ノーベル賞の為に
世の奥様方もノーベル賞には関心があるようで…
「ねえ、奥さま、今回のノーベル賞で日本人3人が受賞しましたでし
ょ?」
「そうね。ノーベル…物理学賞? でしたっけ」
「そうそう、なんでも青色発光ダイオードの研究、発明とかなんと
か…」
「それそれ、青色ダイオード! よくわからないけどスゴいですわ」
「ええ、ほんと! やっぱり日本人で世界に通用するのは科学者で
すわ」
「ホント、そうですわね。ここ最近の受賞者を見るとみんな理系の
方ですわね」
「奥さま、私ね、今度息子を理系の方に進ませようと思いますの」
「へえ、それはいいお考え。ゆくゆくはノーベル賞を取ることが出
来るような」
「ええ、そこまでは…あ、でも可能性が無いわけじゃありませんも
のね」
「そうね。実は私の家でも…」
「あ! やっぱり理系方面に進学…」
「いいえ、とりあえずはダンス教室に通わせることにしました」
「え? ダンス教室?」
「あら、奥さま、ご存じないの? 受賞者は晩さん会の後にダンス
があるんだとか。私、思いますのよ。日本人も世界に恥じないダン
スを踊るべきだと」
「へえ、なるほど。さすが、奥さま」
「いいえ、そんなことありませんわ」
二人の会話をずっと我慢して聞いていた小学生の娘が一言。
「ねえママ、とりあえず、お兄ちゃんにはもっと勉強させたら?ま
ずは九九を完璧にね?」
お、おう…と反応しておきますw