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第2話

「俺の名前は川村陽助。頭はそこそこ悪いが人間としてはやっていけてるつもり」

そこまで言い終わって俺は一息つき、また始めた。

「別に特技とかあるわけじゃないしつくろうとも思わない。」

そこまで言い終えるとそいつは聞き飽きたのかいきなり話し出した。

「あんたのことは充分わかったわ。次はわたしね。」

い、いや待ってくれまだ俺の話しは…

まぁ…いいか…

今止めると怒るだろうから…

俺はこくりと頷いた。

「わたしは魔法界からきたのよ。ちなみにあなたにわたしの名前は発音出来ないわ。」

「は!?なんだそりゃ」

「つまり!魔法界では人間界とはまったく違う高等な言語を使ってるのぉ!」

「は、はぁ…」

俺はしぶしぶと頷いた。


沈黙。


しかしそれもすぐに打ち破られた。

「あんた…」

そいつは俺に顔を近ずける。

どうやら俺より背が低いらしく俺を見上げていた。

近い…近い!

俺はちょっと後ずさったが苦笑いしながらもその視線に耐えた。

するとそいつはやっと口を開いた。

「信じてないでしょ」

俺はドキッとした。

いや、する必要はないと思うけど…

でも実際、そんなこと信じれるわけないだろ?

結局俺は「し、信じてる」と言ってしまった。

するとそいつは「まぁいいけど」と言って顔から離れた。

「つまりおまえは魔法使いだってことだろ」

俺は今説明されたことを言い回しをちょっと変えて言った。

するとそいつは「宜しい」と言って俺のほうに歩み寄って来た。

と思ったのもつかの間。

そいつは俺をあっさりスルーし、俺の少しうしろの方で立ち止まった。

「どうしたんだよ」

俺は振り返りながら言った。

しかしそいつは無視しいきなりしゃがんだ。

俺は思わず覗きこんだ。

ゆっくりちかずいていき…

「あぁー!」

そいつがいきなり立ち上がるもんで俺のあごにそいつの頭があたった。

まるでアッパーをくらったかのようにひらりと空中を舞い、地面にたたき付けられた。

涙目になり俺はずきずき痛むあごをさすりながら立ち上がった。

すると俺の前方に嬉しそうに跳ね上がっている奴がいた。

「どうして…」

どうしてお前は平気なんだと言う間もなくそいつは俺に駆け寄ってきた。

「みてみて!飛行石!」

その小さい両手の中に輝く綺麗な石が一つあった。

「その綺麗な石がどうかしたのか?」

俺は喜ぶそいつに質問した。

「魔法石の一種でこれがあるとそこのほうき」

そう言うとそいつは俺の後ろに転がっているほうきを指差した。

俺がそのほうきを見るとまた話し出した。

「それで空をとべるのよ」

「ふーん」

俺がそう答えるとそいつはガクッとなった。

「なによそのリアクションわ!」

「い、いや…」



………………



沈黙。


やめてくれ!

俺こういう状況すっごく苦手なんだ!

そんなことを思っているとそいつは鼻をならした。

「…まぁいいわ」

「は、はぁ…」

ああそうですかと言わんばかりに俺はあいづちをうった。

「それでね――――」

強い風が吹いた。

そのせいで聞き取れなかった。

いや、そういうことにしたかった。

俺は恐る恐る聞いた。

「今、なんて?」

俺が聞き終わるとそいつは確かに。

はっきりと。

大きな声で言った。

「あんたの学校とやらに行ってみるわ!」

なななななななにをおっしゃるかと思えば!

「お前!マジで入る気か!?」

俺はその現実を吹き飛ばしたかった。

しかし、こう言ってもあいつが聞くはずがない!

「もちろんよ!それとあんたには責任とってもらうからね!」

俺よりちょっと背の小さいそいつはかわいらしいその姿で腰に手をあてた。

「これからはあんたの家に住むことにするわ」

もちろん俺がOKするはずがなかった。

「断る」

「わー即答。いいじゃない減るもんじゃないし」

「だーかーらー これでも俺は健全なる中学生だぞ。つまり…」

するとそいつはまたもや俺の顔を覗いてきた。

「ふ〜ん」

そいつはその下から覗き込んだ姿勢のまま言った。

「はずかしいんだ〜」

なんだかこういう言い方をされるとムカつく。

俺は込み上げる怒りを押さえながらゆっくり頷いた。

そいつはそっかそっかと言いながら俺の前方に三歩進んだ。

しかし俺は両手を広げた。

「だいたい、なんで俺の責任になるんだよ」

そいつはくるりと俺の方に向き直り応対した。

「あんたが箱を勝手に開けちゃうからよ」

「それがなんだよ」

「つまり、あんたのせいで私が魔法を使えなくなっちゃったの」

全く…と言ってそいつは腰に手をあてた。

が、それはこっちの台詞なのである。

だいたいいきなり箱が落ちてくるのがいけないのだ。

普通、開けたくなるだろ?

「ていうかそれって落とす方が悪いだろ!」

「ふんっ… とにかく今日からあんたの家に住み着くからよろしくね!」

と、溢れんばかりの笑みで言われた。


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