第一話:空の郵便物
学校の帰り道。
俺はいつも通りぼーっとしながら歩いてた。
「あぁ〜 退屈」
いや、実はこうしてほざいてる場合でわないのである。
なんたってもうすぐテストだからだ。
なーんて思いながら俺は空を見上げた。
今日はテストが近いということで授業は午前中だけだったのだ。
「のどかだなぁ」
そんなことを呟きながら歩く。
すると晴れ渡る空に何かキラリと光った気がした。
そして歩みを止めてその方向を俺は重視した。さらに空の遠くの方に小さな黒い影が見えた。
思わず息を飲む。
よく見ているとその影はだんだん大きくなるのだった。
まさにそれはこっちに向かって落ちてきているようだ。
俺が口をあんぐりと開けているとすぐそこの地面にごすっと落ちた。
やはりこういうところは人間。
俺はその箱が気になって拾い上げた。
「綺麗な箱だなぁ…」
そう呟いて俺は無意識に箱を開けていた。
すると中がピカリと光り、そしてそれはすぐにおさまった。
「い、今のは… 一体…」
俺は目をパチクリさせ、そう言った。
すると頭上の方から叫び声が聞こえてきた。
男にしちゃ妙に高い声。
つまり…
と、思考廻りしていたところ俺の上に今までにあじわったことのない衝撃がおきた。
「ぐはぁ!」
そう言って俺は地面にうつむせで倒れた。
「あ〜 いたたた」
俺の背中に何者かが乗ってそう呟いてる。
ハッと俺は正気に戻り無理矢理身体を起こした。
するとそいつは俺から落ちたようだ。
そして俺は制服に着いた砂を払い落としながら立ち上がった。
そのときだった。
「何すんのよ!」
後ろから声がした。
振り返るとそこにはまさにゴスロリ調子の女の子が立っていた。
そして地面には何故かほうきが…
そして俺は呆れたように言った。
「そりゃこっちの台詞だ!だいたいな、いきなり人の上に落ちてきてなんだとはなんだ!」
ホントにそうである。
これが小説だからいいものの、現実に起きたらきっと二人共命はなかったはずだ。
しかし、そいつはそんな俺の思いすら知らず泣きだした。
「う、う…」
俺はまずいと思って両手を前に出し「わかった!悪かった!」と言った。
するとそいつはすぐに泣き止んだ。
ったく… なんで謝ってんだか
そんなことを思いながら俺はそいつに聞いた。
「この箱といい、おまえといい、一体なんなんだ?」
しかしそいつはムッとしてこんどは怒り出した。
「あんたね、人の事聞くんだったらまずは自分から!」
そう言ったあとそいつは常識でしょ?と言ってプイッとそっぽを向いた。
俺はしかたなく「ごめんごめん」と言って自己紹介を始めた。