや竜も悪魔も戦わねえよ。えっ、戦わないよね?


「いきなりそんな死闘を?サエ様はそんなに強いのですか?」


 若干目がキラキラしてるような?そんな目で見られても……


「イヤイヤ無理無理。瞬殺される自信あるよ」


「では、予定通りに行きます。私が先導しますので、後ろから来てください」


「セアと2人だけど魔物は大丈夫?」


 魔王は強いって言ってたけど女の子だし、騎士10人の敵、ちょっと不安だ。


「そうですね。千の魔物に上空を取られ、手足を束縛されたら、傷を負いますね」


 パネェ、セアさんあんたパネェよ。


「あとは、勇者が3人位ですかね、能力によってですが」


「ソウデスカ」


 ともかく、俺たちは、森に向かった。




▲▲▲▲▲▲▲▲▲




 ───────2時間後。


 セアさん、無双。

 熊や狼、蜂に猪などの色んな魔物がいた、セアは魔法で火や氷の剣を作り、斬る、叩く、投げて木に貼り付け。50から先は覚えていない。


 俺?動かない魔物にもぐらでとどめ。これでも経験値が入るのだろう、レベルが上がる。戦闘?最初は手伝いをしようとしたけど、あの剣が飛び交う中に入れと?死ぬぞ。


 死んだ魔物は「はい、ポーズ」とカメラでストレージに入れる。役割分担が大事だよ。セア→戦闘、俺→とどめ&回収、魔王→見てるだけ。


 魔王はスマホを俺が常に使い続ける為、何もできない。


「そろそろお昼にしましょうか?」


 周囲には血の跡も無く、ここで戦闘が行われたと思えないほど、静かで澄んだ空気だった。


「賛成〜。俺も腹が減ったよ」


「では、どうぞ。お口に合えばよいのですけど」


 そういって、セアはテーブルと椅子を取り出し、テーブルにランチボックスを置いた。中は色とりどりのサンドイッチが、って、待て待て「これ、どこからだしたの?」


「メイドですから。あっ飲み物は紅茶でよろしいでしょうか?」


 セアが微笑みながら質問を返す。


「よろしいです」


 答えると、カップに紅茶が入れられて用意されていた。いつの間に?ずっと見ていたが、サッパリわからん。


 とりあえず、食べてみる。美味い。野菜は新鮮で取れたてのよう、卵も黄身が金色に輝いて、肉も柔らかく、肉汁がすごい。こんなサンドイッチ、食ったことないぞ。


「どうだったでしょうか?やはり、お口に「最高だよ」


「最高に美味い!」


「ありがとうございます」


 褒められて嬉しいのだろう、セアの口元がニヤニヤしてる。

 でも、さっきから椅子はあるのに立っているんだよな。何故?俺の疑問に気付いたのかセアが答える。


「メイドは主人の後に食べるものです」


「そんなの、別に気にしないよ。セアが作ったんだから、一緒に食べよう」


 食材を作る人採る人、料理を作る人が偉いと思うけど。


「しかし……」

「飯は皆一緒に食べた方が美味しいよ。ほら、座って」


 渋るセアに席を勧める。遠慮なんていらないのに。


「分かりました。では、ご一緒させていただきます」


 そういってセアも席に付き、食べ始める。うんうん、これでよし。


「我もお腹すいたなあ〜、すごくすいたなあ〜」


 魔王が何か言っている、そういえば魔王って食べられるのか?

 疑問が顔にでたのか、魔王が答える。


「カメラで料理を撮れば、食べられるよ。まあ、我は食事しなくてもいいんだけど」


 じゃあ、食べなくていいじゃん。料理がもったいない。


「『飯は皆一緒に食べた方が、美味しいよ』」


 クッ……別に魔王に言った訳ではないのだが、まあいいか、サンドイッチをスマホで撮る。


「うん、美味しいね。さすが、セア」


「ありがとうございます。魔王様」


 食べ終え、一息ついてセアに質問する。


「今さらだけど、こんなにのんびりしてて、魔物は襲って来ないの?」


 うん、本当に今さらだね。まあ、襲って来ても瞬殺だろうけど、一応。


「平気ですよ、この近くに魔物の気配はありません」


 この万能メイド様が言うなら平気だろう。さっきから魔物の発見率が半端ないし、木の上や擬態した魔物も見つけてたなあ。気配なんて俺にはわからんよ。


 さて、ついでにステータスも上げておくか。

 レベルが上がったのは、文字がスマホに小さく流れてたから、知ってるけど。あっ紅茶も美味しいな。


 レベルは10上がっていた。2時間程で、けっこうハイペースじゃないかな。とどめしかしてないけど。★が30個適当に割り振るか。


 サエ

 レベル11

 HP100/MP100

 体 ★★★★  2UP

 力 ★★★★  2UP

 守 ★★★★  3UP

 速 ★★★★  3UP

 魔 ★★★★  3UP

 スマホ ★★★★  2UP

 残り

 スキル スマホ系 通話機能 カメラ機能 ストレージ機能 (new)マップ機能 (new)リンク機能 (new)ムービー機能

 体系 不老 痛覚軽減 (new)視覚強化 (new)動体視力強化 (new)鑑定

 力系 (new)闘気 (new)ナイフマスター

 魔系 (new)詠唱破棄 (new)風魔法マスター (new)回復魔法マスター


 こんな感じで振り分けた。フフフ……ついに、魔法ゲット!火と水はセアが使えるので、あとまわし。回復は保険で、毒とか恐いし。

 魔法は自分の想像力で創る。出来そうなら頭に詠唱が浮かぶけど、長い、面倒くさい。あんな、中二病な台詞言えるか!とりあえず詠唱破棄で。


 マスター系は★を3つ使う。初級→上級→マスターと派生する。マスターになると、初級、上級は消えるようだ。


 魔王がスキルを系統別に分けてくれた。大変見やすいです。魔王、いい仕事するなあ。


 スマホ系はマップ機能とリンク機能が、スマホに★を振ったら増えた。

 ムービー機能はスマホの派生に★を振った。

 マップは今まで行った所と半径1kmが表示される。

 リンクはこの体とスマホをリンクさせ、目でカメラ機能、通話機能のリンクで任意の相手と念話など、色々使える。

 ムービー機能はスマホで撮っている間、画面内の時間が変えられる。制限時間は10秒。


 体系は視覚強化→動体視力強化→鑑定と派生した。セアの戦闘が見えないので、目を強化。体も★4つだし、戦闘もさっきよりましに動けるだろう。

 鑑定はスマホのカメラ機能で対象を映すと発動する。撮るじゃない。コードの読み取りみたいな感じ。一度読み取りをしたら、ギャラリーで参照可能。

 ちなみにギャラリーは標準装備、普通の写真もこちらに保存。思い出は大切に。


 力系の闘気は名前で選んだ。発動時はMPを使い、発動している間は減り続ける。効果は力が上昇、守が微上昇。ただし、反動がすごいらしい。

 ナイフマスターはその名前の通り、ナイフの扱いが上手くなる。ナイフの力を引き出す。


 大体、ステ振りはこんなとこだ。セアが後片付けを終えたら出発。次は俺が戦うとセアに告げ、さあ、魔物退治だ。


 ▲▲▲ 蛇足


 サエ「そういえばこの料理いつ作ったの?」

 セア「戦闘中にですよ」

 魔王「魔物殺しながら材料の採取と焼いたり切ったり料理してたよ」

 サエ「セアさんパネェ!」

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